売買知識

中古物件を購入する時に確認したい水道管まわりのチェック事項

中古物件を購入する時にチェックするべきポイントはいくつかありますが、その中でも重要なのが水道管まわりです。

生活をする上で水は絶対に必要ですし、リフォームや修繕などでも一番お金がかかってくるのは水回りのことが多いです。

 

中古物件を購入する時に水道管まわりではどのようなことをチェックすればいいのでしょうか?

 

重要事項説明ではあまり説明されない水回りのこと

 

売買契約の前に宅地建物取引士が行う重要事項説明があります。

マンションの場合はあまり詳しい説明はないかもしれませんが、一戸建てや土地のみの売買の場合は前面道路の埋設管と埋設管から宅地内へ引き込むための引込管や給水管について、その位置や口径が説明されます。

 

その際に水道局などで取得した給水装置図面なども合わせて見せてもらえるかと思います。

 

ただし多くの場合が説明はそこまでで、それ以上の説明をしてもらえないばかりか

知識がなければ水道管の口径が本当にそれで問題がないものなのかどうかということも判断することができません。

 

埋設管や引込管の位置についても同じことが言えます。

 

もちろん大掛かりな工事が必要な不動産の場合はその旨の説明義務がありますので説明はされるかと思いますが、それにどれぐらいの費用がかかってくるのかというようなことはなかなか説明してもらえません。

 

重要事項説明をきちんと聞くことはもちろん大切ですが、きちんとした水道管周りの知識を持って、中古物件を購入する前に自身で確認しておくべきことがあります。

関連記事:中古物件の購入で失敗しないために見るべきポイント

 

水道がきちんと引き込まれているか

 

中古物件ではありえないと思うかもしれませんが水道がきちんと引き込まれていない物件というのも存在します。

様々な土地の開発などによって水道管の拡張工事などが行われ、埋設管から引込管がきちんとお家まで届いていなかったりするような中古物件もあるんですね。

 

直前まで人が住んでいた、というような中古物件の場合はなかなかこういったことはないかもしれませんが、

お家まできちんと水が来ているか、という確認も念のためしておいた方が良いです。

関連記事:賃貸物件での水道トラブル、どこに連絡したらいい?誰が負担するの?

 

引込管の口径

 

水道管の口径について、引き込み管の口径には

  • 13mm
  • 20mm
  • 25mm

などの種類があります。

 

一般的な住宅では20mm口径のものが望ましいですが、かつて主流であった13mmの口径のものが未だに使われていることが多々あります。

 

この大きさの口径の場合、水回り2箇所以上で同時に水道を利用した時に水量が落ちるというような影響が出る場合があります。

 

東京23区の場合は原則として水道管の口径が20mm以上でないと新たに水道を引き込むことができない、というようなルールがあるほどです。

 

13mm口径の水道管が使われている物件の場合は20mmで引き直しが可能か、また費用的にはどれぐらいかかってくるのかということを調べておく必要があります。

関連記事:アパートの浄化槽って何?下水道との違いは?

 

引込管の材質

 

引込管の種類には

  • 鉛管
  • 鋳鉄管
  • ステンレス鋼管
  • 塩化ビニル管
  • ポリエチレン管

など様々なものがあります。

 

現在はステンレス鋼管、塩ビ管などが主流ですが、鉛管が使われているところもあり、この鉛菅は健康被害が指摘されています。

 

鉛菅の使用が禁止されたのは比較的最近のことをなので築年数は経っている物件の場合は未だに鉛管が使用されている場合があります。

東京都の場合は鉛管の使用が全面的に禁止されたのは1995年です。

それ以前に建てられている物件の場合は鉛管が使用されている可能性があるということですね。

 

鉛管の使用が禁止された年は自治体によっても異なりますので地域ごとに確認が必要です。

地域によっては鉛管の交換に補助制度などを設けている自治体もありますので併せて確認しましょう。

 

配管の水漏れ

 

キッチンのシンクや洗面台の下などの扉を開けて手を入れてみたり、水漏れの跡がないかということをチェックしましょう。

同時にそれらの箇所の臭いなどもチェックしておくと良いと思います。

どうしても湿度が高くなってしまう場所ではあるのでカビなどに悩まされる人も多いです。

関連記事:アパートの臭い対策としてできることを原因別に解説

 

老朽化、耐震性

 

水道管の耐用年数は40年とされています。

しかしこれは材質や使用のしかた、どれだけメンテナンスをしているかによっても異なってくる部分です。

 

建物の建設時期と使われている引込管が引き込まれた時期が同じとも限りません。

建物よりも引き込み管の方が長く使われていて古くなっている場合もありますので水道管がどれぐらい古いものなのかということも調べたほうが良いでしょう。

 

なかなか資料が出てこないこともありますが、毎日使う水が通る場所ですので老朽化や耐震性などに問題がないかというのはしっかり調べておきたいところです。

関連記事:賃貸物件での水道トラブル、どこに連絡したらいい?誰が負担するの?

 

埋設管の位置

 

水道管は前面道路にある本館から物件の敷地内に引き込むのが一般的ですが、土地の形状上それが出来ずに引込管が他人の敷地の下を通っている場合があります。

 

これらの問題がある場合は水道管を引き直さなくてはいけない可能性もありますので埋設管がどのような位置に配置されているのかということも購入前に調べておきましょう。

 

漏水があったり水回りのトラブルがあった際にご近所間とのトラブルの原因となります。

関連記事:賃貸物件で水道の水漏れがあった時の対処法、どこに連絡すればいい?

 

重要事項説明だけではなく、水道管まわりのことについては色々なことを確認しなくてはいけないということがわかったと思います。

中古物件の場合はそれまでに住んでいた人の使用状況なども分からない部分が多いので、しっかりと情報収集するようにしましょう。

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