不動産管理

賃貸物件で病死した場合、事故物件になる?何をしたらいい?

超高齢社会、と叫ばれる日本ですが、

身寄りのない高齢者や一人暮らしの高齢者の病死、自然死もまた高齢社会になるのと同時に深刻な問題となっています。

 

賃貸物件を扱っているオーナーからすると、入居者として高齢者を入れる、というだけでもかなり勇気がいることになってきているのではないでしょうか。

 

もし入居者が、自分の持っている賃貸物件の中で病死してしまったら、

どのような対応をしたらいいのでしょうか?

 

そして再度入居者を募集する場合は、事故物件として表記をしなくてはいけないのか、

解説していきたいと思います。

 

病死に気づいてから、どうしたらいい?

 

入居者が病死してしまった場合、それに気づいた家族が直接オーナーに連絡をしてくる、ということはあまりないかと思いますが、

病死に気が付いた時にどのような対応をしたら良いのか、ということを一応解説しておきたいと思います。

 

まずは警察に連絡

 

もしまだ息がある可能性があるのであれば救急(119番)にすぐに連絡するのが一番ですが、

明らかに死亡しているということがわかる場合で、誰にも看取られずに亡くなってしまっている場合は警察(110番)に連絡をします。

 

事件性のないものだとしても、誰にも看取られずに亡くなっている場合は一応警察がきて現場検証が行われます。

 

救急、もしくは警察に連絡をしたあとに、不動産管理会社、もしくは物件のオーナーに連絡をする、という流れになります。

 

すぐに退去にはならない

 

病死があったからといって、すぐに退去手続きに進むわけではありません。

病死の場合はお部屋に遺品も残っていますし、その賃貸物件も含めて故人が遺したものを家族で話し合い、どのように相続をするか、

もしくは相続放棄をするのか、ということを決めていかなくはいけません。

 

遺品の整理にも時間がかかります。

 

入居者と交わしていた賃貸借契約は、入居者が病死することによって貸借人としての地位が相続人に継承されます。

 

なので賃料をきちんと遺族が払い続けているのなら、

正当な事由がない限り一方的に退去してもらう、ということはできないのです。

病死は自然死と同じ扱いになりますので、室内の自然死は強制退去の正当な事由としては認められません。

 

思い出が強く、故人の遺品整理をなかなかできない、というケースも少なくなく、

病死があったお部屋にもう誰も住んでいなくても、遺族がそのまま賃料を払い続けて賃貸借契約がその後も続く、ということもあります。

関連記事:事故物件を建て替えたら告知義務はなくなる?

 

病死は事故物件になるのか?

 

さて、病死も自然死の扱いになる、というお話をしましたが

賃貸物件で病死があった際は、そのお部屋は事故物件ということになってしまうのでしょうか?

 

再度入居者を募集する際に「事故物件」という表記をしなくてはいけなくなるのは

オーナーとしてはかなりの痛手ですよね。

 

実は病死が事故物件となるかどうか、というのは

死亡してから、それが発見するまでの時間に大きく左右されることになります。

 

もし病死してしまってから、なかなかそれが発見されず時間が経ってしまったりしていると

体液や腐敗臭などが出てきてしまいますので、特殊クリーニングも必要になってきます。

 

事故物件というのは新しく入居する人にとって「心理的瑕疵(しんりてきかし)」がある物件かどうか、という基準で判断されますので

病死後に時間が経ち過ぎていて特殊クリーニングが必要なケースだと、心理的瑕疵に当たると言えるでしょう。

 

心理的瑕疵、というのは簡単に言うと

気持ち的に抵抗があるかどうか、ということなので

やはり一度そのお部屋で死体が腐敗した経歴がある、というのは心理的瑕疵に該当すると言えます。

 

しかし病死はあくまで自然死ですので、死亡してからあまり時間が経たないうちに発見され、さまざまな対応ができ、

特に大きな特殊クリーニングも必要なかった、という場合でしたら事故物件にはなりません。

 

このボーダーラインは少し曖昧なところがありますが、

特殊クリーニングをしなくてはいけないレベルだった場合は事故物件として表記する必要がある、と思っておいた方が良いと思います。

 

グレーゾーンだった時に、事故物件の表記なく次の入居者が決まって

新しい入居者が後からその事実を知ってしまった時にトラブルになりかねませんからね。

 

病死があった際は警察もきますから、近所の噂などで新しい入居者が病死があった経歴を知ってしまうこともあります。

関連記事:事故物件には病死も含まれる事がある、その基準は?

 

特殊クリーニングの費用は誰が負担する?

 

現状では特殊クリーニングにかかる費用はオーナーと入居者、どちらが負担する、というのは明確に決まっていません。

しかし遺体の腐敗が進んでいたケースで、オーナーから入居者家族への損害賠償は認めないが原状回復費用の請求は認めている判例があります。

 

賃貸物件の場合は入居者が退去をする時にお部屋を現状復帰させるのが一般的ですから

原状回復費用は請求できる、と考えて良いのではないでしょうか。

 

また、事件性のない病死が理由の事故物件であれば、

最近では「事故物件でいいから安い賃料のお部屋に住みたい」という若い世代も多いので

程度にはよりますが、そこまで今後の賃貸経営に大きく影響は出ないのではないかと思います。

関連記事:事故物件のクリーニングはどんなことをやる?費用はいくらくらい?

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