不動産投資の基礎知識

減価償却は耐用年数を超えた場合でもできる!その計算方法は?

不動産投資をする上で、減価償却をどれくらいできるのか、ということは必ず考えなくてはいけないことですよね。

 

収益物件として物件を購入する時、

  • 購入価格を安く抑えることができる
  • 利回りが良い物件が多い

という理由で築古物件を検討している人も多いでしょう。

 

そんな築古物件の場合は、法定耐用年数をすでに超えている、という物件もあるでしょう。

 

減価償却は耐用年数から計算するものなので、耐用年数を超えた物件に関しては

減価償却できないのでは、と考える方もいると思うのですが、

法定耐用年数を超えた中古物件を購入する際も減価償却を行うことができます。

 

ただ耐用年数は超えてしまっているので、計算の仕方が異なってきます。

 

今回は耐用年数を超えた物件の減価償却について解説していきます。

 

減価償却と耐用年数

 

そもそも減価償却と耐用年数について、一般的な計算の仕方をおさらいしておきましょう。

 

物件は時間とともに劣化して行くものなのでその価値は年々減って行くわけですが

それは目に見えないものですよね。

 

なので、その劣化したことによって価値が下がった部分を「損をした」と考えて

経費として計算することができるのが減価償却です。

 

例えば5000万円の収益物件を購入して、

償却年数が10年だったとすれば、毎年5000/10で500万円分を「損した」という風に捉えて、経費として計上することができる、ということですね。

 

この減価償却期間の考え方ですが、法定耐用年数に基づいて計算していきます。

 

法定耐用年数は、簡単に言うと法的に定められた寿命です。

あくまで減価償却年数を求めるために設定されているものなので、この法定耐用年数を超えたからといって、

建物が住めないものになる、だとか、すぐに建て直しをしなくてはいけない、ということではありません。

 

実際耐用年数を超えている築古物件はたくさんありますからね。

 

耐用年数は物件の構造によって変わってきます。

 

住宅の場合ですが、法定耐用年数は以下のようになります。

構造 法定耐用年数
木造 22年
S造(鉄骨)・骨格材厚≦3mm 19年
S造(鉄骨)・3mm<骨格材厚≦4mm 27年
S造(鉄骨)・4mm<骨格材厚 34年
RC造 47年
SRC造 47年

 

※国税庁:耐用年数(建物/建物附属設備)より作成

 

これをもとに、減価償却を計算していきます。

 

では中古物件を買った場合はどうなるのか。

物件を購入した時点で法定耐用年数を超えている場合はどうなるのか、ということについて書いていきます。

関連記事:アパートの耐用年数、軽量鉄骨だと何年?

 

中古資産の耐用年数の考え方

 

中古資産の場合は耐用年数の計算の仕方が変わってきます。

計算式は次の通り。

償却年数=(法定耐用年数-経過年数)+経過年数×0.2

 

ここでいう経過年数というのは建物が建築されてから経過した年数、つまり築年数です。

 

例えば木造の物件の場合は法定耐用年数が22年です。

築10年の木造物件を購入した場合は、

償却年数は(22-10)+10×0.2となるので、14年、ということになります。

 

木造の耐用年数が22年なので、かなり短い期間で減価償却できる、というわけですね。

関連記事:不動産投資で年金代わりに収益を!気をつけるポイントは?

 

法定耐用年数を超えた場合は一気に償却できる

 

物件を購入する際、物件が法定耐用年数をすでに超えている築古物件の場合は

さらに償却年数が短くなります。

 

償却年数の計算式は下記の通り。

償却年数=法定耐用年数×0.2

 

ただ、この計算式で2年未満となる場合は原則として償却年数は2年になります。

 

例えば木造物件の法定耐用年数は22年ですが、

物件を取得した時点で、すでに建物が耐用年数を超えている場合は22×0.2なので4年で償却することができるんです。

 

例えば大きめの物件を売却して、どうしても税金が多くかかってしまう時なんかは

こうした短期で償却できる物件を買うことで、減価償却を使って経費を膨らませることができるので

節税対策に耐用年数を超えた築古物件を購入する人もいる、ということです。

関連記事:築古物件でも融資は受けられる?物件の選び方は?

 

短期間に減価償却をしてしまうデメリット

 

一見すると短期間で減価償却できる耐用年数を超えた築古物件は節税対策としてとてもメリットが大きいように見えますが、

短期間で減価償却できてしまうことによるデメリットもあります。

 

銀行融資期間が短くなる

 

減価償却期間が短くなることによって、銀行融資期間も短くなる、というデメリットもあります。

 

融資期間が短くなる、ということはそれだけ返済額も大きくなる、ということ。

 

いそいでローンを返さなきゃいけなくなる、ということなので

ここはデメリットと言える部分でしょう。

 

償却期間が終われば一気に税金が高くなる

 

償却期間が短ければ、その分、数年間は手元にお金が残りやすくなるでしょう。

 

ですが、その償却期間が終わってしまえば一気に利益が出てしまって、税金の支払いが多くなってしまいます。

 

そういったところも計算して、物件を購入するようにしなくてはいけません。

 

取得した物件を売却した場合は売却益に対して譲渡税もかかってきますからね。

 

ノムコムで無料査定をしてみたら、「意外と利益が出てしまうかも……」なんてことも。
耐用年数を超えた中古物件はメリットデメリットがそれぞれありますので、

目先の利益にとらわれすぎず、計画をしっかりと練って購入するようにしましょう。

関連記事:収益物件の事業計画書を作る時のポイント

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