利回りを見て不動産を探していると、地方の築古物件で利回りが20%!だとか30%近い!?なんてことがあります。
利回りだけ見て探していると築古物件は本当に良さそうですが、実際のところ築古物件への投資というのはどうなのでしょうか?
地方の築古戸建て、築古アパートを所有しているオーナーとして、解説してみたいと思います。
築古物件投資のメリット
まず築古物件への投資のメリットを考えてみましょう。
利回りが高い
とにかく築古物件は利回りが高いということがメリットです。
地方の物件であれば20%台の利回りのものが出てくることも。
これはとにかく「築古ゆえに安く購入することができる」というところに起因しています。
しかし中には別の理由があって価格が安くなっているということもありますので、利回りだけで飛びついてしまわないように気をつけましょう。
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キャッシュで購入できる
例えば主婦の方やフリーランスで働いている方など、安定した収入がなく、融資を引くことが難しいという方は、最初は物件をキャッシュで購入する、という人もいるでしょう。
築古の戸建てなら、地方だと数十万円で購入できるような物件もあります。
中には1円物件、なんてものもあるんですね。
この場合も背景として色々な理由は考えられますので、入念なリサーチは必要になります。
また、逆を言えば「融資を引くことが難しいのが築古物件」とも言えます。
融資を引いて不動産投資をしたい、これから投資規模をどんどん拡大していきたい、という方には築古物件は向かない場合もあります。
家賃の下げ幅が少ない
新築物件はどうしても新築というプレミアがつきます。
そのため、最初の5年程度は新築であるということで家賃設定を高めに設定することができますが、築年数が経ってくればぐっと家賃を下げなくてはいけなくなる時がきます。
これに対して築古物件の場合は、すでに築古の物件ですので、築年数が経つとともに家賃設定を大幅に下げなくてはいけない、ということはありません。
そのため長期的なシミュレーションがしやすいというのもメリットです。
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築古物件投資のデメリット
では次に築古物件のデメリットを紹介していきます。
修繕費がかさむ
築古物件の一番のデメリットはどうしても修繕費がかさんでしまうというところでしょう。
私は、築古物件を購入する時に「どこにどれくらいの修繕費をかければ賃貸として出せるか」という目利きができるようになると、築古物件の投資の成功率が上がると思います。
逆にそれがうまくできないうちは、築古物件にはあまり手を出すべきではないのではないか、と思うのです。
利回りを見て、築古物件に飛びつく人というのはとても多いのですが、
修繕費の目安を見誤ってキャッシュフローが悪化する方、破産してしまう方というのは本当に多いです。
一番修繕費がかかるのは水回りと壁や屋根などの大規模修繕の部分だと思いますが、それらの修繕を踏まえた上でも勝算があるかどうか、ということを購入時に考えられると良いでしょう。
あまり修繕をしないで賃貸に出せる、かつ価格が安いと思われる物件を見つけ出すことが大切です。
そのためには修繕に関しての知識をある程度つける必要があります。
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売却しづらい
不動産投資初心者は特に、自分が物件を購入する時のことはたくさん考えれても、その物件を何年所有していくらくらいで売却するか、ということを考えられていない方が多いです。
死ぬまでずっと物件を持ち続けるのであれば相続税もかかってきますし、それを自分の子に背負わせて良いのか?も考えなくてはいけませんよね。
私の場合は10年ほど物件を所有する、というのが目安になることが多いです。
10年後にいくらで売れるか?と考えて物件を購入することを検討します。
築古の物件を選ぶ時は、自分がその物件を将来的に売却することもぜひ考えてみてください。
すでに築古のものを10年所有したら、今の築年数にプラス10年ということになります。
10年後も価値を保ち続けることができる物件なのか?ということが重要です。
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どんな投資をしたいかで物件を選ぶ
自分がどんな投資をしていきたいのか、ということ長期的に考えて物件を選ぶことをおすすめします。
あまり大規模にやりたくないのであれば区分所有マンションや、築古物件でも戸建ての方が良いでしょう。
逆に投資規模をどんどん大きくしていきたいというのであれば、地方の築古アパートはものによっては化けるものが多いです。
ただどちらにせよ、ある程度不動産投資に関する知識を身につけるのが先決です。
自分の投資スタイルを考えるとともに、どういった種類の不動産が自分に合っているか?ということもぜひ考えてみてください。
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