不動産投資をする時にネックになってくるのが不動産投資ローンを無事組むことができるかどうかという部分だと思います。
不動産投資における融資を組むためにもどういう内容であれば融資が通りやすくなるのか、また融資が通りやすくなる時期などはあるのかということについて知っておいた方が良いです。
機関の融資実行額の推移と融資姿勢の変化
まず現状の不動産投資に対する金融機関の融資姿勢ですが厳しくなってきていると言わざるを得ません。
まずは金融庁が2019年に公表した『投資用不動産向け融資に関するアンケート調査結果』を見ていきたいと思います。
こちらは金融機関の融資実行額の推移を表しているグラフです。
グラフを見ると2018年の9月から急激に低下傾向にあることがわかりますがこれは「かぼちゃの馬車事件」の影響です。
かぼちゃの馬車事件とは不動産業界では有名な事件で、株式会社スマートデイズという不動産会社が投資家であるオーナー達にシェアハウスの「かぼちゃの馬車」をご購入させ、それらを一括借り上げした上で入居者に転貸するサブリース展開を行っていた事業において起きた事件です。
不動産投資家の中にはサブリースを利用して不動産投資を行っている方も少なくないので、やり方としては一般的なものになります。
しかしこのかぼちゃの馬車事件ではサブリース事業が破綻しオーナー会のサブリース賃料が未払いとなってしまったんですね。
ほとんどのオーナーが銀行から借り入れをして物件を購入していましたが、サブリース契約自体が破綻してしまったので、借入をしていたオーナーたちは返済を行うことができなくなってしまいました。
結局スマートデイズは破産手続きを行い、破産管財人が算出した債権は1,053億円に。
当時このかぼちゃの馬車事件でローン審査が通りやすくなるように斡旋していたのがスルガ銀行です。
そんなかぼちゃの馬車事件があったことによって金融機関も、あまりにもゆるい融資を組みすぎると結局事業が破綻した時に銀行側も被害を被ることになるため、融資に慎重になっていきました。
融資実行額が減少傾向にあるのはこのためです。
各金融機関が不動産投資に対してどのような融資姿勢を示しているのかという推移を見てみます。
銀行でも信金・信用組合でも、融資が消極的になっているのがわかります。
スルガ銀行以外にも地方銀行で不正融資が相次いで発覚したことなどもあり、金融庁が各金融機関へ適性検査を実施し融資審査に対する指導が入るようになっているそうです。
現状は不動産投資に対する融資はしばらく厳しくなりそうという流れですね。
関連記事:不動産投資における融資の金利相場は?
属性的に有利で金利でローンの借り入れができる時を狙う
金融機関での不動産投資に対する融資が厳しくなっている今、個人の属性的に不動産投資ローンを組みやすい時期を狙うというのが建設的です。
結局個人の属性が高ければ金融機関も融資はしてくれやすくなります。
勤続年数をある程度重ねて信頼を増やすなり、その他の借入金額などを減らすなどして自身の属性を高める工夫をしていきましょう。
また定年が近い年齢になってしまうと、融資は受けられても融資期間が短くなってしまったり、そもそも融資が受けられないということもあります。
不動産投資の融資を組むのであれば、若い方が有利というのはあるかもしれません。
融資期間が長ければ長いほど、月々の返済金額も少なくて済みますのでキャッシュフローも回りやすくなります。
20代や30代で不動産投資の融資を組むことができれば、50代や60代でローンを完済することができる計算となります。
なるべく早く始めるというのが投資の基本ですね。
融資が出やすいのは3月・9月?
融資が出やすいのは3月・9月であるという話がありますが、実はこれは意外にも本当のことなのです。
というのも、銀行側も融資を組みたくないというわけではありません。
特に事業融資などに比べると、不動産投資への融資の方が銀行にとってはリスクが低いですからね。
事業融資の場合は失敗した時に全く回収ができないということもありえますが、不動産投資であれば土地なんかは価値が急に下落するということもあまりありませんし、それなりに価値のある不動産に対して融資を行っていれば回収もできるからです。
そして3月や9月というのは銀行の決算期・半期決算期です。
融資をすることによって銀行側も経営成績が上がりますのでこの決算に向けて貸し出しを行いたいと考えている時期なわけです。
とはいえ融資条件が急に緩和されるというわけではありません。
イメージとしてはもともと通る内容である融資の条件が少し良くなるというイメージです。