不動産投資の基礎知識

不動産投資ローンと住宅ローンの違いとは?

不動産を購入する際に組めるローンとしては、収益物件を購入するために組むことができる不動産投資ローンと、自分が住む目的で購入する不動産に対して組むことができる住宅ローンの2つがあります。

賃貸物件に住み続けることで疑問を感じ始めた人は、不動産投資を行った方がいいのか、それとも自分が住むための住宅を購入した方がいいのか、というところで悩むのではないでしょうか。

今回は不動産投資ローンと住宅ローンの違いについて解説していきたいと思います。

 

ビジネス目的の不動産投資ローン、住宅を購入するための住宅ローン

 

不動産投資ローンと住宅ローンの大きな違いはローンを組む目的です。

どちらも不動産を購入するために購入費用に充てるものだと考えられる方が多いと思いますが、物件の使用目的が違いますので全く異なるローンなんですね。

住宅ローンは自分が住むための自宅の購入や、自宅の増改築に充てるためのローンになります。賃貸経営を目的とした収益物件の購入費用には充てることができません。

それに対して不動産投資ローンは不動産投資で収益を得るために組むローンです。

それぞれの目的に合わせてローンが組まれますので、住宅ローンを組んで収益不動産を購入することはできません。

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金利の違い

 

不動産投資ローンと住宅ローンでは融資の金利が大きく違います。

最近住宅ローンが少し金利が上がりつつあるというニュースがありましたが、それでも住宅ローンに比べると不動産投資ローンの方が金利は高くなります。

住宅ローンの金利は年利0.5%から2%程度が一般的です。

それに対して不動産投資ローンの金利は年1.5%から4.5%程度となります。

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ローン規模の違い

 

住宅ローンに比べると不動産投資ローンの方が金利は高いのですが、それだけ融資金額の上限が高額となります。

 

住宅ローンの場合は、個人が住むための住居に対する融資になるので、規模はどうしても小さくなります。

住宅ローンの融資金額はだいたい個人の年収の5倍から8倍程度が上限となっています。

一般的には5〜6倍が上限で、属性次第で7〜8倍くらいになるイメージです。

それに対して不動産投資ローンの融資金額は年収の10倍から20倍が上限になることもあります。

 

個人の目的のために融資を行うのではなく事業に融資を行うため、規模も大きくなるということです。

はじめての不動産投資であっても年収が500万円ある人であれば5000万円から1億円ほどの不動産投資ローンを組むことができる可能性があります。

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返済原資の違い

 

不動産投資ローンの方が規模が大きくなる理由として返済原資の違いがあります。

返済原資とは借入金の返済のためにどこからお金を捻出するかということです。

住宅ローンの場合は返済原資は基本的に毎月の給与になります。

自分で住むための住宅は新しいお金を生んでくれることはないので、基本的に毎月の給料の中から借入金を返済していくことになりますよね。

それに対して不動産投資ローンの場合は返済原資が毎月の家賃収入になります。

購入した収益不動産が家賃収入という利益を生んでくれるからです。

 

このように個人の消費のために融資をするか事業のために融資をするかによって、大きくローンの内容が変わってくるということがわかったと思います。

事業への融資だからこそ不動産投資ローンは規模が大きくできるかわりに金利も高くなるのです。

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融資審査で見られる部分の違い

 

住宅ローンと不動産投資ローンでは融資審査の内容にも違いがあります。

個人の消費の為に融資を行う住宅ローンの場合は個人の信用度を審査しますが、事業に対する融資を行う不動産投資ローンの場合は物件の収益性を審査します。

具体的に言うと住宅ローンで見られる個人の属性は

  • 年収
  • 勤続年収
  • 貯蓄金額
  • 他社での借り入れ金額
  • 金融事故の履歴

などです。

不動産投資ローンではこれらの個人の属性に加えて物件の収益性もチェックされます。

 

収益性として見られる基準としては

  • 築年数
  • 家賃設定
  • 物件の売買履歴
  • 物件エリア

などです。

不動産投資ローンの場合は住宅ローンと違ってどのような物件を選ぶかということも融資の審査内容に影響してきます。

金融機関によって審査基準は異なりますので、どの金融機関を選ぶかということも重要でしょう。

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契約者の年齢制限の違い

 

住宅ローンの場合はローンの契約者に年齢制限が設けられていることが多く、その年齢のほとんどが70歳程度となっています。

これはローンの返済原資がほとんどの場合給料となることから定められている年齢制限です。退職年齢を鑑みた設定ですね。

一方不動産投資ローンの場合は、申し込み時の年齢制限を設けていない金融機関が多いです。

 

一部では完済時の年齢を80歳程度に設定している金融機関もあるものの、こちらは返済原資が家賃収入であるため年齢制限を設けないことが多いわけです。

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不動産投資ローンを組んでいると住宅ローンが組みにくい?

 

不動産投資ローンは事業に対する融資ですが住宅ローンの場合は個人の商品に対する融資になりますので、どうしても不動産投資ローンを組んでいて借入金が多くなっている場合は住宅ローンが組みにくくなります。

とはいえ大きな規模で融資を受けられるということはそれだけ収益を上げやすいということですので、借りられる金額は多い方が投資としてはプラスになりやすいです。

 

もちろんどのような不動産を選ぶかにもよりますが、リスクをとって収益を上げていきたいのであれば不動産投資ローンを先に組んだ方が良いでしょう。

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