不動産投資の基礎知識

宅建士の資格を持ってると不動産投資に有利?

不動産投資を行う上では、物件の売買ができてそれを大家として貸すことができれば良いわけですから、これを行う上で必要な資格などはありません。

そういった不動産投資を行いたい人のために不動産業者がいるので、実際不動産投資を行うのに資格などは必要ないのです。

 

今回解説する宅建士、正式名称「宅地建物取引士」の資格は、基本的には不動産の売買や仲介を扱う不動産業者に求められる資格であり
不動産投資家に必要な資格ではありません。

 

しかし不動産業者と関わり合いながら建物の売買を行ったり賃貸を行ったりする上で資格を持っていると有利になることもあります。

 

宅建士の資格を取るには

 

宅建士の試験は毎年10月に行われており誰でも受験することができます。

毎年約23万人以上が申し込んでいる国家資格の試験で、7月中に受験の申込みを行います。

毎年合格率は15%から17%で、大体3ヶ月〜半年前くらいには勉強を始めた方がいいと言われています。

 

こういった数字で見るとなかなか難しい資格に見えますよね。

しかし大体200時間から300時間ほど勉強することで誰でも取得ができる資格だと言われています。

 

宅建試験は50問中30問から36問ほどの正解で合格できるようになっており、

科目としては大きく

  1. 権利及び権利の変動…14問
  2. 法令上の制限…8問
  3. 宅地建物取引業法…20問
  4. 税法等…8問

の四つに分かれています。

 

10月の第3日曜日に試験を受けたら12月の第1水曜日に合格発表が行われます。

ただし宅建試験に合格しただけで宅地建物取引士になれるわけではありません。

 

宅建試験に合格をしたら都道府県知事への登録が必要になります。

原則として宅地建物の取引について2年以上の実務経験がないと試験合格者が都道府県知事へ登録することはできませんが

国土交通大臣の指定する講習を修了した者は実務経験を有する者と同等以上の能力があると認められ、実務経験が無くとも登録も許されます。

 

さらに都道府県知事ゆ登録を行った後は宅地建物取引士証の交付を受けなければ宅地建物取引士にはなれません。

  • 宅建試験に合格
  • 都道府県知事への登録
  • 宅地建物取引士証の交付

この三つのステップを完了することにより宅地建物取引士として事務を行うことができるようになります。

関連記事:不動産屋に嘘を言われることもある?売買時に気をつけたいこと

 

宅建士にしかできない仕事

 

宅建業の中には宅建士にしかできない仕事があります。

  • 物件に関する重要事項の説明
  • 重要事項説明書への記名・押印
  • 契約書への押印

の三つの仕事です。

 

これらの仕事は完全に不動産業者側が行う仕事ですね。

もちろん不動産投資家にも関係のある部分にはなりますが、そういった部分を任せるために不動産業者が専門家として売買や仲介に携わってくれるので

不動産投資家にとって必須の資格というわけではありません。

 

ちなみに宅建業を取り扱う業者でも宅建士の資格を持っていない人は多いです。

実は宅建業を扱う業者は5人に1人の割合で宅建士を持っていれば良い、ということになっているので

実は宅建士の資格を持っていない人が営業たくさんしているということもよくあることです。

 

宅建士の資格を持っていないから信頼できないということではなく、実務経験が長い人の方が仕事を任せやすかったりすることもあるので、資格を持っている人に必ず担当してもらった方がいい、と一概には言えません。

関連記事:不動産投資においてできるリスク分散の方法

 

不動産投資家が宅建士の資格を取得するメリット

 

不動産投資を行う上で宅建士の資格が必ず必要というわけではありませんが、宅建士の資格を持っているもしくは宅建士の資格の勉強をすることによって不動産投資に役立つことがあるのは確かだと思います。

 

借地借家法については知っておくと良い

 

特に借地借家法についての知識は不動産投資を行う上ではしっかりと身につけておくべき知識だと言えるでしょう。

借地借家法というのは、不動産を貸す側には少し不利に作られており、「出て行ってほしいな」と思う入居者に対して、強制力を執行することができないように入居者を守るための法律です。

 

いざ入居者とトラブルになってしまったという時に、この借地借家法についての知識があるかどうかによって対応の仕方が変わってくる場合もあるでしょう。

 

民法に記されている権利関係のことや法令上の制限、税金などについて学ぶことができる宅建士の資格があれば

不動産投資において不測の事態が起きた時にも対応しやすくなると言えると思います。

 

売買戦略を立てやすい

 

特に不動産売買においての知識を求められる宅建士の資格は、

不動産取引をする上で知っておいた方が良いことを網羅的に学ぶことができます。

不動産売買を行う上では知識がある方が有利ですので、不動産投資で売買も積極的に行う場合は宅建士の知識があると良いでしょう。

 

信頼度が上がる

 

宅建士の資格を持っていることで不動産業者や金融機関からしっかりと勉強して不動産投資を行っている人という風に認識してもらうことができるでしょう。

不動産取引についてある程度の知識を持っているということを対外的にアピールすることができるので信頼度が上がると言えます。

 

レインズをいち早く確認できる

 

レインズという公益財団法人東日本不動産流通機構が運営する業者間不動産情報交換システムがあります。

年間300万件近い物件情報が新規に登録されるこちらは宅建士の資格を持っている上で免許取得をしないと見ることができないので

特に売買取引をたくさんするためにいち早くレインズの確認をしたい場合は宅建士を持っていると有利と言えるでしょう。

 

ただ宅建士の資格を持っているだけでは見ることができないので本格的に投資だけでなく不動産業を行う場合の話になります。

 

宅建業者になることもできる

 

将来的に不動産投資だけでなく不動産の売買は仲介などを視野に入れている場合は宅建士の資格を持っているとよいでしょう。

不動産投資家としての投資知識があれば不動産を扱う業者として事業を進めていくこともできると思います。

 

不動産投資を行うのに必ず必要な資格というわけではありませんが持っておくと投資に役立つ近くではあると思うので

不動産投資をしたいけど何から勉強したらいいのかわからないという人、何かしら資格を取得するための勉強をしながら投資をしていきたいという人は宅建士の勉強をしてみると良いかもしれません。

関連記事:不動産を副業でやる時に持っておくと役立つ資格とは?

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