売買知識

事故物件を買いたい、といった時に注意しておくべきこと。

事故物件は通常の物件に比べると、内容にもよりますが値段が格安になっていることがよくあり

最近では「値段が安い方がいい」という借主も多いので、借主側の需要が大きく、事故物件を買いたい、という投資家の声も聞くようになりました。

 

ただ、事故物件を買いたい、という時に知っておいた方がいいこともいくつかあります。

 

事故物件を検索できるサイト

 

不動産界隈では事故物件を調べるためによく使われているのが『大島てる』という事故物件公示サイトです。

不動産に関わる人だったら大抵の方は知っているサイトでしょう。

 

実はこのサイトは口コミなどの情報提供から情報を精査して作られているので、

多くの人の見聞の共有によって成り立っています。

 

不動産界隈では事故物件に関する告知事項を伝えることで契約が不利になってしまうことが多いため、

仲介業者は事故物件であることを隠したままにしておく、ということも少なくありません。

もちろん本当は契約者に事故物件であることは伝えなくてはいけないんですけどね。

 

格安で物件を購入してみたら、近所の人から聞いて「事故物件」だということを知った、というケースもあるので

そういった事故物件を摑まされないように、という意思のもと運営されいているのがこのサイトです。

 

口コミなどのたくさんの人の情報提供によって成り立っているサイトなので、

「事故物件に当たりたくない」という人にはおすすめのツールです。

 

ですが、事故物件を買いたい、となると話が少し違って、

事故物件に当たりたくないのであれば大島てるのサイトはおすすめですが

大島てるに掲載されている物件が必ずしも事故物件、という保証はないんですよね。

どうしてもソースは口コミになってしまうので。

 

ただちょっと調べる、くらいにはちょうど良いサイトだと思います。

事故物件の多い地域というのも存在していて、大島てるで見ると「大阪西成区」あたりは事故物件が集中していますね。

西成区周辺の駅「新今宮駅」の近くには、「星野リゾート」も進出しましたしね。あえて「事故物件が集中するような地域を狙う会社」もあります。

あとは新宿区の歌舞伎町にも事故物件が多いです。

関連記事:賃貸物件で病死した場合、事故物件になる?何をしたらいい?

 

事故物件の相場

 

事故物件の値段の相場ですが、「こういう内容の事故の場合は何割引」というような値段が決まっているわけではありません。

 

事故物件については、どこまでを伝えるのか、ということも法律で決まっているわけではなく、

売主が不動産業者に事故物件であることを伝えないこともあります。

告知事項がある場合は、契約者のみに伝えるのが一応法律上は義務となっているのですが、

売主から不動産業者に事故物件であることが伝えられないと、業者は買主には事故物件であることは伝えられないですよね。

 

最近では不動産業者が売主に対して「この物件に事故はない」という念書を書いてもらうことも増えているので

もし事故物件を買ってしまうのが怖いのであれば念書を確認する、というのも一つの手です。

 

相場もだいたいの印象でしかないのですが

  • 殺人事件の現場なら4~5割
  • 自殺は2~3割
  • 孤独死は1~2割

平均的な相場より安い、ということが多いと思います。

そのエリアが人気なのか?ということも価格を決める要因の1つです。そのため、「事故物件だから必ず安い」とも限らないんですよね。

関連記事:施設賠償責任保険は駐車場経営をする場合必要な保険。

事故物件には理由がある

 

事故物件は幽霊が出たり、住んでいると怖いことが起こるのではないか、というような非科学的なことを心配する人が多いですが

事故物件を買いたい、と思っているならもっと現実的に考えなくてはいけないことがあります。

 

それは事故物件がもし自殺や孤独死というような借主側の都合ではなかった場合、

例えば強盗殺人といった事件性があるものの場合は、その事故物件自体にも問題があるかもしれない、ということです。

 

防犯面で致命的な欠陥があるかもしれません。

その地域の治安はもちろん調べておいた方がいいですし、その物件の防犯設備をもしかしたら直す必要性が出てくるかもしれません。

 

そういったことを考えると、事故物件で安くなっているから、といって安易に「買いたい」と考えてしまうのは危険だと言えるでしょう。

 

事故物件を購入して、修繕をしなくてはいけない場合は

想定していた利回りよりもグッと利回りが下がってしまう可能性があります。

 

防犯面での改善を行わないことによって、自分の所有している物件で事件が起きてしまうのは困るでしょうから

事故物件では非科学的なことよりも、そういった現実的な対策について、しっかりと検討する必要があると言えるでしょう。

関連記事:大家が入居者と同じ建物に住でいる物件、入居者からはどう思われる?

 

事故物件の探し方

 

事故物件は扱いが難しい、というのもあって一般的な不動産業者ではあまり扱いがなく、

逆に事故物件を専門に扱っている不動産業者があったりもします。

 

そういったところで探しても良いですし、

不動産サイトで探すのであれば、「心理的瑕疵(しんりてきかし)」「告知事項有」というワードで検索をすると、事故物件がひっかかりやすくなります。

 

とはいえ、事故物件だけでなく、「お墓が近くにある」というようなことも告知事項に含まれる場合がありますので

物件の詳細は直接不動産業者に問い合わせてみるのが一番良いでしょう。

ライズマネジメントでは不動産投資業を営んでいますが、管理会社との繋がりの中で「こういう事故物件が出て来たのですが……」という相談を受けることもあります。

普段からの付き合いによって、物件情報を得られる場合も多いのです。

関連記事:不動産を売却する時、お金はいつ入金される?具体的な流れを解説

 

徹底的に学び、投資するべき

 

事故物件は格安で購入することができる、というメリットがある反面、

修繕費用が高くついたり、防犯面などの改善を行わないことによって、物件で事故が起きるリスクもあるのがデメリットとなります。

 

土地の歴史や現状の治安をしっかりと学び、

さらに、事故が起きた原因についても追求することで、その事故物件を買って本当にそれがビジネスになるのかどうか、ということを見極める冷静な判断力が必要となってくるでしょう。

事故物件の多い地域というものは土地の歴史的に「悪い土地」であることも多いのです。

たとえば、池袋という土地に対して良い印象を持っている方は少ないと思いますが、池袋という街は「辻斬りや追い剥ぎ」が多発していた地域でした。

土地の歴史を紐解くと、見えてくるものもあります。「事故物件だから投資する」のではなく、物件所在地の歴史についても考えましょう。

物件の知識に関しても同様です。

「この物件でなぜか事件が繰り返し起こる」というのは、幽霊などの非科学的なものではなく

物件の構造上の問題かもしれません。

 

そういった知識を持った上で、物件の購入を検討することをおすすめします。

関連記事:不動産を売却したいけど担保物件、という場合はどうしたらいい?

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