アパート経営をする中で大切なのがキャッシュフロー。
きちんと把握できていないと、黒字倒産、なんてことにもなりかねません。
アパート経営においては、収益を上げることももちろん大切ですが、支出を減らす、ということもまた大切なことです。
今回は不動産投資におけるキャッシュフローについて、より良くするためのポイントをご紹介していきたいと思います。
不動産投資におけるキャッシュフローとは
キャッシュフローとはそもそも、ビジネスによって得られた収入に対して、外部への支出を差し引いて手元に残る資金の流れのことを指します。
文字通りキャッシュ（現金）のフロー（流れ）ですね。
不動産投資においては、借り入れを行って投資を行う、というケースが多いと思います。
特にアパート経営であれば、規模にもよりますが、銀行から借り入れをして投資をしている人が多いでしょう。
その場合は必ず月々の返済があるわけですが、きちんと収入に余裕をもたせておかないと、その返済が滞ってしまうわけです。
サラリーマン投資家であれば、自分の毎月のお給料がありますから、そこから少し手出しをしても…と考える方もいらっしゃると思いますし、
そういった月々の収入があるからこそ、銀行の借り入れも通ることが多いわけですが、投資をする上ではできるだけ手出しがない方が良いでしょう。
アパート経営などでは突然大規模修繕などが必要になったりしますから、そういった時にある程度手元にキャッシュがないと、修繕しなくてはいけないものをずっと放置しなくてはいけなくなります。
当然そういった物件は劣化が早くなりますし、熱意のないオーナーだとみなされて客付けもしてもらえなくなります。
少し手出しをしてもいいから規模の大きい物件を…というのはこういったところがリスクになるわけです。
投資を行う上ではきちんとキャッシュフローを把握し、なるべく良い状態で回していくことが大切です。
関連記事：不動産投資で考えるべきキャッシュフロー、何を計算すればいい？
不動産投資におけるキャッシュフローの計算方法
キャッシュフローは家賃収入から経費と返済金額を引いたもので計算します。
購入する物件のレントロールを見て、家賃収入を計算してみましょう。
現実的な数字を出したい場合は、空室率も考慮した方が良いです。
また、築年数が経てばそれだけ家賃も下落していきます。
そこも考慮して、なるべく低い数字で計算していった方が良いです。
経費としては
- 原状回復費
- エレベーター修繕費
- 大規模修繕費（外壁や屋根）
などを見ておくと良いでしょう。
購入を検討している物件は、修繕履歴を見せてもらって、何年後に修繕が必要になりそうか、ということを予測します。
また、最近は広告料も結構な金額になるなぁと個人的に思っています。
空室をなるべく出さないような工夫も大切ですね。
銀行への返済に関してはシミュレーターがネットにもいくつかありますので、そういったものを利用すると良いと思います。
生活や実務に役立つ計算サイトのローン返済（毎月払い）もおすすめです。
関連記事：収益物件のリフォーム、どこにどれくらい費用がかかる？
キャッシュフローの良いアパート経営のポイント
ではキャッシュフローが良いアパート経営はどのようにしたら行えるのでしょうか？
そのポイントを解説したいと思います。
家賃下落率が低い物件を選ぶ
これは物件購入時の判断になりますが、家賃下落率が高い新築物件などはキャッシュフローが悪化しがちです。
家賃下落率をしっかりと見極められていれば良いですが、初心者だとそこまでは難しいかなとも思います。
例えば、利回りはあまり期待できませんが、高い家賃設定を長期的に期待できる人気エリアの物件だったり、
中古物件であれば、家賃下落率もそこまで高くないでしょう。
自己資金比率を増やす
借入時に自己資金の比率を増やせば、利子も少なくなり、月々の返済額も少なく済みます。
大切なのはある程度の現金が手元にある状態で不動産投資をする、ということ。
確かにレバレッジを大きくかけられた方が投資としてはうまみが多いのですが、それでも現金が手元にあまりない状態でアパート規模の物件を経営していくのは危険です。
いつ大規模修繕が必要になるかわかりませんので、投資初心者はそれらの想定をして、ある程度の大規模修繕にも対応できる現金を確保した上で投資した方が良いでしょう。
自己資金は物件購入費用の2〜3割程度は入れた方がいいです。
自己資金ゼロを謳うところもありますが、これは初心者にはかなり危険だと思っています。
苦しくない返済を目指しましょう。
関連記事：不動産投資を自己資金ゼロで始められる！が危険な理由
火災保険など、支出の見直し
キャッシュフローを改善するためには、投資にかかってくる支出の項目の見直しも大切です。
2022年10月からは火災保険の長期契約の期間が10年から5年に短縮され、実質的な値上げとなります。
火災保険はとても種類が多く大変ですが、保険スクエアbang！などの無料一括比較サービスもありますので、
物件に合った、なるべく安い火災保険に加入するようにしましょう。
今回は不動産投資のキャッシュフローについて話してみました。
アパート一棟へ投資、というような規模が少し大きくなってきた時は、特に大切な考え方ですので、ご参考になれば幸いです。