土地や建物などの不動産を売却しよう、としている時は不動産査定を行うと思いますが、
ほとんどの人が「不動産を売却するのは初めて」だとか「不動産売買に慣れていない」という状況だと思います。
不動産売買に慣れている人は少ないです。
不動産投資家であっても、不動産売買に慣れている、という人は多いわけではありません。
不動産査定や売買において、どのような詐欺があるのか、
さらにどのような対策をしたらいいのか、ということについて解説していきたいと思います。
よくある詐欺の手口
高い査定額を提示してくる
不動産を売却したい人は査定を行うと思います。
実際の不動産売却価格と査定額がほぼ同じくらいになるケースが全体の6〜7割程度と言われています。
つまり、査定額が高いところで売却をした方が、高く売れる!と思ってしまいますよね。
しかしこれを逆手にとって、高い査定額を出して契約をし、そのあとに値段を下げてくる、という悪質な不動産業者があります。
高い査定額を提示すれば専任媒介契約をとることができ、そうすれば不動産業者は仲介手数料を確保することができますから、
契約をしてから値段をどんどん下げてくる、というわけですね。
こういった詐欺に引っかからないためには、不動産の相場をある程度勉強しておく必要があるでしょう。
相場を理解しておけば、査定額があまりにも高い不動産業者は見分けることができます。
不動産の相場を知るためには
- レインズ
- 土地総合システム
- SUUMO(スーモ)などの不動産ポータルサイト
- 路線価
- 国交省のサイト
- 一括査定サイト
などを使って、だいたい同じ築年数、同じ間取り、同じ地域にある不動産にどれくらいの値段がついているのか、ということを調べてみると良いでしょう。
これだけの項目を調べるだけでだいぶ相場がわかるようになると思います。
関連記事:土地売買において値引きは可能?交渉タイミングとは?
媒介契約の強要
一般的に不動産査定を行って、上がってきた金額が気に入ればそこで媒介契約を結ぶことになります。
媒介契約を結んだあとは、その不動産業者が売り出し価格の設定や宣伝、売買契約の仲立ちをしてくれる代わりに、
物件が売れた時、仲介手数料を支払う、という流れになります。
この媒介契約には
- 専属専任媒介
- 専任媒介
- 一般媒介
と3つの種類があり、圧倒的に多いのは専任媒介という、一つの業者とのみ契約を結んで不動産を売却する方法です。
一般媒介であれば複数の不動産業者と契約を結ぶことができ、仲介手数料は売買契約までたどり着いた業者に支払います。
売り手からすると、コンペ形式のようになるので一般媒介の方がお得に感じるかもしれませんが、
不動産業者からすると仲介手数料が確定でもらえるわけではない不動産は後回しになりがちなので、専任媒介契約を結んだ方が宣伝費もしっかりかけてもらえる、という側面もあります。
だからこそ、専任媒介の方が一般的に多いんですよね。
ただ、宣伝費をそこまでかけなくても高値で売れることが予想される不動産なのであれば一般媒介でも良いでしょう。
こういった仕組みがあるため、不動産業者は専任媒介契約を結びたがります。
とりあえず媒介契約を結んでしまえば、査定金額よりも低い値段で売れたとしても、仲介手数料はちゃんと自分のところに入ってくるからです。
もっともらしい営業トークをされてしまって、媒介契約を結ぶことを急かされてしまうケースもありますので、
そういった時は一旦時間をおいた方が良いでしょう。
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測量振り込め詐欺
「あなたの不動産を買いたい人がいます」という連絡があった時は測量振り込め詐欺の場合があります。
そろそろ不動産を売却したいな、と考えていると、こういった話に乗ってしまいがちですが、
話を聞いてみると「境界線を明確に調べる必要があるので、測量を行わなければなりません」と言われ、測量代を要求されるのです。
これが何十万円とかかったりすることがあるんですね。
測量は実際には行われず、測量代だけ持ち逃げされてしまいます。
高く売れる、と言われるとどうしても話を聞きたくなるものだと思いますが、
本当にその会社がきちんとした会社なのか、ということは少しネットで調べるだけでわかりますし、「そういう詐欺もある」ということを知っておくだけでも、騙されにくくはなるでしょう。
不動産を売却する時に「詐欺もたくさんあるから気をつけよう」という意識をまずは持っておくことが大切だと思います。
また、ある程度不動産売買や不動産価格の相場などについても知識を深めておくことが大切です。
親の代から受け継いだもので、不動産のことは全くわからない、という人もいるかもしれませんが、
そういう人ほど騙されやすいので気をつけてください。
不動産に興味をもって、普段から情報収集することが大切です。
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