売買知識

不動産売買の時、司法書士さんは何をしてくれる?依頼した方がいい?

不動産の売買を行う時は、司法書士さんに登記手続きの依頼をするのが一般的です。

ですが、司法書士さんに依頼をするにはお金もかかりますし、何をしてもらえるのか?本当に依頼する必要があるのか?と疑問に感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は不動産売買のシーンでの司法書士さんのお仕事内容や、もし依頼しない場合どんなリスクがあるのか、ということを解説してみたいと思います。

不動産売買時、司法書士さんは何をしてくれる?

不動産売買時の司法書士さんの役割は、「不動産の名義変更業務」です。

そもそも司法書士とは、不動産の権利関係に関する業務を代理で行ってくれる有資格者なんですね。なんと司法書士試験は合格率3%前後の国家試験です。

不動産は誰が所有しているものなのか、ということが登記を行うことで証明されます。

不動産売買時は、最初は売主の名義で不動産は登記されていますが、代金が支払われたら迅速に買主の名義で該当不動産の登記をしなくてはいけません。

この部分を担うのが司法書士さんなのです。

関連記事:不動産を購入した時に必要な登記!どんな手続き?難しいの?

不動産登記は自分でもできるけど、リスクはある

実はこの不動産登記、自分でも行うことができます。

法務省のホームページを見ると、書類の作成方法が掲載されていますし、必要書類もインターネットで入手できるようになっているんですね。

法務局に行って相談して作成する、ということも可能です。

実際私も不動産を売却した時に買主さんに「自分で登記します」と言われたことがあります。

今までそのようなことを言われたことがなかったので、あの時は少し不安に感じました。

買主から「自分で登記する」と言われました…そのリスクは? 所有している築古物件を売却することが決まり、現在売買にあたっての重要事項説明などを確認している最中なのですが、 買主さん側から「...

結局この時は無事に登記も済んで、トラブルなく売買成立となったんですけどね。

(この記事を読み返してみると私がかなり不信感を抱いていたのがわかります笑)

後から仲介の方に聞いたところによると、最近は割とご自分で登記される方も増えているようです。

特に若い方に多いようですね。

ネット記事やYouTubeなどでも不動産投資のことを発信している人が増えていますから、そういったものを参考にして、なるべく費用を抑えるために自分でやる、という方が増えていっているのかもしれません。

この時はまだ築古の本当に規模の小さい物件だったので、何かトラブルが起きてもそこまで大ごとになることはないだろう、という感じだったんですが、

不動産の場合は数千万円、さらに億といった単位で取引がなされることもあります。

そういった時に、売主は「ちゃんと買主がお金を払ってくれるか心配。お金をきちんと払ってくれるか確認してから不動産を渡したい」と思うものですし、

買主は「大金を支払うのに、不動産を渡して貰えなかったらどうしよう」と思うものです。

どうしても金額が大きくなると、そういった不安が売主にも買主にも発生するのが当たり前ですよね。

そこでそれらが滞りなく履行できるように、専門家として入ってくださるのが司法書士さんということです。

司法書士さんは不動産取引において、登記名義を買主にうつすのに必要な書類を全て確認し、その上で売買代金を買主から売主に支払ってもらいます。

支払いが完了したことをしっかりと確認してから、法務局に登記名義を変更する手続きの申請に向かいます。

私がつい最近区分マンションを購入した時は、振り込みにてお支払いをし、

それを確認した後にすぐ司法書士さんが法務局に向かってくださり、その日中に登記完了のお知らせをいただきました。

世の中に地面師という、不動産の所有者になりすまして売買代金を騙し取り、行方をくらませてしまう、というような詐欺手口もありますので、

やはりしっかりと専門家に入ってもらった方が安心だとは思います。

特に金額が大きい場合はリスクは最小限に抑えたいですよね。

関連記事:地面師とは?知っておきたい不動産詐欺の手口

司法書士さんに依頼をしないとどんなリスクが生まれる?

では司法書士さんに依頼をしない場合、どんなリスクが生まれるのか、

もう少し詳しくみてみましょう。

代金支払い後に名義変更されない(名義変更後に代金が支払われない)

売主にも買主にも発生しうるトラブルですね。

お金を払うのと名義変更と、なるべくタイムラグなく行うのが理想ですが、

司法書士さんがいないとここにタイムラグが生まれやすくなり、リスクが高まります。

抵当権を外してもらえない

購入した不動産に抵当権などが付いている場合は、名義変更とともにそれを外してもらえるか確認しなくてはいけません。

通常は司法書士さんがこの抵当権を外す手続きも行ってくれます。

ですが、司法書士さんが入らず、抵当権がついたまま不動産の名義変更がされた場合、

債務者である売主が滞納をした場合、その不動産が銀行判断で競売にかけられることがあります。

関連記事:不動産の抵当権とは?購入や相続で気をつけること

二重売買が起こるリスク

代金支払い後に所有権移転登記が行われないと、二重売買が起こる可能性があります。

登記がされていないと法的にはその不動産の所有権は認められません。

なので所有権移転登記が行われないままに、別の人に売られてしまう、ということもあり得てしまうのです。

これらのトラブルを避けるためにも、

やはり不動産売買の時は司法書士さんに依頼をするのが安心だと言えるでしょう。

関連記事:不動産屋の嘘!売買時にありがちな話を紹介します

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