購入したいと思う不動産が出てきたら物件に対して買付証明書（購入申込書）を売主へ提出することになります。
人気の物件だと、物件情報が出てからすぐにこの買付証明書が殺到するものです。
では買付証明書が複数入った時、売主はどのようにして買主を選ぶのでしょうか。
申し込みの順番がそのまま交渉順となるのか？
物件情報が出てから買付をなるべく早く出した人が有利です。
ただし買付を一番最初にした人が必ずしも物件を購入することができるというわけではありません。
売主も買主を選びます。
売主の権利であり、選ぶ基準は売主によって変わります。
例えば売主は以下のような指標で順番を決めたりします。
- ローンの審査が早かった人
- 売買契約が先にできる人
- 決済が早い人（現金で購入できる人）
など。
なるべく現金を早く手にしたい、という売主さんが現金一括購入することができる買主を選ぶということはよく聞く話ですね。
指値で条件が変わることも
一番最初に買い付けを申し込んだとしても指値（値下げ交渉）をしていれば、他の買い付けをしている人に負けてしまう可能性もあります。
一番最初に申し込んでくれた人に必ずしも売らなくてはいけないなどといったルールはありませんから、なるべく高く買ってくれる人に物件を売りたい、と売主が考えるのは当たり前のことでしょう。
他の人が満額で買付申し込みをしてくるかどうかというのは分からないものです。
他の人が満額でも買付をするのであれば、自分も満額で買付し直す…という心づもりでいても、最初から満額で買い付けをしてくれる人に売主さんが決めてしまえば申し込んだのが先でも物件を購入することはできません。
指値をすることは珍しいことではありませんが、売り出し金額が不動産に見合った金額で、その物件を購入したいという気持ちが強いのであれば、満額で買付を入れるのも良いでしょう。
人気の物件だなと感じるのであればとにかく早く満額で買付を入れないと、物件を購入することはできません。
満額の買い上げ打診が来ることもある
実務上の話をすると、一番初めに買い付け申込書を出した買主候補に「満額の申し込みが他から入ったけれど満額での買い上げはできないか？」と打診をしてくれる場合があります。
基本的にはやはり一番手に順番が優先されるようになっています。
しかしこの時に返事が遅いと物件を購入することができなくなる可能性が高まります。
売主としてはやはり物件は早く売りたいと思っているでしょうし、買い上げをどうするか悩んでいる間他の買主候補者を待たせることになります。
一番最初に申し込みをしてくれたからという理由で一度全てをストップして確認してくれているケースになりますので、この場合はなるべく早く返事をしなければいけません。
できればその場で返事ができると良いレベルです。
もし指値して買付を入れるのであれば、満額買い上げの打診が来た場合どうするかということはあらかじめ考えておきましょう。
この値段でなければ買わないというボーダーを決めておくと良いと思います。
関連記事：不動産投資における買付の意味とは？実際に購入する時の手順
売買契約書が締結されるまでは何が起こるかわからない
人気の不動産に対して買付申し込みが殺到した場合、売主は買主を選べるという点で有利な立場に感じるかもしれません。
しかし買主側も、買付申込を入れたから必ず不動産を購入しなくてはいけないというわけではないのです。
買付を入れたもののさらに魅力的な不動産が出てきたためそちらを取り下げて別の物件を購入するといったこともあります。
ただやはり簡単に「やっぱりやめた」というのをやってしまうと、不動産業者としては扱いづらいオーナーになってしまうでしょう。
これからも売買で関わっていくかもしれない不動産業者さんですから、簡単に申込書を取り下げるというのはあまりお勧めできません。
特に不動産業界は狭い業界なので地方の不動産などであれば、そういった情報も簡単に出回ってしまうようなところがあります。
業者さんとの信頼関係も大切にしつつ進めていきましょう。
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基本的に満額が強い
売り出し価格に対して満額で買付証明書を入れる購入希望者がやはり一番強いのではないかと思います。
あいだに入っている不動産業者によっても変わってくる部分ではありますが、買付の順番で早い者勝ちで進めていくところもあれば、売主さんにとって一番有利になる内容になっている購入希望者を優先させる場合もあります。
どうしてもその不動産を購入したいという気持ちがあるのであれば、満額で買付入れるのが一番強いでしょう。
しかしローンを組んで購入する場合は、現金で満額購入を希望している希望者の方が強くなってしまう場合があります。
売主が現金購入をしてくれる人を優先させる場合は、同じ満額でも現金購入の希望者の方を優先させるでしょう。
買付申込をする際に、どういった理由で不動産を売却するのかということも聞けるのであれば聞いておくと参考になると思います。
借金返済のためなど、売り急いでおり、現金化を早く望んでいる売主の場合は現金で購入する予定の購入希望者を優先させるかもしれませんね。
価格規模にもよりますが余力があれば現金購入での買い付けを入れるのも良いかもしれません。