アパート経営をしているとついつい気になってしまうのが入居率。
満室で経営するぞ〜!
といつも躍起になっています。
アパート経営の事業の指標として使われるのが入居率というものですが、
入居率と入居稼働率はよく混同されがちな指標で、厳密には異なるものになります。
どちらかというと大切なのは入居稼働率の方です。
入居率と入居稼働率の違い
入居率と入居稼働率の違いは「計測する期間」です。
入居率は瞬間的なこと(ほとんどの場合、現時点での入居状態)を指します。
今10戸お部屋があって8戸埋まっている状態の場合は入居率80%です。
同じ意味合いで、空室率で言い換えるなら、入居率80%は空室率20%となります。
それに対して、入居稼働率はある一定の期間で計測をします。
大体は1年、あるいは2年単位くらいで計算をすることが多く、
月単位で計算をするのであれば、以下のような計算式で求めることができます。
稼働率=(12×戸数-空室月数)÷(12×戸数)
もっと細かい数字を出したい場合は日単位で入居稼働率を計算することもできます。
その場合は上記の12の部分を365に代え、空室月数の部分を空室日数に代えればOKです。
基本的には月単位の個数ベースで話すことの多い入居稼働率ですが、
部屋ごとに家賃がかなり異なるような物件の場合は、家賃ベースの稼働率を計算してみるのも良いでしょう。
この場合は、実際の年間家賃収入の合計を満室だった場合に入ってくる家賃収入の合計で割れば割合を導き出すことができます。
家賃ベースの稼働率
稼働率=実際の家賃収入÷満室の場合の合計家賃収入
このように「入居率」と「入居稼働率」は厳密には異なるものなのだ、ということはよくよく覚えておいた方が良いことですね。
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入居稼働率が大切なわけ
入居率よりも入居稼働率の方が大切だよ、という話をしましたが、なぜなのでしょうか。
これはやはり、瞬間的な数字だとどうしても全容がわからない、ということが理由です。
よく管理会社さんの広告などで「入居率99%」というような表現を見かけますが、
これは瞬間的な入居率のことを指していることが多く、いつもいつも入居率が99%、つまり入居稼働率が99%ということではありません。
そんなことはあり得ませんからね笑
東京の不動産で人気エリアしか扱っていない不動産ならあり得ますが、地方の不動産なんかはそんなことはまず難しいと思います。
私も地方の中古アパートを複数所有していますが、満室経営なんていうのはかなりのレアケースです。
入居稼働率が80%以上あればかなりの好成績といってもいいでしょう。
物件を購入する時も、「買った時は満室だった」というようなアパートというのは結構あるものです。
中には満室で売却するために、わざと社員を契約させて満室と見せかけて、売却後にごっそり社員が契約していたお部屋が退去となる、なんていう詐欺まがいの売買を行うところもあります。
物件の価値をはかる時に、入居稼働率を調べることも大事でしょう。
それがわかれば、表面利回りから計算し直して、おおまかな実質利回りも計算することができると思います。
ただし、入居稼働率は物件の購入を検討する時にデータとして算出されていることはほとんどありません。
なので、基本的にはレントロールを取り寄せるのが一番良いかと思います。
レントロールは現在どれくらいお部屋が埋まっているか、入居者が何年お部屋に住んでいるか、どういう人なのか、といったことを一覧でまとめたものです。
これですぐに入居率は分かりますね。あとは契約年数を見れば、どれくらいのサイクルで回っている物件なのか、ということもおおよそ検討がつくのではないかと思います。
正確な入居稼働率は分かりませんが、管理の方とお話ができそうなのであれば、稼働率を聞いてみるのもいいかもしれません。(なかなか管理の方がそこまで把握しているかはわかりませんが)
具体的な目標を立てるのに入居稼働率を使うと良い
例えば年間の目標を立てるのに入居稼働率を使ってみるといいかもしれませんね。
今年の入居稼働率は87.9%だったから、来年は90%を超えられるように頑張ってみよう、とか。
こういった具体的な数字があると、経営をしていく中で、あとどれくらい頑張らなきゃいけないのか、ということを常に意識できるように思います。
もちろん100%を目指したたいですが、正直これはエリアによっても変わってくる数字だと思っております。
どれくらいの入居稼働率を目指せば、納得のいく利回りで回せるのかということを考えてみるのも良いでしょう。
また、どれくらいの数字を下回ったら焦らなきゃいけないのか、ということも決めておくと、空室対策にもどれくらいお金をかけるべきなのか、判断しやすくなるように思います。
オーナーにとっては、こういった指標はとても大切ですね。
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