売買知識

不動産売買契約での融資利用の特約による解除について解説!

不動産売買を行うときに買主側も売主側も、物件をちゃんと購入することができるか、無事に売却することができるかということをギリギリまで不安に思うものですよね。

中でもトラブルが多いのは融資利用の特約に関する部分です。

 

物件を購入する際は金融機関で融資を受ける人が多いですが、物件を購入するにあたって融資がきちんと降りるかどうか、その審査結果によって物件を購入することができるかが変わってくるものです。

思っていた額の融資を受けられないということもありますし、それによって物件を購入することを諦めなくてはいけないこともあるでしょう。

 

しかし物件を購入する場合は融資の審査が降りる前に買付申込書を提出し、売主の合意が得られれば融資利用の特約を付けた状態で売買契約を結ぶことになります。

今回は不動産売買時の融資利用の特約について解説していきたいと思います。

 

融資利用の特約とは

 

不動産売買をする際売買契約書には融資利用の特約という項目があります。

これは融資の承認が期日までに得られなかったり、融資が否認された時に飼い主に解除権を定めた条項となっています。

基本的には違約金の発生はないものです。

 

このローン条項の適用をする場合は長期融資金の欄にローンの内容を記入することになります。

 

売買契約を結んでいたとしても融資がおりなければ売買契約をなかったことにできるという買主を守るための特約です。

関連記事:不動産の仲介手数料はいつ、誰が払うの?

 

融資承認取得期日と契約解除期日

 

融資特約に関しては買主を守るための条項ではありますが、何時でも好きな時に買主が売買契約を白紙撤回することができるわけではありません。

ローンをいつ申請していつまでにその結果が出るのか、といったローンについてのスケジュールはお互いに把握しておくべきですし

売買契約を解除するとしたらいつまでに解除するのかということは先に決めておくべきです。

 

一般的に契約解除期日は融資承認取得期日の最終日から1週間もしくは10日後までです。

飼い主は不動産売買契約締結後速やかに融資の本申し込みを融資先にする必要があります。

 

スムーズに融資を受けるためには買付申込書を売主に提出する段階で金融機関に融資の相談をしておくべきでしょう。

 

また融資がおりなかったり減額された場合物件を購入することが難しくなってしまったら、契約解除期日までに必ず売主にその旨を連絡しなくてはいけません。

 

ここで注意したいのは融資がおりなかったことによって自動的に売買契約が解除になると思っている人が多いということです。

融資がおりなかったことで売買契約を解除するのであれば契約解除期日までに必ず連絡をする必要があります。

 

予定していた融資先から融資を受けられなかったとしても他から資金繰りがつけば契約が予定通り行われる可能性もあるためです。

 

契約解除を申し出ない限り契約は履行しなければいけなくなってしまいますので、

解除期日を過ぎてから契約解除を申し出た場合は何らかのペナルティが課せられる可能性があります。

関連記事:不動産売買の申し込みをしてからキャンセルした時にかかる違約金

 

ケースごとに考える融資利用の特約による解除

 

融資承認取得期日までに融資が承認されなかった場合

 

融資承認取得期日までに融資が承認されず結果がわからなくなるようであれば、融資承認取得期日及び契約解除期日の延長の覚書を交わして本契約を続行するよう努めなくてはいけません。

これらも売主と買主の融資に対するスケジュールの共有が必須になってきますので、融資承認がどのようなスケジュールで降りそうなのかということは逐一報告した方が良いでしょう。

 

融資が否認された、もしくは減額された場合

 

融資先に融資が否認されてしまった、もしくは減額されてしまったという場合は、それ以外に資金を調達する方法があるかどうかということをまずは調べなくてはいけません。

資金調達の目処が立たない場合は解除の通告を行い契約解除期日までに契約解除の覚書の締結を行います。

 

契約解除の申し出が契約解除期日をすぎてしまった場合

 

融資特約による契約解除が自動的に行われると思ってしまっているケースで、契約解除期日を過ぎてしまったが売買契約を解除したいという場合があります。

 

この場合はローン特約に基づいての売買契約解除ができないので手付金を返してもらえない、などのペナルティがあると思ってください。

契約解除期間が空欄になっている契約書の場合でも相当期間経過後にはローン特約による契約の解除権は消滅するとした判例(東京高判平成7年4月25日判決)もあるので

売買契約を解除するのであれば契約解除期日までに必ず申し出なくてはいけないということを覚えておいてください。

 

また口頭で契約解除の旨を伝えるよりも内容証明郵便で直接売主に送付し、その旨を不動産業者にも伝える、というような方法をとることをお勧めします。

 

口頭での連絡になると言った言わないになってトラブルになってしまいがちですし、

物件の規模が大きければ手付金もまた金額的に大きなものになってくると思いますので慎重に進めていくようにしましょう。

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