不動産管理

【実録】投資物件の浄化槽交換

地方の築古物件を中心に戸建てや区分マンションにも投資をしております。

投資歴は10年以上で、以前やった浄化槽の交換の話をしてみようと思います。

かなり古い物件で、このアパートは浄化槽物件でした。

浄化槽とは

下水道が整備されていない地域では、汚水処理をするために浄化槽をつけている物件が立ち並んでいます。

私も不動産のことを勉強するまではこの浄化槽というもの、全く知らないものでした笑

浄化槽の設置場所は家の裏側や側面、あるいは車庫の中などが多いですが、

私の所有していたアパートはお部屋につながる階段を上がる手前にドーンと大きめの浄化槽がありました。

めちゃくちゃ目立つ位置です笑

汚水処理を行なっているのが浄化槽ですから、もちろん入居者の皆さんが流した汚水がそこに貯められています(苦笑)

浄化槽にも種類があり、水洗トイレからの汚水のみを処理する単独処理浄化槽が主流だったものの、

平成13年4月以降は台所排水や浴室排水なども処理できる合併処理浄化槽のみ設置できることになっています。

多分私の持っていたアパートは築古だったので単独処理浄化槽だったと思います。

単独浄化槽に比べて合併処理浄化槽の方が断然環境に優しいそうです。

そりゃ単独処理だとトイレ以外は垂れ流しということになりますので、環境には悪いですよね。

この浄化槽、どういうものかというと、

汚水処理ができないまま汚水を川や海に流すわけにいかないので、

浄化槽で一度貯めて、そこで微生物に汚水の有機物や汚れを分解してもらいます。

最後に消毒をして川に放流、というのが浄化槽の仕組み。

こう解説するとかなりアナログな感じがしますよね笑

微生物に頼ってるの!?とも思います。

維持管理をしていくために浄化槽法というもので定期点検などが義務付けられており、ランニングコストがかかります。

実は結局微生物だけでは全てを分解するのは無理なので、浄化槽内の装置が詰まってしまう、ということはよくあるようなんですね。

  • 清掃:25,000円
  • 保守点検:18,000円
  • 電気代:11,000円
  • 法定検査:5,000円

※環境省「単独処理浄化槽から合併処理浄化槽へ」より引用

保守点検は4ヶ月を1度、清掃は年に1回が目処です。

これを怠っているといろいろと問題が起きてきます。

関連記事:アパート経営するなら木造?鉄骨?どちらがいいのか

浄化槽を交換することに

めったにやるものではないと思うのですが、浄化槽を交換することになりました。

費用目安は5人槽だと80〜120万円で、7人槽だと100〜140万円。

かなりの金額ですよね。

都会に住んでいる私からすると、そもそも浄化槽ってなんだっけ、みたいなもので、浄化槽のメンテナンスや交換の費用がかかってくる物件が厄介な物件であるという認識も最初はなかったんですよね笑

ですが、浄化槽物件というのはデメリットも多いので、購入する時は注意が必要です。

単独浄化槽はトイレの汚水のみを浄化槽に貯めているものですが、現在は合併浄化槽への交換が推奨されており、

自治体によっては交換工事の一部を補助してもらえたりもしますので、もし浄化槽の交換をする際、単独浄化槽なのであれば、調べてみてもいいかもしれません。

ちなみに浄化槽は下水道が整備されていない地域で使用されていると言いましたが、

あらたに下水道が整備された場合は、浄化槽からの切り替えが必要になります。

下水道法や自治体の公共下水道条例で定められている義務であって、下水道の併用が開始されてから1年以内に切り替えなければいけないんですよね。

浄化槽はランニングコストがかかってトラブルも多いですから、下水道が整備されるのは嬉しいことです。

ですがこの下水道への切り替え・撤去費用も物件の所有者が負担することになるので、結局オーナーにとってはあまり嬉しくありません。

そういったところも含めて、やはり浄化槽物件というのは厄介かなと思います。

あと浄化槽物件を購入する時は浄化槽がきちんと使えるかどうか、ということも一応事前に確認した方がいいですね。

関連記事:中古物件のリフォームはここにお金がかかる!内見時に見るべきポイント

浄化槽物件での入居者へのお願い

先述したように、浄化槽は非常にアナログで汚水処理能力が決して高いとは言えません。

そのため、入居者の方にも協力を呼びかけた方が良いです。

コストコのトイレットペーパーはよくないらしい

どうやらコストコのトイレットペーパーは浄化槽内の装置が詰まってしまう可能性が高いらしいです。

浄化槽業界では結構言われている話のようで、申し訳ないですが、入居者さんにはコストコ以外でトイレットペーパーを買ってもらうようアナウンスするしかないですね。

もちろん一般的なトイレ同様、トイレットペーパー以外のものを流すのは禁止です。

洗剤を選ぶ

酸性・アルカリ性の洗剤は使用しない方が良いそうです。

塩素系の洗剤なんかも強力な殺菌作用があるので、浄化槽内の微生物を殺菌してしまう恐れがあります。

微生物がいなくなると分解してもらえなくなってしまうので、洗剤を大量に使うのも良くないです。

なるべく多めの水と一緒に洗い流してもらうのが良いですね。

油は流さない

単独浄化槽の場合はトイレの排水のみなので油を流すことはあまりないと思いますが、

油を流すと浄化槽の負担になります。

これは下水でも同じで、油を流すと汚れがこびりついたり、排水管を詰まらせる原因となります。

さらにそれが悪臭の原因になったりすることもありますので、油は流さないようにアナウンスしておくと良いでしょう。

入居の際のお知らせとして書類をお渡ししたり、定期的に入居者にお知らせを配ったりすると良いかと思います。

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