不動産投資というと区分マンション投資やアパート経営が思い浮かぶ人が多いと思いますが、自分の自宅に賃貸に出す部屋がついている賃貸併用住宅というものがあります。
今回はこの賃貸併用住宅とはどんなものなのか?
投資として見た時にどのような特徴があるのか?
実際に住んでいた経験からの感想などを書いてみたいと思います。
賃貸併用住宅とは
賃貸併用住宅は賃貸に出す部屋がついている自宅のことを指します。
私は曽祖母が不動産投資をしていて、賃貸併用住宅の家で育ちました。
自分自身が投資をしていたわけではなく、そもそも家が賃貸併用住宅だったんですね。
私の家の場合は
- 地下(駐車場+部屋が2つ)
- 1階
- 2階
が自宅で、3階部分に1Kが3部屋あり、その3部屋を賃貸として貸している、という賃貸併用住宅でした。
曽祖母と一緒に三世帯で住んでいたんですね。
都内の自宅ですが、駅からは遠く、歩くと20分くらい。
バス停が近いので、交通にはそのバスを使うのが良いかなという立地です。
大学が近いのもあり、入居は主に学生さんでした。
賃貸併用住宅の取得には大きくわけて3つの方法があります。
- 自分で土地を探し(or所有している土地に)、新築する
- 賃貸併用住宅を取り扱う業者に依頼して新築(土地探しは業者)
- 中古の購入
うちの場合は1のケースで、もともと所有している土地に新築した形です。
関連記事:賃貸需要の調べ方とは?
賃貸併用住宅の特徴
マイホームが稼いでくれる
通常自宅の購入というのは投資ではなく消費です。
家を購入する、という消費行動なわけですが、賃貸収入を得られる賃貸併用住宅の場合は投資を兼ね備えています。
通常であれば自宅を購入しても毎月住宅ローンの支払いを行なっていかなくてはいけないですが、賃貸併用住宅では家賃収入をそのまま住宅ローンの支払いに回せるというわけですね。
中には家賃収入の方が多くなる、というケースもあります。
とはいえ、退去が出てしまうと家賃が入らず、自分の手出しでローンの返済を行なっていかなくてはいけないですし、修繕費がかかったり家賃も築年数とともに下がっていきますので、
こういった部分は通常のアパート経営と同じで、入念なシミュレーションが必要ですし、たとえ全空になっても住宅ローンを払い続けることができるだろうという想定がないと難しいです。
住宅ローンが使える
制約は多少あるものの賃貸併用住宅の場合は住宅ローンが使えます。
よく「ローン」とつくものは全部同じだと考えている人が多いのですが、不動産投資をするために組むローンと住宅ローンでは内容が全く異なるんですね。
住宅というのは生活をするために欠かせないものですから、住宅ローンもとても優遇された内容になっています。
具体的に言うと、
- 金利が安い
- 借り入れ期間を長くできる
- ローンの承認がおりやすい
というメリットがあります。
また賃貸併用住宅の場合は自宅部分のみではありますが、住宅ローン控除も使えます。
賃貸部分が半分以下である、といった制約はあるものの
通常の不動産投資用ローンに比べてとても良い条件で組める住宅ローンはとても魅力的です。
関連記事:不動産投資ローンと住宅ローンの違いとは?
ライフステージに応じた使い方もできる
例えば子供が独立したら、賃貸部分の一部屋に子供家族が住む、というのもあります。
逆に子供家族の人数が増えてきたら親世帯が賃貸部分に住んで、子供家族は自宅部分に入る、など。
ちなみに私も一時期3階の賃貸部分に住んでいたことがありました。
このように、ライフステージに合わせた使い方ができる、というのも賃貸併用住宅の良いところだと思います。
投資、と考えると投資部分の規模が小さいですし、どちらかというと「マイホームを買うついでに」という考え方の人の方が多いのかなとは思いますが、
投資もしたいけどマイホームも欲しいという人には良いのかなと思います。
実際に住んでいて感じたこととデメリット
ここからは実際に賃貸併用住宅に住んでいて感じたこととデメリットについてお話ししていきます。
うちの場合は入居付けは不動産業者さんにお願いしていたのですが、管理は自主管理でした。
賃貸併用住宅なので、自宅の上が賃貸物件。自主管理で十分管理できると思われるでしょう。
しかし賃貸併用住宅の場合は、オーナーと入居者の方の距離が近く、クレームも言われてしまいやすい、というのがデメリットでした。
先日久しぶりに東京でもたくさん雪が降りましたが、こういう日は雪かきをしなくてはいけない。
オーナーは曽祖母でも、雪かきなんかできる年齢ではありません。
賃貸物件のある3階に上がるには外階段を登る必要があり、階段にびっしり雪が降り積もることで、とても危ない状態になります。
そうすると家族が駆り出されるわけですね笑
他にも小さなクレームをそのまま伝えられることも多かったので、管理会社が入らず、入居者との距離が近いことによって手間がかかりやすいというのがあるな、と思いました。
また、何世代にも渡ってその土地に住み続ける予定なら良いですが、転勤などでその土地に住み続けるかわからなかったり、
違う土地にも行ってみたいという気持ちがある人には向かないでしょう。
売却をしようにも賃貸併用住宅の売却はどうしても買い手を見つけるのが難しくなります。
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実際に住んでみて、なかなか難しいなと思うポイントでした。