不動産投資をする上で、不動産会社の繁忙期と閑散期を知っておくことは
その時期にできることを見分けるために重要です。
例えば不動産会社の繁忙期、つまり賃貸契約が多く交わされる時期をわかっていれば
その前に入居率をアップさせるために動くことができますし、
逆に閑散期にいろいろ動き回っても、成果が出ないので、閑散期は新しく投資する物件を探したり、大きな修繕をする期間として充てる、なんていうこともできるようになります。
1年の中で、不動産会社がどのような動きをしているのか、ということを知っておくことで
不動産投資をよりテクニカルに行っていくことができると言えるでしょう。逆に言えば、繁忙期を逃してしまうと、次の繁忙期まで空室状態が続く、ということもありますね。
一番の繁忙期は1月〜3月
不動産会社の一番の繁忙期は1月〜3月です。
みなさん予想がつくことだと思いますが、新年度に向けて、多くの人が引越しをする時期がこの時期なので、
必然的に不動産会社の一番の繁忙期は1月〜3月頃、ということになるんですね。
実際に引越しをするのは3月、4月のギリギリの時期が多いのですが、
引越しをするために物件をいろいろ内見したり、すでに入居している人たちも契約を更新したり、といった作業があるので
1月頃から不動産会社は忙しくなるんですよね。
ではその不動産会社の繁忙期に対して、不動産投資家はどんなことができるのでしょうか?
まず、繁忙期より少し前の時期に不動産管理会社を訪れる、ということをしておくと
いくつもの不動産投資家とやりとりがある不動産会社も、改めて思い出してくれるでしょうし、繁忙期に優先的に物件を案内してくれるかもしれません。
不動産会社との密なやりとりは不動産投資をする上ではかなり重要なことです。
最近の市場状況を聞いて調査し、どうやったら入居率をアップできるか、というような話をしておくのも良いと思います。
また、繁忙期直前に所有している収益物件の状況を見ておくことも重要です。
管理が行き届いてない箇所はないか確認し、
そういった箇所があれば、不動産管理会社にお願いしておくと、繁忙期でたくさんの人が物件の内見に来る前に、所有している収益物件を良い状態にしておくことができるでしょう。
繁忙期中は不動産会社がとても忙しくなるので、
繁忙期のちょっと前に、こういった策を打っておくのがおすすめです。
繁忙期真っ只中に不動産会社に連絡したり、会社に出向いたりするのは逆に迷惑になってしまうこともあるので、気をつけたいところですね。
9月〜12月は第二繁忙期
不動産会社の一番の繁忙期は年度始めの4月に合わせた1月〜3月ですが、
第二繁忙期と言われるのが9月〜12月になります。
この時期はどういった層が転居するのか、というと主に「転勤で引越しをする人たち」です。
単身者向けの収益物件を所有している場合は、この9月〜12月の第二繁忙期も力を入れたいところですね。
12月に関しては「推薦入試」で入学先が決まった学生等の需要もあります。早々に入学先を決めることができるので、引越し先を一足先に探すのです。
4月〜8月が閑散期
繁忙期に対して閑散期となるのが、4月の後半から8月頃までになります。
閑散期は転居がとても少ないので、内見の数自体も減りますし、
繁忙期は競争率が高いですが、閑散期には余裕がある分、入居まで踏み切ることができる人が少ない、という理由もあって、なかなか成約が決まりません。
でも、その閑散期に何もしないで収益物件を放っておく、というのはもったいないです。
閑散期だからこそ不動産投資家ができることもあるでしょう。
大規模修繕
閑散期に検討したいのが大規模修繕です。
工事が入るような大きな修繕は閑散期に済ませておくことで、繁忙期に入居希望者を逃してしまうことを防ぐことができます。
さらに繁忙期に向けて物件をより良い状態にしておくことができるので、
閑散期こそ、物件の価値を高めるための動きをしていくと良いでしょう。寒冷地であれば、雪の降る時期に大規模修繕をすることができません。
しかし、4月〜8月であれば、雪が降らないので、修繕をする機会としては最適なのです。
金額的にも混み合う時期ではないので、安くなる場合がありますね。
賃貸情報を集める
閑散期に入居者を入れるのは難しいので、
逆に繁忙期に向けて、どういう物件だったら成約したいと思ってもらえるか、情報収集をした上で物件に付加価値をつけていく期間に充てるのも良いと思います。
入居者に人気の特典や条件には流行があり、そういったものは全国賃貸住宅新聞などで情報収集をして調べてみると良いでしょう。
例えば
- 追い炊き
- オートロック
- 無料インターネット
- コンロを増設
- ウォシュレット
- モニタ付きインターホン
など、こういった条件が入居の決定打になることもあります。特に最近は追い炊きを求める入居者が増えてきているような気がします。
物件の周辺にある賃貸の情報を集めて、周辺物件にはない条件を付加価値としてつけてみると
さらに入居率をアップさせることができるかもしれません。
とにかく閑散期は繁忙期に向けて物件をよりレベルアップさせていく時期、と考えると良いでしょう。
ターゲットによって変わる繁忙期
不動産会社の大まかな繁忙期について解説してみましたが、
物件のターゲット層によっても多少繁忙期が異なる場合があります。
例えば、新婚者向けの物件の場合は6月〜10月頃が繁忙期になります。
所有している物件がどういったターゲット層向けの物件なのか、ということを踏まえた上で物件の繁忙期を考えてみると良いと思います。
不動産会社の繁忙期と合わせて、どのタイミングで担当の人と会ったり、連絡をとるか、ということも考えると良いでしょう。