売買知識

築古アパートの6つの出口戦略

築古物件、中でも地方の物件では高い利回りが得られる物件もあり、

さまざまなメリットがありますが、

オーナーが頭を悩ませる問題の一つに「出口戦略」があると思います。

 

不動産業界では物件を購入することを「入口」、物件を売却することを「出口」と言います。

 

不動産投資を考えている方は、実際に運用する際のキャッシュフローを組み立てる方に熱心になりがちですが、

物件の購入を検討する時は、物件を手放す時のこともしっかり考えた方がいいです。

 

投資を拡大していくためにも、物件を手放す時はいつかやってくるものですからね。

 

物件購入の際に考えられる出口戦略

 

まずは物件を購入する時に考えられる出口戦略について紹介していきます。

 

物件を購入する時から、出口を意識していくことで

結果的に良い投資ができるでしょう。

 

物件をできるだけ安く買う

 

築古物件を探している方は、物件をできるだけ安く購入しようと考えている方が多いでしょう。

 

もちろん安く買えれば、それに越したことはないですよね。

 

安く物件を購入することができれば、物件を売却した時に売却益を得ることもできるかもしれません。

 

物件を安く購入する方法としては、

お世話になっている不動産業者とより密に情報共有をする、という方法が一番おすすめです。

 

というのも、不動産業者には市場に出していない物件もあるものなんですね。

 

物件を相続するタイミングで売りたい、という案件が一番ありがちなパターンなのではないでしょうか。

 

親世代が不動産投資をやっていたけど、相続をする、というタイミングになった時に

不動産のことはよくわからないから、売却してしまいたい、というようなパターンですね。

 

そういう場合は、市場に出す前に懇意にしているオーナーにその情報を共有してくれる不動産業者もいます。

 

市場に出してしまって他の不動産業者を挟んでしまうと、元の不動産業者に入るお金も少なくなってしまうので

市場に出す前にやり取りした方が不動産業者としても都合がよかったりするんですよね。

 

なので、初めて物件を買った不動産業者など、

自分のつてがある不動産業者と普段から連絡を取り合う癖をつけた方がいいと思います。

 

土地値が高い物件を買う

 

築古物件の場合は、どうしても建物に価値がなくなってきているものが多いですよね。

 

物件の購入を検討している人には、節税目的で考えている人もいるので

そういう場合は新築や築浅物件よりも、築古のアパートなどを探している、という場合もあるのです。

 

そういう人に買ってもらうために必要なのは、資産価値の高い物件。

 

つまり築古物件で、建物にあまり価値がなくなってきていても

土地自体に価値があるもの、土地値の高い物件であれば、買い手がつきやすい、ということなんですね。

 

そういったところを見越して物件を購入するために、見るべきなのは積算価格。

 

物件にそれほど価値がなくなってしまっている築古物件でも、

土地値の高い物件であれば、節税目的で買いたい、という人が出てくる可能性が高い、ということです。

関連記事:アパートの耐用年数、軽量鉄骨だと何年?

 

物件購入後に考えられる出口戦略

 

物件購入後、「これから物件を売りたい」という人が考えられる出口戦略について見ていきましょう。

 

大規模修繕が必要になる前

 

築古物件では大規模修繕が必要になってくることもありますよね。

 

特に水回りや外壁などで大きな修繕費が出てしまう、ということはよく聞きます。弊社が以前所有していた物件でも、宅内配管に問題があって大規模な修繕が必要でした。

費用にして「1500万円」程度だったかと思います。なので、売却することになったんですけどね。

 

そういった修繕は、だいたい「そろそろやらなくちゃな」となんとなく意識に上がってくると思いますが

大規模修繕でかなりの修繕費が出て行くのに、物件の空室率も伸びてしまっている、という状態だとその物件では収益を上げて行くのが難しくなってしまいますよね。

 

結局全体を通してマイナスになってしまう、ということもあるかもしれません。

なので大規模修繕をする前に、手放してしまう、というのも一つの出口戦略だと思います。

大規模修繕が必要な時には現場の管理担当者から「入居者から苦情がありまして……」というような電話が1日に1本ペースで鳴り響く場合も。

修繕費用の捻出や、金融機関への返済も考えると、手放すという選択肢も考えるべきなのです。

 

エリアの賃貸需要を見計らって

 

地方の築古物件の場合は特に考えなくてはいけないのが

そのエリアの賃貸需要でしょう。

 

その物件がどういう層によって支えられているのか今一度考えてみてください。

 

ファミリー層なのか、学生なのか。

学生だった場合は、どの学校の人が多く入居しているのか。

 

もしかしたら、その理由が一つに集中している場合、

その学校がなくなってしまったら、途端に入居者が減る、なんてことにもなりかねません。

弊社でかつて所有していた物件にも「学生用物件」がありました。個数は30戸程度。大学の不動産部が協力してくれる時は良いのですが、

協力がなくなると、途端に入居率が下がったりしましたしね。管理会社の営業部の方が大学の不動産部にかけあってくれるのですが、これも運次第だったりします。

 

そういった賃貸需要の変化を長い目で予測していくとともに、

自身の持っている物件はどのような理由で入居してくれているのか、ということを分析することも大切です。

 

法定耐用年数を超える前に売る

 

物件を買う人のことを考えて、買い主が買いやすいような状態に物件を持っていった上で物件を売る、というのも出口戦略のうちです。

 

買い主がローンを組みやすいような状態で物件を売るために、法定耐用年数を超える前に物件を売る、ということも考えてみましょう。

耐用年数が短い木造だとなかなか難しい出口戦略ですけどね。

築古物件でも融資は受けられる?物件の選び方は?では、築古物件のローンについて書いているので、良ければどうぞ。

満室にして売る

 

やはり満室、という条件はとてもいい条件ですよね。

 

投資物件を考えた時、満室になっている物件というのはついつい目がいくものだと思います。

なので、例えば「家賃を下げる」などの工夫をして

物件自体を満室にしてから売りに出してみる、というのも一つの出口戦略です。中には、売却前に広告料を3ヶ月分にして、満室状態を作り出す投資家さんもいますね。

札幌等の「広告料がそもそも高い地域」に関しては、3ヶ月分じゃ全く足りないんですけどね。

関連記事:アパート解体のため立ち退きをしてもらう際に気をつけること

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