不動産投資の基礎知識

不動産投資における地震リスクと対策、物件の見極め方

日本で不動産投資を行う場合は地震リスクが必ずついて回ります。

地震大国である日本ですが、世界中のマグニチュード6以上の大きな地震は20%以上が日本で起きているそうです。

 

不動産投資を行うオーナーは、どのような地震対策ができるのかということもしっかりと勉強しておく必要があるでしょう。

 

今回は不動産投資を行う上での地震リスクや、その対策、地震リスクを考えた上での物件の選び方について解説していきたいと思います。

 

不動産投資における地震リスク

 

まだまだ東日本大震災の記憶が新しい日本ですが、あのレベルの大きな地震が起きると地震そのもの以外のリスクも出てきます。

東日本大震災の際は海岸沿いでは津波の被害が大きく出てしまいました。

 

さらに東北以外のエリアでも地盤沈下によって液状化現象が起きたり、原発の事故や地震が起きた場所で火災が発生することもありました。

 

このように地震のリスクというのは2次被害も含めて大きな物になります。

 

揺れに強い場所に建っている物件を選ぶだけでなく、津波のリスクはないか?火災のリスクはないか?ということも考えなくてはいけません。

 

海の近い物件の場合はなるべく高台にある物件を選んで、津波が到達しにくく、リスクの低い場所を選ぶ必要があるでしょう。

木造物件が密集している地域は火災が広がる速度も速くなります。

道に街路樹が植えこんであるような場所は街路樹が火災をある程度せき止めてくれるのですが、

物件と物件の距離が近い場所は注意が必要です。

 

色々な土地を見て天災リスクがどれほどあるのかということを常に考える頭を持っておくと良いでしょう。

関連記事:大家は災害時、どれくらいの責任をとらなくてはいけないの?

 

地震保険に加入しよう

 

日本で不動産投資をする場合はどれだけ良い物件を選んだとしても地震が起きてしまうリスクから逃れることはできません。

そのためなるべく地震保険に加入することをお勧めします。

 

地震保険は単体で入る保険ではなく火災保険の中に入っている保険で、火災保険に入ると加入することができる保険です。

火災保険のみに加入している人でも途中から地震保険に加入することができます。

 

居住用の建物と家財のみが保証対象となっており、政府による再保険で成り立っているので、東日本大震災のような甚大な被害が発生した場合でも民間の保険会社だけで賄うことができない保険料金を政府が予算の範囲内ではありますがサポートしてくれます。

 

地震保険は

  • 全損
  • 大半損
  • 小半損
  • 一部損

四つの段階に区別されており、認定基準に従って認定されます。

どの段階に認定されるかによってどこまで保険がおりるかというところが変わってくるのですが、必ずしもすべての損害を補償することができるわけではありません。

 

保険会社によっても内容が変わりますので加入する保険の要項をしっかり把握しておくことが大切です。

関連記事:アパート経営をする時に知っておきたい地震保険について

 

投資エリアを分散しよう

 

不動産投資における地震リスクを軽減するために投資エリアを分散するという方法があります。

 

複数の物件を持つのであればエリアを分散して物件を持っておけば、リスク分散をすることができます。

 

ただし不動産を複数持つことが前提ではあるので、副業程度に小規模でしか不動産投資を行わないという場合はなかなかこの方法をとることはできません。

 

その場合は地震リスクという面で見ればマンションへのワンルーム投資が一番リスクが低いと言えるでしょう。

一つの物件で複数戸持っているよりは、一部屋だけの方が被害が少ないからです。

またアパートに比べるとマンションの方が造りが頑丈なものが多いので、リスクが低くなります。

関連記事:不動産投資で地方物件に投資する時のメリットデメリット

 

地震リスクの低い物件を選ぶ

 

物件を購入する際になるべく地震リスクの低い物件を選ぶということが重要になってきます。

どのようなポイントを見ればよいのかということを解説していきます。

 

築年数を確認しよう

 

1981年に耐震基準の見直しが行われて、1981年6月1日以降に建築された建物に関しては新耐震基準が適用されています。

これよりも前に建築されている建物に関しては旧耐震基準で建設されたものになりますので倒壊の危険性があります。

 

新耐震基準で建設された建物は、地震で建物が丸ごと倒壊してしまうリスクは極めて少ないとされていますので

物件を購入する際は築年数をきちんと見て新耐震基準で建てられているとてものかどうかということを確認しましょう。

 

古地図を見てみよう

 

土地には歴史があり、古地図を見ることによってその土地がどのような土地だったのかということを推測することができます。

例えば今川になっている場所は、埋め立てられて川の面積がかなり狭くなっていることが多く、

古地図を見ると川の面積が今よりもずっと広かったりします。

つまり川の周辺というのは埋立地が多く地盤が緩くなっているのです。

 

以前どのような場所として使われていたのかということを見るためにも古地図を見るのはお勧めです。

 

ハザードマップを確認

 

国土交通省が運営しているハザードマップポータルサイトというものがあります。

これを見ることによって洪水や土砂災害、津波などに弱い地域を調べることができます。

 

場所を入力することによってその土地がどれぐらい災害に強いのかということを調べることができるので、

物件を購入する際に物件の目星がついてきたハザードマップで確認するようにするとよいでしょう。

 

「揺れやすい地盤」も参考になる

 

朝日新聞が出している「揺れやすい地盤」というものもあります。

こちらも住所を入力することによって地形の種類や揺れやすさの目安を調べることができるサービスです。

 

地盤の強さを調べることができるので、気になった土地について調べてみると良いでしょう。

「◯丁目」の部分も指定して調べることができるのでかなり具体的です。

関連記事:古いアパートは地震が不安!耐震チェックのポイントを紹介します

基礎知識を学べるおすすめの記事
こんな記事も人気です