不動産投資の基礎知識

株価は不動産価格に影響するのか?

日経平均が大きく下がり、

ブラックマンデーの再来だ!

と言っている人がいました。

ニュースでも日経平均の暴落が大きく取り上げられています。

【解説】株価“史上最大の下げ幅”…大きな2つの要因 下落いつまで? 経済への影響は(日テレNEWS NNN 2024年8月5日)

記事内では大暴落の背景として、経済部・金融担当キャップの渡邊翔記者が次のように述べています。

「大きく分けて2つの理由があります。1つは円高の進行です。先週、日銀が利上げを行いました。一方、アメリカでは逆に金利を下げる利下げが始まりそうだとなって、円高が一気に進んでいます。5日の円相場は一時、1ドル=141円台になりました。円高は輸出企業にとってはマイナスの影響があるので、結果として株価を下げる要因にもなっているということです」

さて、ここで不動産投資家が気になるのは「株価は不動産価格にも影響を及ぼすのか?」というところでしょう。

今回は株価と不動産価格の関係について、考えてみたいと思います。

経済が落ち込めば不動産価格も落ちる

日経平均が大きく変動することで、不動産価格も連動する傾向があります。

※不動産価格指数は2010年のマンション(区分所有)価格平均を100とした数値。日経平均は月末の終値を表示。(参考:日本アセットナビゲーション 日経平均株価と不動産価格の関係

上図は国土交通省が発表しているマンション価格指数と日経平均で、これらは緩やかに連動していることが分かります。

株価は上下にスピード感がありますが、それに半年〜1年ほど遅れて不動産価格が追いついていく傾向があります。

これはやはり、株と不動産では売買のスピードが違うというところに起因する違いでしょう。

不動産の売買では売却を決めてから買い手に実際に不動産が渡るまで、早くても3ヶ月ほどかかります。

ほとんどの取引では6ヶ月ほどかかるのが一般的ですので、流動性が株と不動産では全然違うんですね。

なので、株価に比べて不動産価格は遅れて連動していきます。

株価が上昇すると投資余力が増しますので、不動産を購入する人が増え、不動産価格が上がっていきます。

株価が下がれば投資余力がなくなる人が増えるので、不動産を売却する人が増え、市場に不動産が溢れるので、それに伴って不動産価格も下がっていく、というわけです。

株に比べると価格が下がるのが遅いため、日経平均が暴落しても、すぐに不動産価格が下がることはありません。

数ヶ月単位で変動をしていきますので、焦らずに市場をよく観察することが大切です。

関連記事:株か不動産か、投資をするならどっちがいいんだろう?

市場に左右されない不動産を購入することが大事

こういった市場が変動する時でも、あまり影響を受けない不動産というのがあります。

それは「そもそも価値が高い不動産」です。

しっかりと価値のある不動産を購入していれば、簡単に不動産価格は下がりません。

たとえば価値のある不動産というのは以下のような特徴があります。

  • 駅近
  • 土地の値段が高い
  • 賃貸需要がしっかりある
  • 流動性が低いタイプの不動産である

あまり数字を見ないで買ってしまっているような物件の場合は、

市場が下がった時に一緒に不動産価格が下がってしまうことが多々あります。

不動産を購入する時に「これくらいの規模の不動産なのであれば、本来これくらいの金額するはずだけど、それにしては安いな」と思える不動産を購入することが大事、というわけです。

不動産を購入する時、そういった価格の考え方ができているか、ということが大事ですね。

私の場合は、購入を検討する物件が出てきた時、とにかくまずエリアの坪単価を調べるようにしています。

売り出し価格のうち、どれくらいの割合が土地値で占められているのか、ということを計算するんですね。

そうすると、売り出し価格から土地値を差し引けば、建物に対してどれくらいの値付けがされているか、ということが分かります。

建物部分は経年劣化によってすぐに価値がなくなってしまうので、土地の値段がある程度しっかりあれば、最悪の状況になって不動産を売却するにしても、土地の値段分くらいは取り返せる、と判断できます。

どのようなやり方でも良いのですが、物件を見た時に、「これくらいの金額になるはずだ」というものが自分の中で思い浮かべられるようにしておくと、

その金額に対して安いのか高いのか、ということが考えられるようになります。

それが分かっていれば、高値掴みもしなくなりますので、大暴落時も価格があまり下落しない不動産を購入することができると思います。

関連記事:不動産の価値を調べる方法にはどんなものがある?

土地値さえしっかりあれば大丈夫

結局のところ、土地値さえしっかりあれば大丈夫、これに尽きると思っています。

建物の値段は上下しやすいですし、将来的には限りなくゼロになっていきますが、土地の値段というのはそこまで急に上下することがありません。

上下するにしても、ある程度時間がかかります。

そして土地値が上下するのは、その土地に「新しく新幹線の駅ができる」あるいは「近くの鉄道が廃線になる」というような、土地へ流れ込む人の量が大きく変わるであろう出来事が起こる時です。

ものすごく端的に言うと、市場が下がったからと言って、銀座の土地はそうそう安くならない、ということです笑

そう考えると、株価の変動にそこまでビクビクすることはないのではないかな、と思っています。

もちろん動向はしっかり追わなくてはいけないですけどね。

関連記事:不動産価格は今後どうなる?流れを掴むためには何を見ればいい?

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