Yahooニュースにて楽待新聞の記事が取り上げられていました。
「火災保険スキーム」にメスか、不動産会社社長ら3人が逮捕《楽待新聞》
ざっくり説明すると、火災保険の請求を代行することによって報酬を得ようとした弁護士の資格を持っていないリフォーム会社社長や不動産会社社長ら3人が逮捕されたという話です。
皆さん火災保険スキームというものを知っているでしょうか?
今回はこの火災保険スキームがどのようなものなのか、どういったところに気をつけなくてはいけないのかというところを解説していきたいと思います。
火災保険スキームとは
火災保険とは建物が事故や災害にあった時に補償をするものです。
保険会社によって補償範囲は異なります。
加入者が保険料を支払うことで災害などが大きい損害が出た場合に保険金が支払われる制度です。
火災保険スキームでは、この火災保険の仕組みが利用されます。
コンサルタントなどを自称する業者が火災保険を契約している不動産オーナーに、「不動産のここが壊れているけれどこれは火災保険で直せますよ」というような持ちかけ方をして実際に火災保険の請求を行い、
支払われた保険金の中から成功報酬として一定金額をコンサルタントなどを自称する業者が受け取るという手口です。
なんとこういったコンサルタントなどを自称する業者が成功報酬として受け取る保険金は30%から40%ほど。多いところでは50%のところもあるそうです。
支払われた保険金のうちの多くを手数料として受け取っていることがわかります。
もちろん不動産オーナーとしてはなるべく多く火災保険の保険料を受け取って不動産を修繕したいと思うのが普通でしょう。
それは決して悪いことではないのですが、この火災保険スキームで問題となってくるのが不正請求が行われやすいという点です。
保険を請求するためにわざと建物を壊すなどの行為が行われているケースもあるそうなんですね。
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火災保険スキームでどのような勧誘が来るのか
物件の売買などをしていると不動産オーナーのもとには色々な勧誘がくるものだと思います。
火災保険スキームではどのような勧誘が来るのかと言うと「火災保険をしっかりと活用することができていますか?」というような持ちかけ方をされることが多いようです。
しかも、かなり大手の不動産仲介会社などがこのような勧誘をしてくるケースも確認されています。
詳しく聞いてみると「火災保険請求の代行を行います」というような内容なんですね。
火災保険請求の代行に関してはそれ自体が違法ということではないですし、実際私も管理会社から保険会社へ資料を送っていただいたりして保険金が下りたこともあります。
そういった火災保険への請求をしてみて、管理会社の方がどのような見せ方をしてくれるのかという部分は請求が通るかどうかに大きく影響してくる部分ではあるなと感じました。
この辺りはバランス感覚が大事というか、かなり担当者に任されている部分が大きいと思います。
そして保険の請求は一度してしまうと同じ事象では再び請求することができなくなりますので、特に今困っていないのにわざわざ保険を請求するような事をして後々本当に保険が必要になった時に適用することができないとなったら困るでしょう。
不動産投資である以上利益を出すというのはとても大切なことですが、無理やり利益を捻出しようとして自分の信用を下げてしまうようなことをするのは、あまりにもリスクが大きすぎるように思います。
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保険請求代行は指定のリフォーム業者を利用しなければいけない、などといったルール
保険請求代行を行う代わりに報酬として支払われた保険金の一定額を不動産仲介業者などがもらう上、さらに業者が指定したリフォーム会社でリフォームをしなくてはいけないというないようにしているところも多いみたいです。
提携しているリフォーム会社であれば上乗せなどもできるでしょうし、リフォーム会社からのバックがある場合もあるのでしょう。
もちろんこれも不動産投資業界では当たり前のことですし、そもそも事業というのはそういうものだと思いますので全く悪いことではないと思います。
リフォーム業者や職人さんの色々な会社がありますから、どこにどれくらいの予算で割り振るのかということを考えるのもまた仕事ですしそれに対してお金はかかってくると思えば致し方ありません。
しかし結局のところそのようにして行なった保険請求というのは、ほぼ手元には残りませんので、自分の信用を人質として取られた上で本当にその修繕を行う必要があるのかということは考えなくてはいけません。
本当に必要な保険の請求をした時に適用されないといったことがあっても困りますし、必要になった時に使うのが火災保険です。
既に懇意にしている職人さんやリフォームは業者がいるのであれば自分で手配をしたほうが上手に修繕を進められる場合もあります。
火災保険スキームというものがあるのだということをぜひ頭の片隅に置いておいていただいて、火災保険に関する勧誘を受けた時に思い出していただければなと思います。
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