売買知識

中古物件の転売、どんな方法がある?

不動産投資の利益には

  • 物件を運営をすることで得られるインカムゲイン(家賃収入)
  • 物件を売却することで得られるキャピタルゲイン(売却益)

の二つの種類があります。

今回は主に後者のキャピタルゲインの部分について、中古物件を転売する方法や、その難しさについて解説してみたいと思います。

 

土地の転売で儲けるのは違法ではない?

 

転売という言葉を聞くとあまり良いイメージを持たない人が多いでしょう。

バブルの頃には「土地転がし」「地上げ屋」というような言葉も登場し、なんだか怖いものというようなイメージがついている人もいるのではないでしょうか。

1980年代から1990年代初めにかけて日本はバブル景気で、多くの人が株や土地に投資をしていました。

ただこれは投資というよりは投機に近いものが多く、土地に付加価値をつけたりして1週間経てば金額が倍になるというような時代だったのです。

こういった話を耳にするとなんだか恐ろしい業界のように感じますが、土地などの不動産の転売で利益を出すことは違法ではありません。

不動産投資というのはアパートやマンションなどを運用していくだけでなくそれらを売却することも含んで指しています。

多くのオーナーが物件を購入する時はある程度を運用してどれぐらいで売却をするかということを考えているものです。

 

転売という言い方をするとあまり良くない雰囲気がありますが、個人が不動産を短期間所有して売却をしても、違法となることはありません。

所有している不動産を売却して対価を得るということは当然の行為であり、そこで得た譲渡益に対してはもちろん税金がかかってきますがそれをきちんと納税すれば特に違法性はありません。

関連記事:不動産の転がしって何?違法ではないの?

 

転売では税金が高くなる

 

転売は違法ではないのですが、短期間の所有だと税金が高くなるというデメリットがあります。

売却益にかかってくる税率は不動産を所有している期間で左右されます。

所有している不動産売却する年の1月1日時点で所有期間が5年以下の不動産に関しては、短期譲渡所得となり転売利益に対して所得税30.63%(0.63%は復興特別所得税)と、住民税9%、合わせて39.63%が課税されます。

転売することで利益を出すことができても、その利益の約40%は税金として納めなくてはいけなくなるんですね。

 

それに対して所有期間が5年越えの不動産の場合は長期譲渡所得となり、税率が所得税15.315%(0.315パーセントが復興特別所得税)、住民税が5%で合わせて20.315%となります。

短期譲渡所得と長期譲渡所得ではかなり税率が変わってくるということがよくわかると思います。

もちろんこの支出だけではなく、不動産の購入や売却には仲介手数料や登記費用などの諸費用もかかってきますので、利益を出すのはかなり難しいのです。

関連記事:不動産を売却した時の税金!どんなものがどれくらいかかるの?

中古物件の転売の方法

 

中古物件を購入して転売する時に、売却益を出すためにはどのような方法があるのかということを紹介していきたいと思います。

リフォームして転売

 

中古物件を購入してリフォームし、それを転売するという方法があります。

築古の物件や、あまりメンテナンスにお金をかけていない物件などはかなり安い金額で売りに出されていることが多いです。

そういった掘り出し物の物件を見つけてリフォームして転売をするという方法になります。

 

しかしこれにはリフォームにどれぐらいのお金がかかるかということを計算するための知識が必要になります。

初めて不動産投資をするというような方は絶対にこの方法で利益を出そうとしない方が良いと思います。

 

また、投資として良い物件というのはほとんどの場合が不動産業者からオフラインで親交のあるオーナーに流れるものです。

付き合いのあるオーナーにまずは良い物件を紹介して買ってもらえるのであればその方が良いという不動産業者の考えがあるんですね。

つまりインターネット上に出ている物件というのはほとんどがそういったオフラインでは売れなかった売れ残りの物件ということになります。

つまり掘り出し物件を人脈がない家から探し出すというのは基本的には無理なのです。

 

まずは長く物件を持つ不動産投資をやってみて、そこから人脈を広げて物件を紹介してもらえるようなオーナーになる必要があると思います。

関連記事:収益物件のリフォーム、どこにどれくらい費用がかかる?

解体して転売

 

築古物件でどうしようもない物件だったりすると解体をして更地にすることでかえって不動産の価値が上がり速やかに売却できるというケースがあります。

しかしこれも解体費用にどれくらい費用がかかるか、更地になった時に本当に需要のある土地なのかどうか、ということを見ることができる力が必要になります。

最低でも売却価格を見て土地の値段がいくらぐらいなのかということを計算できるようにはなっておかないといけないですね。

関連記事:アパートの解体費っていくらくらい?安くする方法はあるの?

 

入居者を増やして転売

 

規模の大きいアパートやマンションなのに入居者が少ないためかなり安い価格で売りに出されている物件というのも多くあります。

こういった物件を購入し入居者を増やして満室、あるいは満室に近い状態にして売却をするというやり方もあります。

ただこの場合は入居者がどうしてそんなに少ないのかというところを分析する力が必要になります。

単純に多少のリフォームをするだけで入居者が増えるのか?

それとも住んでみないとわからないような重大な問題があるのか?

そういった部分をしっかりとリサーチすることができないとこのやり方はなかなか難しいでしょう。

 

物件を購入したら必ず入居付けをうまくやれる自信がある、と考えられるような物件でないと手を出すのが難しいです。

ただでさえ入居付けで悩むオーナーは多いですからね。

関連記事:不動産を満室経営するためにオーナーができること

 

中古物件を購入して転売をする方法についてお話ししてみましたが、どの方法においてもそれなりに不動産投資の知識があり経験もないと難しい方法となっています。

不動産初心者の方にはかなり難しい内容になりますので、初心者の方の場合はあまりおすすめしません。

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