不動産を購入する時に指値(さしね)というものをすることが多いです。
これは売り出し価格に対して「この値段まで下げてもらえませんか?」という交渉になります。
ネットで調べたりなんかすると、「指値は売り出し価格の1割程度」なんてものを見かけたりもしますが、私はこの考え方には賛同できません。
実際に半額近い指値を言って、それが通ったこともあるからです。
売主が相場を理解していないことも多い
不動産投資家はたくさんの物件を見ていますから、大体の相場感のようなものがありますが、売主がみんな相場を理解しているわけではありません。
住居として使っていた家を売る、というような売主の場合は特に不動産業界のことなどほとんど知らない人です。
仲介業者も売主さんが「この値段で売りたいです」というのを強く言えば、それに従うしかありません。
なので、最初の売り出し価格は高めに設定されていることが結構多いんですよね。
まだネットにも載せていない物件です!
と言ってご紹介いただく物件も多いのですが、そういう物件はネットに掲載してからの反響を見ていない分、金額がまだ下がりきっていない、ということもあります。
かなり高めの値付けをしていたとしても、売主的には「もしかしたらこの値段で売れるかもしれない」と思うわけですから、
ネット掲載前に指値をしても通らないことが多いわけですね。
ただ、後からネットに掲載して値段がどんどん下がっていく、というのはよくあるパターンです。
あまり焦って狭い幅で指値しなくてもいいかなと思いますね。
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指値の価格の決め方
私がいつも指値の価格を決める時は、まず最初に「10年運用したら、いくらで売れるか」ということを考えるようにしています。
不動産を購入する時は、自分がその不動産を売却する時のことまで考えた方がいいのです。
不動産を売却する時に初めて利益が確定しますから、どんなに利回りが良くても、売却時にすごく価格が下がってしまうような物件では、最終的に利益があまり出ません。
10年運用した時にいくらで売れるか、ということを考える時に、土地の値段をまず割り出します。
地域名をネットで検索すれば坪単価が出てきますので、マイソクに書いてある坪数に坪単価をかけると大体その不動産の土地値がいくらくらいなのか、ということがわかりますね。
築30年くらいになってくると、建物の価格もそれなりに落ちてきて、土地の値段×2くらいでしか売れなくなってくるのかな、と思っています。(あくまで地方の築古アパートを考える時の考え方です)
そうなってくると、いくらくらいで売れそうか、ということが予想できるかなと思っています。
10年運用して築30年くらいになるものが狙い目かなと思って探しているので、こういう考えに至ることが多いですね。
利回りも大体「これくらいの利回りが欲しい」というイメージが自分の中にあります。
地方の築古アパートであれば最低15%程度でしょう。
そうなってくると、いくら指値すればいいのか、ということが段々見えてきますね。
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指値交渉では根拠も述べると良い
指値をする時は「こういう理由で」というような理由があると、納得感が出ますので、そういう言い方をすることもあります。
例えば私の場合だと「残置物をこちらの方で片付けるので」という理由で指値が100万円近く通ったことがありました。
この売主さんはそもそも「早く現金化したい」という感じの方で、売り急いでいる売主さんでした。
なので残置物もこちらで引き取るので値下げしてください、というのが通ったわけですね。
他にも、外壁が傷んでいて修繕がある程度必要そうだから、みたいな形で、修繕が必要そうなところを挙げて指値する、ということもあります。
そういった理由がある程度あったほうが指値しやすいというのはあります。
言いづらいこともあるとは思いますが、妥協して高く不動産を購入すると結局自分が困りますので、自分が思った値段で指値するようにしています。
数字に基づいて指値をして、それで通らなければその物件は購入しない、とした方が投資成績はやっぱりよくなっていくんですよね。
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指値半額が通ることもある
不動産業者さんに半額近い指値をお願いして、
それはちょっと難しいと思います…一応聞いてみますが…
というような反応だったのに、
指値通りました!
とご連絡をいただいたこともあります。
実は不動産業者の方にもわからないそういう売主さんの気まぐれもあるわけです笑
失敗覚悟で言ってみて、ダメならダメでいいか、くらいで指値しています。
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