売買知識

レントロールは誰が作る?チェックポイントは?

地方の築古アパートを中心に、戸建て、区分マンションに投資をしています。

投資歴は10年を超えました。

今回は中古の収益物件を購入する時に必ず取り寄せた方が良い「レントロール」についてです。

  • レントロールとは何が書いてあるもので、誰が作るのか
  • 不動産を購入する時にレントロールのどういった部分をチェックすればいいのか

といったことを解説してみたいと思います。

レントロールとは

レントロールとは、賃貸条件一覧表とも呼ばれ、

英語の「rent roll」をカタカナ表記したものになります。

rentは賃借料、rollは一覧という意味があり、賃料一覧表、と考えれば良いでしょう。

「一覧表」とある通り、アパートやマンションなどの一棟ものを管理運営する時に使われるもので、戸建てや区分マンション物件などでは作成されないです。

複数のお部屋があるような収益物件で、売買のタイミングで買主のための検討資料として作られることが多いですね。

レントロールの記載内容は以下のようなものです。

  • 区画または部屋番号
  • 入居者氏名
  • 用途
  • 契約面積
  • 原契約日
  • 現行の契約期間
  • 賃料
  • 賃料単価
  • 共益費または管理費
  • 共益費または管理費の単価
  • 共込賃料
  • 共込単価
  • 預かり敷金
  • 駐車場代
  • 備考

レントロールを見れば、何号室にどんな人がどんな金額でいつから入っているのか、ということが分かります。

空室部分は空欄となっていますので、どのお部屋が空室になっているか、ということも分かります。

アパートやマンションの場合は、経年劣化に伴い、途中から家賃を下げたりすることもありますので、全てのお部屋を同じ家賃で貸しているわけではありません。

そのため、どのお部屋をいくらで貸しているのか、ということもしっかり確認しておきたいポイントです。

関連記事:家賃設定をする時にオーナーが考えること

レントロールは誰が作る?

レントロールを作るのは主に以下の3者です。

  • 不動産管理会社
  • 不動産所有者
  • 不動産仲介業者

不動産管理会社

現オーナーが賃貸物件の管理を管理会社に委託している場合、

オーナー向けに管理会社がレントロールを作成することがあります。

不動産所有者

投資対象となる賃貸物件の分析をするためにレントロールを作成することがあります。

私なんかは所有している物件が何棟もあるので、一つ一つ作っている暇はないですから管理会社さんにお願いしていますが、

「レントロールを作らない」という選択肢はないですね。

どのお部屋がどういう契約内容になっているか、というのはいつでも確認できるようにしておきたいものです。

ですが、不動産投資にあまり力を入れていない方(特に相続などで所有することになった方)は、レントロールは持っていない、作っていない、という方もいらっしゃいます。

管理会社に委託をせず、自主管理でやっている方なんかも、レントロールをいちいち作っているわけではない、という方がいますね。

不動産仲介業者

不動産の仲介をする仲介業者が、購入検討者向けにレントロールを作成することがあります。

関連記事:不動産売買で詐欺に遭わないためにチェックするポイント

レントロールでチェックするべきポイント

まず、購入を検討している一棟もののアパートやマンションが出てきた場合は、必ずレントロールを取り寄せるようにしましょう。

レントロールがない、という場合は管理がきちんとされていない物件ということですので、購入は考え直した方が良いかもしれません。

管理がこれまできちんとされていない物件は、管理会社を変えたとしても引き継ぎが上手くいない場合があります。

レントロールの記載形式は決まっているものではありません。

私は以前手書きのレントロールを何度かもらったことがあります笑

不動産業界はまだまだ、そういった古さが残る業界ですね。

レントロールを取り寄せたら、次の項目をチェックしてみましょう。

実質利回り

レントロールを見れば、実際に今年間でどれくらいの収入があるのか、ということを確認することができます。

基本的に物件資料などで記載されている利回りは表面利回り、つまり満室想定時の利回りですので、改めて実質利回りはどれくらいなのか、ということを確認し、利回りを計算し直してみましょう。

関連記事:表面利回りの計算方法と隠された罠!

駐車場使用の有無

特に地方の物件の場合は、駐車場がいくつあるのか、どれくらい契約されているのか、ということを調べることが大事です。

私は地方物件への投資が多いので、ここは結構先に見るポイントですね。

空室を埋めた場合、駐車場が足りるのか?

足りなかった場合、近くに契約できる駐車場はあるのか?といったことを確認します。

関連記事:地方なのに駐車場なしの物件!どうやって運用する?

入居時期の違い

入居時期はお部屋によってバラバラなはずです。

長期で入居している方が多ければ、退去が少ない物件なのだ、ということがわかりますね。

そして最近入った人が多い物件に関しては要注意

売却するために広告料を多めに払ったりして、無理矢理空室率を下げている物件かもしれません。

最低賃料と満室時想定利回り

今契約している中で一番賃料が安いお部屋に注目。

あとは一番最近契約しているお部屋の賃料にも注目。

基本的に築年数が長くなるほど賃料は下げないと入居が決まりません。

一番安い賃料、もしくは一番最新の賃料で残りの空室が埋まった時の満室時想定利回りを出します。

関連記事:不動産を満室経営するためにオーナーができること

その他確認ポイント

レントロールには預かり敷金などが記載されていることが多いです。

これは後に返さなきゃいけないお金だったりするので、注意が必要ですね。

また、レントロールに記載はないかもしれませんが、家賃滞納などのトラブルの有無は確認しておいた方が良いです。

私も最近家賃滞納が続いて、立ち入ってみたらゴミ屋敷だった、という案件があり頭を抱えています。

家賃滞納が続いている入居者がいるのはだいぶリスクが高いですね。

関連記事:【実録】家賃滞納8ヶ月!連絡取れないので安否確認のため警察立会いで入室…

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