地方の築古アパートを中心に、区分や戸建てにも投資をしています。
投資歴は10年を超え、現在は個人でも法人でも物件を所有しています。
今回は、地方で所有している学生向けのアパートのお話です。
戸数が20以上あり、それなりの規模の学生向けアパートなのですが、退去が続いており、現在半分くらいが空室となっています。
そのため、何かしら施策を考えなければな…と思い管理会社さんにもご相談させて頂いた上で、フリーレントをつけてみようかな、という結論に至りました。
フリーレントとは
フリーレントとは、家賃が無料である期間を付ける、ということです。
期間は自由に決められますが、0.5ヶ月〜3ヶ月といった期間が一般的で、よく見るのは1ヶ月ですね。
契約開始日が4月1日でフリーレントが1ヶ月の場合は、家賃の発生は5月1日から、ということになります。
月の途中で支払いが発生する場合は、最初の月の家賃を日割りにして請求します。
フリーレントでも全く収入が入って来ないというわけではなく、あくまでフリーレントは家賃を無料にするものなので、
管理費や共益費は別と考えて、上記の例の場合でも4月分の管理費と共益費は請求をします。
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なぜ学生物件でフリーレントを付けるのか
学生がお金がないからフリーレントをつけてあげよう、というような単純な話ではありません笑
実は、管理会社さんにお話をうかがったところ、4月からの新学期に向けてお部屋探しに来る学生さんは、数ヶ月前からお部屋探しをされるそうなんですね。
4月からの生活に向けて1月2月にはお部屋探しをされる。
ですが、結局その時は契約に至らないことが多いのです。
そこで契約をしてしまえば家賃が発生してしまい、勿体無いですからね。
私の所有している物件の内見でもそういったことがあったそうです。
そういう学生さんは、4月の新学期間近になってまたお部屋探しのために内見をする。
毎年新年度前は繁忙期であり、退去も多くなる時期です。
つまり新年度間近でお部屋探しをした方が、他の物件でも退去が出ており、選択肢が広がるということなんですね。
そうなると他の競合物件に取られてしまう、という流れがあるようです。
そして同じ地域の他のオーナーさんが対策としてフリーレントをつけたところ、それで成功している、という話でした。
私も真似をさせていただいて、フリーレントをつけてみようと思います。
フリーレント期間中に契約解除となることももしかしたらあるかもしれませんが、
それでもずっと空室のまま、というよりはよっぽど良いでしょう。
学生さんの立場になって考えてみると、なるほど確かに良い施策かもしれないな、と思いました。
フリーレントにも賛否両論はある
今回はお話を聞いて納得ができたので、よし、フリーレントをつけてみようという気になっているのですが、
もともと私は「フリーレントはどうなんだろう」と思っていた派です。
確かにフリーレントがついていることによって入居付けがしやすくなるというのはあると思うのですが、
間口を広げることによって入居者の層が悪くなるのではないかな、という懸念もあります。
ただ、今回の学生向けアパートに関しては、そもそも近くに大きな大学があって、ほとんどがその大学の学生の入居になります。
なので、そこはあまり気にしなくても良いかなと思える部分ですね。
また、数字的な観点でフリーレントを考えた時。
家賃が20万円の物件でフリーレント1ヶ月となれば、これを12ヶ月で割った時、月額1.6万円の家賃値下げが1年間続く、とも考えられます。
もちろん長く住んでいただければ良いのですが、入退去の多い物件で、さらに家賃が高い物件の場合はあまり割に合わないこともあるでしょうね。
今回のアパートは家賃も安いですし、何より学生向け物件ということで、「繁忙期を逃すと1年空室になる可能性の高いお部屋」ということになります。
1年空いているよりは埋まった方が良いです。
また、大学生の場合は4年間住んでいただけることが多いですから、「数ヶ月で退去」というようなことが起こるのは稀かなと思います。
フリーレントを付けた時にやっぱり嫌なのは短期間での退去ですからね。(中にはフリーレントを付ける代わりに規約として、最低契約期間のようなものを設定しているオーナーさんもいらっしゃるようです)
そういう意味でも学生物件にフリーレントは合っているかもしれません。
まだフリーレントをこれから付けてみようかなという段階でしかないので、実際に付けてみたらどうなるか分からないですが、
数字的に良い変化が表れたら、またこちらでご報告しようと思います。
学生物件をお持ちの方はぜひフリーレントを付けることも検討してみてください。
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