今回はアパート経営においてインターネットを無料で使うことができる設備を導入するかどうか検討しているオーナー向けに、インターネット導入のメリットや仕組み、費用対効果について解説していきたいと思います。
最近はテレビを持っておらずYouTubeで動画を見ているという若い人も多くなってきています。
キー局がインターネットでリアルタイム配信を始めたり、ネットでも見逃し番組を見られるようになっていますし、動画配信のサブスクも充実していますので、ネットさえあればと思っている若い方は多いですよね。
特に若い世代がターゲットとなるような物件の場合はインターネットの導入を検討するオーナーも多いでしょう。
インターネット導入の一般的な仕組み
まずはアパート経営においてインターネット無料の設備を導入する場合どのような仕組みになっているかということを説明したいと思います。
ほとんどの場合、無料インターネットサービスというのはアパート一棟に対して光ファイバーを一本だけ引き込みそれを全戸で共有するというシェア型の形態になります。
一つの回線を全てのお部屋で共有する形になりますので同時に複数の端末で一つの回線に接続をします。
回線を分け合う形になるのでそれなりのスピードしか出ません。ネットをよく使う人にとっては少しスピードが遅いと感じると思います。
ただ動画を視聴するぐらいであれば、そこまでストレスに感じないスピード感ではあると思います。
最近は新型コロナウイルスの影響でリモートワークが盛んになっており、インターネットを使ってビデオ通話をする人が増えていますが、こういったリアルタイム通信のものになるとスピードにストレスを感じるレベルだと思います。
有線接続ならまだしも無線LANのアクセスポイントを作ってwi-fiとして利用してもらうのであればさらにスピードが落ちると言えるでしょう。
またログインするためのパスワードなどが前入居者同一のものになってしまいますのでセキュリティが甘くなってしまう可能性もあります。
さらにRC構造の場合は壁が邪魔になって電波の透過性が良くありません。RC構造の場合はシェア型の無料インターネットはなかなか難しいと思った方が良いです。
シェア型のインターネットとは別に各戸に一本ずつ光ファイバーを引き込むサービスもあります。
ただこちらの場合はすべてのお部屋に回線工事が必要になってくることと、それぞれでプロバイダーを別に契約しなくてはいけなくなり、無料でインターネット回線設備を提供するとなるとオーナーの負担が大きく、あまり現実的ではありません。
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無料インターネット導入のメリット
ではインターネットを導入することによるメリットを考えてみましょう。
物件の露出が増える
賃貸物件をポータルサイトで検索する場合、スクリーニング機能を使う人が多いです。
条件をいくつか指定して物件を絞り込んでいくやり方ですが、スクリーニング条件の中に無料インターネットという条件があるサイトが多いです。
そのため、この条件が必須である人にも物件をリーチさせることができるので、物件の露出が増えるというメリットがあります。
競合物件との差別化
同じエリアにある競合物件と差別化を図るために無料インターネット設備を導入するオーナーも多いです。
ただしインターネット設備を維持するための費用を管理費や家賃に上乗せするような形で維持をして行くと思いますので、それによって競合物件と家賃の差ができてしまうのであれば導入しない方が良いという可能性もあります。
どれくらいのコストがかかるのかということをしっかり計算した上で導入を検討しましょう。
退去防止
無料インターネット設備を利用している入居者からすると別の物件に移る時に「インターネット代が月々今より上乗せになる」という考え方になるので、退去に対して腰が重くなるというのは確実に言えることだと思います。
インターネットの契約などは内容が煩雑で面倒に感じる人が多いですしね。
実際インターネット設備を導入したオーナーは体調が少なくなったという話をしている人も多いです。
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無料インターネットは決め手にならないことが多い
ここまでインターネット回線導入の良い面を見てきましたが、実はインターネット回線があることが入居の決定打になっていないことの方が多いです。
無料インターネットの導入が実際にアパート経営の空室対策に効果的なのかどうかというのは本当のところは微妙なんですね。
全国賃貸住宅新聞に掲載された「この設備がなければ入居が決まらないランキング」では、インターネット無料設備は単身者向けで5位、ファミリー向けで9位という結果になっていました。
この設備がなければ入居が決まらないランキング
| 単身者向け | ファミリー向け | |
| 1位 | 室内洗濯機置き場 | 追いだき機能 |
| 2位 | TVモニター付きインターホン | 独立洗面化粧台 |
| 3位 | 独立洗面化粧台 | 室内洗濯機置き場 |
| 4位 | 洗浄機能付き便座（3位タイ） | TVモニター付きインターホン |
| 5位 | インターネット無料 | 洗浄機能付き便座 |
| 6位 | エントランスのオートロック | システムキッチン |
| 7位 | 備え付け照明 | ガスコンロ |
| 8位 | 宅配ボックス | エントランスのオートロック |
| 9位 | ガスコンロ | インターネット無料 |
| 10位 | 浴室換気乾燥機 | エレベーター |
すでに様々な設備を導入した上でさらに新しい設備を検討している場合は良いかもしれませんが、ウォシュレットやテレビモニター付きインターホンなど、生活やセキュリティ設備を向上させる設備の方が人気が高いことが分かります。
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インターネット導入のコストは？
インターネット導入のコストですがどのようなプランで導入をするか、どの回線を申し込むかによっても内容が変わるものの、初期費用はアパート1棟あたり50万円から120万円が相場です。
そこから回線の固定費が月々かかってくることを考えると、計算をしないままに導入することでマイナスになってしまうこともあるリスクの高い設備投資だと言えるでしょう。
お部屋の設備を整えるのであればまずは別の設備から検討してみると良いと思います。
またターゲット層に本当にインターネットの導入が必要とされているかどうかということも考えましょう。
これからはより一層スマホがメインの端末になっていく時代だと思います。パソコンやタブレットもスマホで契約をしている回線を使ってテザリングをするという人も増えています。
これから先インターネット回線無料という設備が本当に必要とされるのかどうかということも考えたいですね。