東京オリンピックが終わり、コロナウイルスの影響もまだ続く中、ウクライナの問題もあって経済不安が日本だけでなく世界中で広まっています。
物価がどんどん高騰していっているのを肌で感じるようにもなってきました。
そんな中、不動産の売却を検討されている方もいらっしゃるでしょう。
逆に、今のうちに投資を始めておいた方が良いのではないか?と考える若い世代も多いです。
今回は不動産価格が今後どうなるのか、
そしてそれを掴むためにはどんなものを見れば良いのか?ということについて考えて行きたいと思います。
モノの値段は需要と供給のバランスで決まる
どんなモノでもそうですが、値段は需要と供給のバランスで決まるものです。
買いたい人がたくさんいて、モノが少なくなればモノの値段は上がり、
買いたい人が少なくて、モノが溢れてしまえばモノの値段は下がります。
不動産も同じで、買いたい人がたくさんいて、土地や建物が少なくなれば不動産価格が上がり、
買いたい人が少なくて、土地や建物が溢れてしまえば不動産価格が下がっていきます。
では今の日本の状況はどうでしょうか。
総務省統計局が出している人口推計を見てみると、明らかに人口が減ってきていることがわかります。
少子化問題はずっと言われてきている問題で、
自分の周りでも結婚しない人が本当に増えました。
大きな政策転換がない限り、今後日本の人口はずっと減り続けていくのだろうなと感じます。
近い将来1億人を切るという予想もされていますよね。
つまりは、「買いたい人」もどんどん減っていく、ということですね。
さらに、日本ではすでに不動産が余っています。
人口が減っているのに住宅の総数は増加しており、新築住宅が増え続けているという現状があります。
住宅過剰社会、と呼ばれていますね。空き家問題も深刻です。
日本では特に新築信仰と呼ばれる「新築こそが良いもの」という風潮が強くあり、すでに住宅が余っているのにも関わらず、住宅が増え続けるという流れが止まりません。
つまりは「モノが溢れている状態」です。
こう考えると不動産業界においては、
買いたい人が少なくなっているのに、土地や建物が溢れている状態、ということになります。
シンプルに考えれば、不動産価格は今後下がっていく、ということがわかると思います。
エリアごとに細分化して見ることも大切
ここまで日本国内の需給バランスについて説明してきましたが、
これはあくまで「日本」という広い範囲で考えた場合の話です。
これをさらに細かく「地方」と「都市部」で大別して考えるとさらに違うものが見えてきます。
人口が減少していくことによって、生活に必要なモノやサービスを提供する仕事をしてくれる人が減少していくことが考えられます。
普段生活に必要となってくるもの、
- 学校
- 病院
- スーパー
- 鉄道
といったもの。
そういったものに従事してくれる人が地方ではどんどん減っていきます。
そしてそれらがどんどん都市部に集約していく、ということが考えられるでしょう。
人がたくさんいるところに仕事が生まれますからね。
つまり地方では人が「流出していく」流れにあり、
都市部では人が「流入してくる」流れがあるのです。
日本という国単位で考えた時は不動産価格が下がっていく、ということがいえますが、
このようにエリアごとで考えてみるとまた違った流れが見えてくるのです。
自分が投資しようとしているエリアがどういうエリアなのか、ということを考えるところから始めてみましょう。
例えば「〇〇市 人口推移」というようにネットで調べてみると、その市の人口推移を調べることができるはずです。
そういった情報を参考に「このエリアには将来、人が集まってくるのか」ということを是非考えてみてください。
人口が減り続けている日本においても、人が集まってくるエリアに関しては不動産価格が急落する、ということはなかなかないかと思います。
これからはますます良い土地で不動産投資をする、ということが大切になってきますね。
また、地元の不動産業者の方やその地域に住んでいる方となるべくたくさんコミュニケーションを撮ることも大切です。
その地域に住んでいる方々だけが持っている情報というのもあって、
以前、地元のスナックにいらっしゃる方に「駅が潰れるらしい」という話を聞いて物件を売却したことがありました笑
人が集まってくるエリアだと思えるエリアなら、
なぜ人が集まってくるのか、というところまで考えられると、より確信を持って不動産投資をすることができるのではないかなと思います。
具体的にチェックすると参考になる指標は?
先ほどお話ししたように、エリアごとの人口推移は必ず確認した方が良いでしょう。
投資しているエリアの今の人口も把握しておくといいと思います。
あとは、国土交通省が発表している不動産価格指数というものがあります。
こちらは不動産価格の動向を数値で示した統計データです。
月に1度公表されるもので、大まかな流れを把握できますので、
是非ピンポイントではなく、全体をみるための資料として使ってみてください。
また同じく国土交通省が発表している公示地価も確認しておくと良いと思います。
日本各地の標準地の土地価格をまとめたもので、エリアごとに検索することができますので、
投資を検討しているエリアの過去のものも並べてみて、検討材料とすると良いと思います。
不動産を購入する時に調べすぎるということはありませんので、
ぜひ色々なデータを参考にしてみてください。
国として見れば全体的に不動産価格は下がっていくものと思われますが、
エリアごとに見ていけば、投資できるエリアもまだ残されていると思っています。
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