売買知識

マンションの管理費を滞納してる場合の売買について

分譲マンションには修繕積立費や管理費といった毎月支払わなくてはいけない支出があります。

これらの修繕積立金や管理費などを滞納しているマンションの売買について今回は解説してみたいと思います。

 

マンション管理費や修繕費とは

 

そもそも修繕積立費や管理費というのは一体どのようなものなのかというと、これはマンションの維持や管理に必要な経費のことを指します。

修繕積立金は共用部分や敷地などを使い続けることによって必要になってくる修繕や、分譲後に大規模な工事が必要な時のために管理組合が積立金としてプールしておくお金の事を言います。

 

また管理費は共用部分の掃除や、定期点検など日常的にマンションを使うにあたって必要になってくる管理をするための経費に使われるお金の事を指します。

 

建物が老朽化するにつれて月々の修繕積立金が上がっていく傾向があり、

マンションを売却した時にこれらの管理費や修繕費が返金されることはありません。

 

これは区分所有法に基づいて定められていることです。

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管理費の滞納は売主から買主に引き継がれる

 

中には管理費や修繕積立金を滞納している区分所有者もいます。

管理費や修繕積立金を滞納している所有者からマンションを購入した場合はどうなるのでしょうか?

 

区分所有法では「滞納した債務は次の所有者に継承される」と定められています。

つまりマンションの売主が修繕積立金や管理費を滞納していた場合、そのマンションを購入した買主は、滞納している修繕積立金や管理費を支払わなくてはいけない義務を負うことになるということです。

 

真面目に修繕積立金や管理費を払っている売主からマンションを購入した場合は、それら今まで払っていた修繕積立金や管理費の得られる権利も継承するのと同じように、

修繕積立金や管理費を滞納していた場合はその滞納している状態ごと継承することになる、ということですね。

 

もちろん売買契約を媒介する不動産業者が契約締結前に滞納の有無と金額を確認します。

その内容は重要事項説明において宅地建物取引士から細かく説明されますし、滞納どのような扱いにするのかということもそこで決めることになります。

 

修繕積立金や管理費の滞納があることを知らないままに購入してしまうということはありませんので、そういった部分は安心して大丈夫でしょう。

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管理費滞納を放置するとどうなる?

 

管理費や修繕積立金というのは毎月数万円だとしても、数年単位で滞納が続くと数百万円単位になってくることがあります。

 

実はこれら管理費や修繕積立金というのは時効があって、その期間は5年と定められています。

つまり5年以上滞納した場合は滞納金が帳消しになってしまい請求することができなくなってしまうんですね。

 

そのため管理組合が修繕積立金や管理費などを回収するために、請求や差押え、仮差押えなどをすることがあります。

そして最悪の場合は建物自体が任意売却されたり競売にかけられたりするのです。

 

競売にかけられると裁判所が建物を管理することになるので、実際にはもう少し高い値段で売却することができたはずなのに、安い値段で物件を売却しなくてはいけなくなってしまいます。

 

意外と修繕積立金や管理費の時効は短く、滞納を放置してしまうと大変なことになってしまうということが分かると思います。

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マンション全体の滞納も注意が必要

 

区分所有者個人の管理費や修繕積立費の滞納だけでなくマンション全体の滞納も注目して見ておいた方が良いでしょう。

これらを教えてもらえない場合は管理会社に確認を取った方が良いです。

 

マンション全体で多くの滞納を抱えているということは、マンションの維持管理がこれからできなくなってくるかもしれないことを示唆しています。

 

特に最近はタワーマンションなどが人気ですが、戸数が多い分、空室も多いのがタワーマンションです。

 

これから本当にそのタワーマンションを維持していくことができるのか、将来的にも価値を保ち続けることができるのかということを見越して中古マンションを購入するようにしましょう。

マンション全体で滞納を多く抱えている場合は、それらも将来的には他人事ではなくなってくるのです。

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売買代金で清算するケースもある

 

区分所有者である売主側に修繕積立金や管理費の滞納があった場合、売買代金の中で清算するということもあります。

例えば受け取った手付金の中から売主が先にこれらの修繕積立金や管理費の滞納の支払いを済ませておくケースや、

売主が受け取るべき売買代金から差し引いて管理会社に滞納の支払いを行うケースなどです。

 

ただしこういった場合は「あとで払っておく」なると言われて結局滞納金を支払わない、という自体にも陥りがちです。

先述したように、滞納金がある場合、買主がその滞納金の支払い義務を継承することになります。

 

なので売買を行うときは「売主の責任で対応を解消する」といった旨の特約を売買契約書の中に盛り込むようにするとよいでしょう。

 

契約内容として残しておかないと後でトラブルになる可能性がありますので注意が必要です。

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