賃貸経営をする、となった時に一番最初にきになるのは「どれくらい儲かるのか?」ということですよね。
物件を購入する際は多くの人が利回りを気にして購入に踏み切るものだと思いますが
利回りが良いからと言って利益率が良い、というわけでもありません。
ちなみに利回り、というのは「投資金額に対して年間で何%が利益になったか」という指標で
利益率というのは「売上の何%が利益になったか」という指標です。
つまり売上が上がった中で実際に自分の収入となるお金の割合が利益率ですね。
賃貸経営の利益率がどれくらいなのか、
そして利益率に関係してくる収支の計算について掘り下げていきたいと思います。
賃貸経営の利益率の平均は?
賃貸経営の利回りというのは大きいものではありません。
バブル時代は不動産価格がどんどん高騰していっていたので、不動産を所有しているだけで利益が得られる、という時代でした。
しかし今は不動産の値段が高騰している、というわけでもなく
所有しているだけでも税金がかかってきますから、きちんと賃貸経営をしていかないと
所有しているだけでは逆にマイナスになってしまう、というのが不動産です。
かつては不動産転がしなんていう言葉もあったほど、不動産を購入してある程度経ってから売却をすればキャピタルゲインを得られましたが
今の時代は堅実に賃貸経営をしてインカムゲインを得るところを目指さなくてはいけないです。
このインカムゲインというのも必ずしもプラスになる、というわけでもなく
何棟もアパートを持っていて規模が大きい賃貸経営を行なっている、だとか
かなり安く中古物件を手に入れただとか、そういった要素が必要になってきます。
そして上がった売上の中から、出て行くものも多いので
利益率は自ずと下がって行くものです。
基本的には稼働率100%だとしても、利益率は50%〜60%だと考えておいた方がいいでしょう。
利益率に影響する数字
利益率を考えるには、売上の中からどんなものが支出として出ていってしまうのか、ということを考えなくてはいけません。
売上がそのまま利益になれば利益率は100%、ということになりますが
売上から色々なものが差し引かれるので利益率が50%〜60%ほどに下がってしまうんですね。
その差し引かれるものとは何なのでしょうか。
ローンの返済
まず、ローンを組んで物件を購入した場合は、そのローンを返済していかなくてはいけませんので
月に家賃収入があったとしても、月に出て行くお金が固定で決まっていますよね。
返済期間が長ければ長いほど利子もつきますので、しっかり計算しておかないと減価償却期間が終わってからデッドクロスになることもあるので注意が必要です。
ただ利子部分に関しては経費にすることもできます。
管理費
賃貸経営をする時に不動産管理業社に管理を委託するのであれば
管理費用がかかります。
相場は家賃の5%前後となっており、これもお部屋が稼働していれば固定でかかってくる費用なので
どうしても利益率を下げるものにはなってしまいます。
とはいえ自主管理で賃貸経営をするのはかなり大変なことなので、これは払うべきものだと割り切った方が良いでしょう。
仲介手数料と広告料
お部屋の成約が決まった時に仲介手数料と、広告料という名目で不動産仲介業者に料金を支払うことがあります。
これもお部屋の稼働率をあげるためには捻出するべき支出だと言えるでしょう。
修繕費
突発的にかかってきてしまうのが修繕費。
毎月でかかってくるお金ではありませんが、特に築年数がそれなりに経っている物件だとどうしても修繕費用も高くなってしまいがちです。
これも利益率を大きく下げる支出と言えるでしょう。
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税金
不動産は所有しているだけで税金がかかってくるものです。
固定資産税と、もし不動産が都市計画区域内にある場合は都市計画税もかかってきます。
さらに所得が高くなればその分所得税もかかってきますよね。
法人の場合は法人税がかかってきます。
これも支出として忘れてはならないものです。
他にも物件を購入した時に単発でかかってくる不動産取得税などもあります。
関連記事:不動産取得税ってどんなもの?確定申告方法はどうする?
税理士費用
確定申告などを代行してもらう場合は税理士費用もかかってきます。
確定申告の代行だけで5万円〜10万円が相場ですが
賃貸経営を始めたばかりの場合はこの出費もかなりの痛手となりますよね。
利益率のシミュレーションをしっかりやろう
利益率に関わってくる賃貸経営での主な出費について説明してみましたが
ざっと見るだけでもこんなに支出があるんですね。
なので満室経営ができたとしても、利益率は50〜60%。
うまく経営できたとしてもなかなか70%代にはとどかないものです。t
実際に賃貸経営をしてみたら空室率もどうなるかわかりません。
そういったシミュレーションも、経営を始める前にしっかりとしておきたいものです。
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