売買知識

ビル投資って住居用不動産とはどうちがうの?

不動産投資と言われるとアパートやマンションなどが思い浮かべられることが多いと思いますが、ビルへの投資というやり方もあります。

ビルに投資するのは普通の住居用のアパートやマンションなどに投資するのとどのように違うのでしょうか?

今回はそのメリットとデメリットを紹介していきたいと思います。

ビルも区分所有ができるようになった

実は最近ビルへの投資というのは増えていて、オフィスビルなどをフロアごとに所有するという所有方法が浸透しつつあり、個人の投資家でもビルへの投資が可能になってきています。

ビルをまるまる一棟を購入するということになると、東京都心のビルの場合は何億という単位で資金が必要になってきます。

今までは個人の投資家がどのような投資をするのはなかなかハードルが高かったのですが、区分所有ができるようになり最近ではかなりビルへの投資というのが浸透してきました。

関連記事:店舗物件に投資するメリットは?デメリットについても解説!

ビル投資のメリット

空室率が低い

東京都心のオフィスビルは空室率が低いというのが何よりのメリットとされています。

2017年には世界有数の政府系ファンドであるノルウェー年金基金が東京での不動産投資を開始して、渋谷区や港区の商業施設を一括購入していました。

ただ2020年までは順調に空室率が下がっていたものの、新型コロナウイルスの影響で2021年からはぐんと空室率が高くなってきてしまっています。

特に大規模なオフィスビルの場合空室率が高い傾向があり、これはリモートワークなどが普及した関係もあるのかもと思います。

完全にリモート化するというのはなかなか難しいところがありますが、それでもある程度の時間をリモートワークにしたり、曜日によってリモートワークの日を設けるなどする企業が増えてきていますね。

必ず出社しないといけない仕事というのは案外少ないのではないかという所に多くの人が気づいたのだと思います。

とはいえ全くオフィスの需要がなくなるとは考えられません。

というのもやはりオフィスで仕事をするからこそ効率よく進められるものというのは存在するのです。

また無意識のうちに通勤することが運動になっていたということに気付いた人も多かったのではないでしょうか。

そのため家賃がものすごく高い大規模なオフィスでなくてもいいけれど中小規模のオフィスは欲しいと考える企業も増えたのではないかと思います。

実際少しグレードを下げてオフィスを借り直すという企業も周りには多いように感じました。

どうしても家賃は固定費になってきますから企業が不景気の時に真っ先に節約しようと考える部分でもあると思います。

これからは中小規模のオフィスビルの方が需要があるかもしれませんね。

原状回復費用がテナント負担

アパートやマンションなどの住居型不動産の場合は退去があった時に原状回復費用は原則オーナーの負担ということになっています。

それに対してオフィスビルの場合はテナントが退去した時内装などの復元日は基本的にテナントが負担するということになっています。

こういった面において、オーナー側の負担が少ないというのがビル投資へのメリットだと言えるでしょう。

平均居住年数が長い

会社はコロコロ住所が変わると逆に不信感につながってしまいます。

もちろんそこで店舗を営んでいるようなテナントの場合は特にお店の移転というのは勇気がいるものでしょう。

そのため必然的に平均居住年数は住居に比べると長くなります。

住居の場合は長く住んでくれればくれるほど良いけれどその後、原状回復にかかってくる金額も多くなりそうで怖いという面もありますが、先述したように原状回復費用もテナント持ちですので心配する必要がありません。

関連記事:賃貸の原状回復、入居者がタバコを吸っていた場合

ビル投資のデメリット

高額な資金が必要

ビル一棟の購入となるとやはり億単位の資金が必要になってきます。

ワンフロアだけの所有という形でもやはりそれなりに元手になるお金は必要になってきますので、一般的な住居型の不動産に投資するよりは頭金が必要になるというのがデメリットでしょう。

不動産投資初心者が簡単に手を出せる領域ではないと思います。

一般的には頭金と諸経費で物件価格の3割前後は資金を用意する必要があると言われています。

融資が通りにくい

ビルのターゲット層はオフィスやテナントになりますので、経済の影響を受けやすく住宅マンションなどと比べると安定しない要素が多いと考えられています。

そのため金融機関の評価もかなり厳しく個人で融資を受けるというのは難しい部分があります。

ある程度自己資金を用意することができること、今までに金融機関とある程度の取引実績があることが必要だと言えるでしょう。

すぐに売却できないこともある

非常に金額が高額になるビルの場合、住居型の不動産に比べると売却するまでに時間がかかることが多いです。

規模が大きいビルであればあるほど、購入できる人も少なくなりますので売却するのに時間がかかるというのがデメリットです。

すぐに現金が欲しくなるような局面ではなかなかビルの売却というのは向きません。

ビル以外にすぐに現金化することができる金融資産などを持っておいた方が良いです。

関連記事:不動産投資は人口減少リスクがあるから危ない?

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