日々不動産業に関わっているとよく思うことが「不動産業の新規参入は難しいな」ということです。
普段からお世話になっている不動産業者の方には大変良くして頂いていますが、だからこそ「優先的に話を持ってきてもらう」ということもよくあることで、不動産屋さんと何のつながりもなく新しく不動産投資を始めるというオーナーはなかなか物件を見つけるのも大変なんじゃないだろうか?と思うわけです。
地方物件なんかは特にネットには出回りません。
今までの繋がりがあるオーナーに優先的に良い物件が紹介されるような仕組みになっています。
付き合いが全くない知らない人に新しく物件を売るよりも、今までもたくさんやり取りをしていてこれからも繋がりが続いていくだろうオーナーに買ってもらった方が不動産屋さんとしてもやりやすいわけですからね。
新しい不動産屋さんとお付き合いを始める時は、嘘をつかれることもあるということをしっかりと認識しておいた方が良いと思います。
特に売買の場合は大きなお金が動きますからどのような手口があるのかということも知っておくと良いと思います。
もちろん全ての不動産屋さんが嘘をつくというわけではありませんし、不動産屋さんというよりも売主の方が嘘をついてきているという場合もあるのですが、実際にあった話をいくつか紹介してみたいと思います。
物件に人が住んでいないのに空室率が低い
規模の大きいアパートの購入を検討している時によくあることなのですが、実際には物件に人が住んでいないのに空室率を低く見せるために親族や友人知人に契約してもらって空室率を下げているんですね。
これは意外とよくある話で、物件を購入した後に一斉に前オーナーの友人知人が退去していき、思っていた入居率が確保できずにもありが想定よりもかなり落ちてしまって困るオーナーは多いです。
対策としてはやはり現地の物件をしっかりと見に行くことでしょう。
郵便受けの確認して新聞やチラシなどが溜まっているお部屋がないかということを見てみましょう。
他にも見られる範囲なのであれば水道やガスのメーターがしっかりと作動しているかどうかや、お部屋にカーテンが引かれているか、生活感がきちんとするか、建物への出入りがしっかりあるかということも確認ておくと良いと思います。
あとはオーナーと繋がりがある法人が一括借り上げのような状態で複数のお部屋を契約しているといったこともあります。
こういった場合は一斉退去によって家賃収入がゼロになってしまう可能性もありますので、単純に空室率だけを見て判断しないようにしましょう。
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レントロールが嘘
どのお部屋にどれくらいの期間どんな属性の人が入居しているのかということを一覧で見ることができるレントロールという資料があります。
物件を購入するかどうかを決める際に見せてもらうことができる資料ですが、これがまるっきり嘘ということもありました。
ノートで出てきたレントロールだったのですが、通常であれば年季が入っているはずのノートがどうもここ数日で書き上げたのではないかというような綺麗さだったわけです。
最近はレントロールがデータになっているものが多いので、こういった判断はしづらいかもしれませんが、
そもそもレントロールの中身自体に嘘がはいっていることもよくあります。
同じ時期に複数の契約が決まっていたり、空室募集の家賃設定がおかしかったりということもありますので、レントロールはしっかり読み解けるようになっておきたいですね。
関連記事:不動産を購入する時に注目したい、レントロールとは?
「今が売り時」という嘘
でもよくある嘘ですが、「今は特に不動産が売り時です」という言葉には騙されないようにしましょう。
売買は金額が大きくなりますので不動産業者もどうしても誇張表現が多くなりがちな部分です。
不動産はいつ売ることも大事ですがいくらで売るかということが一番大事です。
あまりにも急ぎすぎて考えていない値段で売買することのないように慎重に考えていきたいところです。
売る時だけでなく買う時もそうですが、急かすようなことを言ってくる不動産屋さんには注意したいですね。
特に買う時なんかはスピード感はたしかに大切です。良い物件であるほど同じように物件を購入したいと考えるオーナーも他にたくさんいるでしょうから、なるべく即決できる方が良いです。
ですが焦りすぎて判断を誤らないようにしなくてはいけません。
このバランスがなかなか難しいんですよね。
いくつか不動産屋さんの嘘についてお話ししてみましたが、全ての業者が悪徳というわけではありません。
ただし他の業界に比べるとまだまだアナログな部分が多く、嘘がつきやすい業界とも言えると思います。
だからこそ不動産屋さんとの信頼関係を時間をかけて築いていくということが大切でしょう。
結局は人と人同士なので心をもって接することができると良いですよね。