みなさんは不動産の売り時はどういう時だと思っていらっしゃいますでしょうか。
これは「こういう時だ」という答えがなかなか出ないものですし、売った瞬間のことだけでなく、もっと長期的に見ないとわからない部分がありますので、なかなか断言できるものではありません。
ただ、もう10年以上不動産投資を続けてきて、いくつか「こういう条件が良いのかな」というのはあるので、
私が個人的に考える不動産の売り時について今回はお話ししてみたいと思います。
ちなみに私の場合は、基本的には地方の中古アパート投資が多いです。
そのため、今回のお話もおおむねそれを前提に書いております。
都心でのマンション投資や戸建て投資の場合は、また少し内容も変わってくると思います。
築35年を超える前に売る
私が一つ目安にしているのは築35年という数字です。
これを超えてくると、なかなかの築古ということになってきてしまって、売却時に買い手が見つからないリスクが高くなります。
イメージとしては築25年くらいで購入して、10年ほど所有し、築35年を迎える前に売却、という形です。
どのような物件でもそうですが、
購入をする時に「この物件は何年くらい保有して売却しよう」ということをなんとなくイメージしておきます。
不動産投資の書籍や動画なんかを拝見していますと、
どうも売却時のことをイメージされないまま購入されている方が多いような気がしています。
不動産投資は売却が完了して初めて終了し、実際プラスになったのかどうか、ということを考えられるものですから、
やはり終わりのことを考えて始める、というのが大前提だと思います。
新築や築浅の物件はどうしても購入してから年数が経つことで価値が下がりやすいですが、
築25年から10年であれば、ある程度価値が下がってからの取得になるので、下げ幅としても少なくて済むという良さもあります。
関連記事:不動産投資をする時に知っておきたい築年数に関する知識
空室が半数以下の時
空室が多いとどうしても利回りも高く見せることができません。
不動産を売却する時はなるべくお部屋が埋まっている方が売却がしやすくなります。
これも感覚値ですが、半数以上空室がある状態になってしまうとかなり厳しいですね。
それだけ「埋まりにくい物件」と思われてしまうので、買い手がつかない、そして価格を下げるしかない、あるいはかなりの指値をされてしまう、という流れになるでしょう。
とにかく売却する時はなるべく空室が少ないように、というのが鉄則ですね。
逆にふわっと売却のことを考えている物件の入居率が高いのであれば、早めに売却に向けて動き出した方が良いでしょう。
修繕が莫大になりそうな時
莫大な修繕がかかりそうなタイミングがあるものですよね。
例えば私はかなり大きめのアパートを所有していましたが、そこが規模が大きいからなのか、浄化槽からの汲み上げによって水を回しているような物件でした。
この浄化槽の方でトラブルが起き、まるまる全部取り替えないと今後運用していけない、というようなタイミングだったんですね。
そのタイミングで売却することができ、特に莫大な修繕費がかかったことはなかったのですが、
もしも所有している時にどうしようもないトラブルのようなものが起きていたら…と思うと少し肝が冷えます。
物件は10年〜15年前後で大規模修繕が必要なところが必ず出てくるものです。
もちろんそれをも乗り越えていく、という運用スタイルもあるのだと思いますが、
私の場合は大きな修繕費がかかる前に売ってしまうことが多いです。
特に地方の物件の場合は家賃設定もあまり高くできませんから、
一度そういった大規模修繕が発生してしまうと、回収までにかなりの年数が必要になってきたりしますからね。
修繕が必要になりそうな時は「その修繕をして、将来的に回収できるか?」ということを考えます。
外壁や屋根などもそうですが、「傾いてる」というのもなかなか厄介です。
簡単な工事でどうにかできるものでよければ良いのですが、基礎の部分から持ち上げないといけない、というようなことになりますと、相当の金額がかかってきます。
関連記事:マンションの大規模修繕ってどんな内容でいくらくらいかかるの?
入居者がどれくらい住んでいるか
ここも大事なポイントですね。
例えばファミリータイプでものすごく長く住んでいる方がいらっしゃる場合。
長く住んでくださっていることは本当にありがたいことなのですが、
そういう方が退去される時は、たった一つのお部屋なのに、原状回復するのに100万円〜150万円といった金額がかかってくるのです。
これも先ほどと同じ理論で、
やはり地方の物件ではファミリータイプでも家賃はそこまで高くありませんから、100万円〜150万円となると、回収するのに何十年とかかる場合もあります。
なので長く住んでくださっている方が退去されそうなタイミング(お子様の学校関係など)にはアンテナを張っておきたいところです。
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