不動産投資と言うとアパートやマンションのオーナーを思い浮かべる人も多いかと思いますが、中古の戸建てから投資を始める、というケースもあります。
アパートやマンションなどの共同住宅に比べると、戸建投資の方が規模が小さいので、手持ちの現金で即購入ができたり、規模が小さい分、比較的リスクを抑えて投資をすることができます。
では戸建投資の利回りはどれくらいなのでしょうか?
また戸建投資にはどんなメリット、デメリットがあるのでしょうか?
利回りの計算の仕方
利回りには
- 表面利回り
- 実質利回り
の二つがあります。
表面利回りとは、年間の家賃収入を不動産購入費用で割ったもので、
年間の家賃収入÷物件価格×100で利回りのパーセンテージを算出することができます。
それに対して実質利回りとは、年間の家賃収入から諸経費などを差し引いた上で利回りを計算するもので、
表面利回りよりもさらにリアルな数字を計算する方法です。
(年間家賃収入-年間支出)÷物件価格×100
で求めることができます。
ここで言う諸経費は、
- 固定資産税
- 火災保険量
- 管理費
- 見込み修繕費用
などですね。
物件を購入する時に、多くの方が不動産売買のポータルサイトで物件を探すかと思いますが、
こういったポータルサイトに掲載されている利回りというのは表面利回りになります。
気になった物件があったら、実質利回りはいくらくらいになりそうか、ということを改めて計算してみてください。
実際に物件を見に行ってみると、どこにどれくらい費用をかけて修繕をしなくてはいけないか、ということがなんとなく見えてくるので、
より実質利回りの計算がしやすくなるかと思います。
関連記事:表面利回りの計算方法と隠された罠!
戸建物件の利回り目安
ここでは基本的に表面利回りでの数字でお話をしますが、
戸建物件というのは他のタイプの不動産に比べると利回りが高い傾向にあります。
特に地方の築古戸建なんかは100万円以下で買えるような戸建もゴロゴロあって、そういった戸建の場合は利回りは20%〜30%ほどあったりするんですよね。
中には利回りが50%、というような戸建も見たことがあります。
都心の区分ワンルームマンションの利回りが5%あれば良いほう。
中古だと5〜10%。
地方の中古アパートだと利回り10〜15%くらいが相場かと思いますから、戸建の築古不動産は利回りだけ見れば本当にすごい数字です。
しかしこれはあくまで表面利回りであり、
築古戸建の場合はリフォームに結構な金額がかかってきたりもします。
利回りだけを見て即決、というようなことはしないようにしましょう。
関連記事:収益物件の利回りとは?どんな風に計算すればいいの?
戸建投資のメリットデメリット
戸建投資を検討している場合は、そのメリットデメリットについてもよくよく理解しておいた方が良いと思います。
それぞれ解説してみたいと思います。
戸建投資のメリット
戸建投資のメリットとしては次のようなことが挙げられます。
- 価格が安い(利回りが良い)
- ファミリー向けになるので、入居が決まれば長く入居してもらえることが多い
- 供給量が少ないため、競合も少ない
- ペット可などの条件を付けやすい(共同住宅ではないためトラブルになりにくい)
不動産投資を初めてやる、という方には安く購入できる分リスクも低くて、戸建物件はおすすめです。
ただ、リフォームにどれくらいお金がかかるか、という部分をしっかりと見極められないと、
思っていたよりも支出が多く、収益をあげられない、マイナスになってしまう、ということは結構あるんですね。
何にどれくらいお金がかかるのか、ということはぜひ中古不動産投資をする場合は最初に学んでおきたいところです。
関連記事:収益物件のリフォーム、どこにどれくらい費用がかかる?
戸建投資のデメリット
戸建投資のデメリットとしては以下のようなことが挙げられます。
- 融資を利用できない
- リフォームが大変すぎる
- 固定資産税や火災保険量が割高
- 規模が小さいため、事業規模も小さくなる
- 売却が難しい
建物の価値がなかなか付きづらい中古物件、さらに規模が小さいために収益性も高くありません。
そうなるとどうしても融資を利用して購入する、というのは難しくなります。
また、戸建の場合は建物に対して土地の面積がとても広いので、固定資産税は割高になります。
つまり、固定資産税評価額を基準として計算される火災保険の料金なども割高になる、ということですね。
戸建ては一つしかお部屋を持てないですから、規模も小さく、家賃収入は0か100か。
規模が小さすぎるために、管理会社では戸建ての管理は断られる、ということもあります。
もし今後不動産投資規模を大きくしていきたいと思っているのであれば、あまりおすすめはできません。
市場が狭いので、売却するのに買い手を見つけられない、ということもよくあります。
関連記事:専業大家になるにはどれくらいの規模で投資するべき?
ぜひメリットデメリットを理解した上で、物件を選んでみてください。