売買知識

マンションの修繕積立金残高の目安はいくらくらい?

中古で区分マンションを購入しようとした時に見るべきポイントの一つに修繕積立金の残高があります。

マンションのような共同住宅の場合は、修繕積立金が毎月各お部屋から集金されますが、それらを積み立てて行って、マンション全体の大規模修繕の費用に充てる訳ですね。

つまり、この修繕積立金残高がきちんとないと、マンションの大規模修繕を行うことができない、ということになります。

将来的に、

  • 外壁を修繕できずに見た目が悪くなっていく…
  • 共有部で広範囲の雨漏りがあるのに修繕できない…
  • 自動ドアが壊れたまま放置されている…

みたいなことが起きかねません。

今回はこの、マンションの修繕積立金残高について、考えてみましょう。

修繕積立金の残高が少ないとどうなる?

修繕積立金の残高が少なくなると、修繕するべきところを修繕できなくなり、マンションの資産価値を維持していくのが難しくなります。

外壁が汚かったり、どこかが壊れたままのマンション…となると、せっかく元は良いマンションだったとしても売却は難しくなりますし、

賃貸で貸し出すとなっても入居者がつかなくなってしまいますよね。

また、大規模修繕がいよいよ必要だ、となった時に各お部屋から修繕金をまとめて徴収する、ということが起こる可能性もあります。

もちろん大規模修繕となれば必要になるお金もそれなりです。

一戸あたり100万円、200万円の金額を納めるように言われることもあるでしょう。

関連記事:修繕積立金なし!という物件は超ハイリスクです

大規模修繕費用の目安は戸数×100万円

大規模修繕費は一戸あたり75万円〜125万円程度の費用がかかると言われています。

ざっくりではありますが、一戸あたり約100万円として、40戸あるマンションなら4000万円、80戸あるマンションなら8000万円、といった感じで計算してみると良いかと思います。

マンションの修繕積立金残高を見てみて、それらの数字が将来的に見えてきそうな修繕積立金残高なのであれば、そこまで心配しなくても良いのではないかと思いますね。

つまり、ある程度戸数のあるマンションなのであれば、数千万円単位で修繕積立金残高があれば安心、ということです。

私が最近見た区分マンションだと、81戸あるマンションなのに修繕積立金残高が77万円しかなかった、というものがありました。

これはさすがに残高が少ないな、と思いましたね。

類似物件ではやはり1500万円だとか2000万円くらいは積立金残高がありました。

関連記事:2500万円の中古マンション購入の初期費用はフルローンだといくらくらい?

修繕履歴と照らし合わせて修繕積立金の残高を読む

修繕積立金残高をチェックしてみて「ん!?少ないな??」と思ったら、今度は今までのマンションの修繕履歴をチェックしてみてください。

例えば直近で大規模修繕を行っているマンションなどであれば、残高が少ないのは当たり前なので仕方がないことなのです。

逆に最近大きな修繕を行なっていないのに修繕積立金の残高が少ないマンションはリスクが高い、ということですね。

このように、マンションの修繕積立金の残高というのは目安があるわけではなく、修繕履歴を見て文脈を読む力が必要になります笑

ちなみに大きくお金がかかるものとして代表的なのは、

  • 外壁
  • 屋根
  • 貯水槽など、水回り関係

ですね。

これらの修繕が直近であれば、残高が多少少ないように感じても大丈夫かな、と思います。

数字を見て不安を感じる場合は、長期修繕計画表も不動産仲介の方に頼んで取り寄せてもらいましょう。

長期修繕計画表は、これから先何年後にどういう工事をする予定なのか、ということが記載されている資料です。

毎月の修繕積立金を戸数分かけてみて、大規模修繕までに本当に修繕積立金残高がその修繕費用分たまるのか?ということをざっと計算してみると良いでしょう。

無理のある長期修繕計画表なのであれば、そのマンションはやはりリスクが高い、と言うことになると思います。

関連記事:ワンルームへの不動産投資で見るべき修繕積立金について

月々の修繕積立金の目安

ちなみに、各戸の月々の修繕積立金支払額ですが、これには明確な目安があります。

2011年に国土交通省が「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」というものを発表しており、これに修繕積立金に関する基本的なことが書かれているんですね。

このガイドラインでは、専有床面積1㎡あたりの修繕積立金の額が目安で書かれています。

【15階未満】
・5,000㎡未満:218円/㎡・月
・5,000〜10,000㎡:202円/㎡・月
・10,000㎡以上:178円/㎡・月
【20階以上】
・206円/㎡・月

イメージですが、検討しているお部屋の平米数に200円〜300円程度をかけてみて出てきた数字が大体、毎月の修繕積立金の目安になると思ってください。

その金額よりも大幅に安い場合は「お得だ!」ということではなく、

「これだと修繕積立金残高がちゃんと増えていかない…」と思った方が良いです。

関連記事:中古マンションの内覧、どこを見て何を質問しておけば良い?

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