不動産投資を行う場合はほとんどの方が金融機関で融資を受けると思います。
私も不動産を購入する時は金融機関で融資を受けますが、やはり思ったように融資を受けられなかったりすることもあります。
そういった場合はいくつかの金融機関に打診してみることになるわけですが、金融機関によって条件は結構変わるものです。
融資に積極的な銀行もあれば、そうでない銀行もありますし、内容に関しても例えば融資期間を延ばしやすいだとか、金利が安いだとか、金融機関によって特色は違うものなんですよね。
ということで融資条件にはどのようなものがあるのか?金融機関で融資を受ける際は、どうやって比較をすればいいのか、ということを解説してみたいと思います。
エリアに関して
法人として金融機関に融資をお願いする時に、対象エリアに支店があるかどうか、ということを問われることが多々あります。
中古の地方物件を購入することが多く、そのエリアの地方銀行さんに融資をお願いする場合は、そのエリア内西店がないとそもそも融資が受けられない、ということですね。
金融機関によって融資できるエリアというのは異なりますので、まずは物件のあるエリアをカバーしている金融機関かどうか、ということを確認すると良いでしょう。
関連記事:不動産投資を地方都市で!そのメリットと注意点とは?
金利相場
金利は金融機関によってことなりますが、アパートローンの場合相場は2.5%前後で、
金融機関の種類によっても相場が変わります。
大きく5つに分けてみると、金利相場は以下のようになっています。
- 都市銀行…1%前後
- 地方銀行…1.5%〜4.5%
- 信用金庫・信用組合…2.5%前後
- ノンバンク…2.9%〜4.9%
- 日本政策金融公庫…1.2〜2.0%
なかなか融資を受けにくいような物件の場合は日本政策金融公庫が金利も低くておすすめです。
関連記事:不動産投資にも日本政策金融公庫は使える?どんな特徴があるの?
自己資金
自己資金に関しては、初めての取引の際は20%、などの融資条件があるところもあります。
融資は信用が大切ですので、その金融機関とどれくらいのお付き合いがあるかというのはさまざまな面で影響してきますね。
多くの場合は自己資金は10〜30%程度で、エリアによって変わる場合もありますし、共同担保があるかどうかなどによって変わることもあります。
シミュレーションをしてみて、その結果によって変動することもあります。
初めて不動産投資を行う時は特に、自己資金ギリギリ、というのは危険ですので、手元に残しておくキャッシュはある程度余裕を持っておく方がいいです。
急に大規模修繕が必要になることもありますからね。
関連記事:アパートの修繕費目安、項目ごとに知っておきたい予算
融資期間
融資期間に関しては物件によって異なりますが、主に構造が大きく影響することが多いです。
これは構造によって耐用年数が変わってくるからですね。
構造に対する耐用年数は以下のようになっています。
構造 | 法定耐用年数 |
木造 | 22年 |
S造(鉄骨)・骨格材厚≦3mm | 19年 |
S造(鉄骨)・3mm<骨格材厚≦4mm | 27年 |
S造(鉄骨)・4mm<骨格材厚 | 34年 |
RC造 | 47年 |
SRC造 | 47年 |
耐用年数が変わるということは減価償却期間も変わるということです。
耐用年数が短い木造物件の場合はどうしても融資期間も短くなり、10年程度になることがほとんどでしょう。
木造で15年はなかなか難しい、という印象です。
しかし融資姿勢が積極的な金融機関では、耐用年数がオーバーしている物件でも融資期間30年、なんていうところもあるのです。
本当に金融機関によってさまざまという感じです。
融資相談をする時に用意するもの
融資を受ける時は「お金を貸してもらうために信用してもらわなければいけない」という意識をしっかりもって臨みましょう。
融資相談をする際に揃えるべき書類を解説してきたいと思います。
- 物件概要書…物件名や所在地、面積など不動産会社にお願いすればもらえる資料
- レントロール…賃貸契約情報をまとめた書類
- 売買契約書…売主と買主の間で交わされる契約書
- 登記簿謄本
- 公図…土地の形状や位置関係がわかるもの。法務局で取得可
- 建築確認済証…不動産会社に請求すれば入手可
- 身分証明書…免許証やパスポートなど
- 印鑑登録証明書
- 住民票
- 健康保険証
- 所得証明…源泉徴収票や確定申告書、給与明細書など
- 資格などの証明書…不動産関連の資格を持っていれば
その他にも、キャッシュフローなどのシミュレーション表があれば用意しておきましょう。
融資の際は、金融機関は「もし事業がうまくいかなかった時もしっかりとお金を返してくれるか」ということを見ています。
例えば給料がある程度安定してあるのであれば、不動産投資の方で赤字が出ても、給料の方から支払える、と思ってもらえるから有利なんですね。
なので手持ちの現金についても見られます。
質問として「空室がずっと続いても、手出しでまかなえるということで良いですね?」というものはされるでしょう。
しっかりと落ち着いて返事ができるかも大切です。
お金を貸す人の不安要素をどれだけ抑えられるかということが肝心になりますので、揃えられる資料はなるべく揃えて臨むようにしましょう。
関連記事:金融機関の物件評価の仕組みを解説!