傾きのある物件を実際に所有しているのですが、
管理会社の方が内見のご案内でその物件に行ってくださった時に「あそこの傾きはやばいですよ!」とおっしゃっていました…笑
実際、傾きに敏感な方だと、お部屋に入った瞬間から船酔いのような感覚になってしまって、「気持ち悪い…」となるくらいの傾きなんですよね。
ビー玉を置いたら普通に転がってしまうような。
築40年ほどの築古木造4戸のアパートなのですが、傾きはやはり入居付けにも影響します。
ネットを見ていて、「傾きのある物件の購入はどうですか?」という質問を見かけたので、
実際になかなか傾いているアパートを所有しているオーナーとして、傾きのある収益物件はどうなのか、ということを書いてみたいと思います笑
修繕には200万円くらいかかる
アパートを購入した時にはすでに物件は傾きがある状態で、中古築古として購入しました。
土地が一段上がったところにあるようなアパートで、崖と言いますか、少し高さのある土地の端に建っているので傾きやすい立地なのだと思います。
傾きを直すための修繕となると200万円ほどかかると言われました。
どうやら家の傾きを直す修繕は、傾いている部分の地面を掘って、そこにコンクリートを注入するようなやり方をするらしく、その場合は立て物を持ち上げるための施行も必要になるので、かなり金額がかかってきてしまうみたいです。
中古の築古は利回りが良い、というのが魅力で購入していますから、修繕費に大きなお金はかけられません。
安く買って安く貸して、という種類の物件になるので、修繕費でお金をかけてしまうと回収できなくなってしまうのです。
傾きのある地方の築古物件となると、傾いたまま賃貸し続けるという選択肢しかない、と思っても良いでしょう。
関連記事:中古物件のリフォームはここにお金がかかる!内見時に見るべきポイント
内見から決まらない、不動産業者も案内しにくい
先述したように、傾きに敏感な方であれば、お部屋に入った途端に気持ち悪くなってしまうレベルの傾き…
こうなってくると、「傾いてるから無しで」と直接言われたりはしていないものの、内見案内があっても傾きが原因で決まらない、ということは多々起きていると思います。(実際にはそういう報告を頂いたことはないのですが)
また、今のところはありませんが「入居したものの、住んでみたら傾きに気付いたから退去したい」という入居者も出てくるでしょう。
もしかしたら今までの退去も、退去理由として聞いていないというだけで、傾きが原因だったものもあるかもしれないですしね。
そういったことを考えると、トラブルの原因になるかもしれないという点で、不動産会社の方も客付けしにくいというのがあると思います。
関連記事:入居者とのトラブルを防ぐためにオーナーがやるべきこと
傾きが気にならない人もいる
ただ、中には傾きがあまり気にならない、という方もいるようです。
以前入居してくださっていたが、「家族と住むことになったので」ということで退去されたんですが、
結局戻るということで、また同じアパートに入居し直してくださる、ということがありました。
傾きのある家でも、住み心地が良いのか再入居があった、というのは意外でしたね。
(敷金礼金などは再入居時も、新規入居時と同じようにお支払いいただきました)
どれだけ傾きが気になるかというのは人によるようです。
ただどうしても、そこである程度フィルタリングされてしまうので、安く購入できる物件が多いのはメリットですが、傾きのない家よりも頑張って入居付けをしなくてはいけないですね。
関連記事:簡単ですぐにできる空室対策!実際にやってみたものを紹介します
家の傾きを確かめる方法
物件を購入するときは必ず現地に物件を見に行ってから購入するようにしています。
今はネットで色々な情報を得ることができますし、その情報だけで物件を購入される方も少なくないですが、こういった傾きなんかは実際に物件に入ってみないとわからないものだったりしますよね。
もちろんあからさまに傾いている家なら売買時に告知があるとは思いますが。
ただある程度の傾きは古い家であれば当然あるものなので、告知など特にされないまま傾きのある物件を購入してしまうということはままあることだと思います。
実際に物件を見に行ったら、ビー玉など球状のものを置いてみてもいいですし、
あとは窓や引き戸などがスムーズに動かせるかを見てみて下さい。
築古だと窓や引き戸の枠が歪んでしまって、スムーズに動かないものが結構あります。
多少の傾きでもこういった枠は歪んでしまうのでチェックしたいポイントの一つですね。
個人的には傾きのひどい収益物件はなかなかに難しい物件だと思いますので、特に不動産投資初心者の方にはおすすめはしません。
例えば立地的に「絶対に入居が決まる」という確信を持てるような物件じゃない限りは、傾きのある物件は買わない方が良いでしょう。
関連記事:不動産投資物件の内見をする時に見るべき室内のポイント