売買知識

不動産の指値、目安は?根拠のある数字を提示しよう

誰だって不動産はなるべく安く買いたいものですよね。

売りに出されている物件に対して値引き交渉をするのが指値(さしね)です。

あまりにも大きな指値をすると「本当に購入する気があるのか?」と思われてしまいますし、かといって控えめな指値では利回りを確保することができません。

不動産購入時の指値の目安はどれくらいなのでしょうか?

 

指値の目安は1割?

 

指値の目安は1割程度といわれています。

東日本不動産流通機構による過去10年間の土地の登録価格と成約価格の表がありました。

こちらは物件ではなく土地の話にはなってしまいますがやはり成約価格は1割減あたりになりそうですね。

 

ただ実際の不動産売買の現場を見ていると、最初の指値でそのまま売主が納得するケースというのはあまりなくて、

「これくらいの値段になったらいいな」と思っている値段よりも少し突っ込んだ指値をしている方が多いように思います。

そこを売主と交渉していって最終的に自分の思っている値段ぐらいに収めるということですね。

交渉術だと思います。

 

またどのような背景で物件を売ろうとしているのか、どのような人が売主なのか、ということによっても指値がどれくらいできるかが変わってくるものです。

関連記事:中古の一棟アパートを購入する時に見ているポイント

 

欲しい利回りから計算していく

 

「どれくらいの値段であれば買ってもいいかな」という値段をまずは決めるところから行なっていきましょう。

これくらいの利回りがあったらいいなというところから逆算して物件の希望購入額を決めていきます。

また、不動産があるエリアの土地がいくらなのかということも調べてみてください。

建物部分の価値はすぐになくなってしまいますが、土地の価値というのはずっとなくなりません。

そのため将来的に建物が老朽化してしまっても土地の価値は残りますので、最悪解体して土地として売却するというやり方もあるわけです。

では売却価格の金額のうちどれくらいが土地の値段なのでしょうか?

そういったところも計算することによってより売り出し価格の中身が見えてきます。

関連記事:不動産購入の時の価格相場の調べ方と交渉方法

 

指値がしやすい物件

売りに出してから1年以上経っている物件

 

販売開始から1年以上過ぎているのに売れ残っているような物件というのは大幅な指値交渉ができる物件だと思って良いでしょう。

元々売り出し価格の設定が高すぎたために売れ残っているというケースもありますので、「これくらいの金額だったら買いますよ」という指値をしてみるわけです。

ただ1年以上売れ残っているということはその金額に持ち主が固執しているという場合もあります。

指値をしても上手く交渉できない物件に関しては見送りでよいでしょう。

売主が不動産に詳しくない物件

 

相続で物件を所有したというようなケースや、不動産投資初心者でうまくいかなかったので売却をしたいというような物件の場合は指値交渉がしやすいです。

特に相続で物件を所有した場合は、物件を手元に置いておくと固定資産税もかかってしまいますのでなるべく早く売りたいと考えている売主もいます。

あとは借金が出てしまって売り急いでるということもありますね。

こういった不動産の場合は指値がしやすいです。

気になる物件があった場合はどういう理由で売主が売りに出しているのかということも不動産業者に聞いてみると良いでしょう。

関連記事:不動産購入時の仲介手数料の相場は?仕組みも合わせて解説

 

指値交渉の根拠となるものの事例

 

指値交渉をする時はなるべく根拠がある理由も添えてあげた方が良いです。

そうすることによって相手も納得してくれることが多いからです。

ではどのような内容が指値の根拠として使えるのでしょうか。

修繕費がかかる

 

修繕履歴を確認してみて適切な時期に修繕が行われていなかったり、大規模修繕を行ったのがかなり前だったりした場合は、購入してからそれなりに修繕費用がかかるのでそれらを理由に指値交渉をすることができます。

物件の購入を検討している場合は修繕履歴を出してもらうようお願いしてみましょう。

  • 外壁塗装
  • 屋上防水、タイル補修
  • エレベーター修繕

などの大規模修繕必要そうかどうかというところを見てみると良いです。

残置物がある

 

残置物があるため、それらを片付ける手間も担うので、金額を少し下げてもらうということが過去にありました。

まれなケースではあると思うのですが、元々としてではなく個人で所有されていたお部屋を収益物件として購入したためこのような指値交渉ができたわけです。

空室率

 

  • 退去予定の入居者が多くいる
  • 家賃の減額交渉をしている入居者がいる

というような場合はそれらを理由に指値交渉をできます。

 

販売資料には満室想定時の家賃で利回りが書かれていますが、入居者が減ってしまったりそもそもの家賃設定が変わってくると利回りの数字はすぐに低くなってしまいます。

それらを考慮して指値交渉の材料にしてみると良いでしょう。

関連記事:不動産投資の利回りの最低ラインはどうやって判断する?

 

納得いく金額で購入しよう

 

不動産投資をする場合は不動産を購入する時が最も大事とも言えます。

指値交渉はもちろん大切ですが、妥協をした金額で物件を買ってしまうと後々後悔してしまいますので、納得のいく金額で物件を購入するようにしましょう。

あまり深追いはしすぎないというのがおすすめです。

関連記事:不動産投資物件の探し方!初心者は何から始めればいい?

売買知識を学べるおすすめ記事
こんな記事も人気です