売買知識

【実録】物置が登記されていない物件

購入を検討している地方の物件に物置があったのですが、よくよく調べてみるとどうもその物置、登記が必要なもののはずなのに登記されていない、ということが分かりました。

どうやら確信犯的なやつでして、

物件が完成して登記を済ませた後に、物置を建てた物件なのだそうです。

こういった物件はちょこちょこありますよね。

関西だと車庫転(しゃこてん)物件なんて言われるものがよくあります。

【車庫転物件とは】

もともと駐車場だった部分を勝手に他の用途に変更して建物を使用することで違反建築物になってしまうこと

車庫転物件とは?違法建築の建物に注意 車庫転(しゃこてん)物件という言葉を聞いたことがあるでしょうか? 地方で高利回りの物件を探していると違法建築で建てられてしまって...

そんなことがあって、

あれ、そもそも物置って登記必要なんだっけ…?

というところが気になり、調べてみることにしました。

全ての物置が登記対象になるわけではない

よくよく調べてみると、全ての物置に対して登記が必要というわけではないようです。

建物を増築・改築した時には必ず登記が必要になるのですが、

物置の形状によっては「建物」とみなされて登記が必要になるようです。

ではその「建物」の定義はというと、以下のような条件となっていました。

(1)屋根及び周壁、またはそれらに類するものを有していること(外気分断性)
(2)土地に定着した建造物であること(土地への定着性)
(3)目的とする用途に供しうる状態にあること(用途性)

ガレージなどを作ったとしても、すぐに取り外せるようなものであれば土地への定着性がなく、登記をする必要はない、ということですね。

また、この要件には大きさは関係ありません。

どんなに小さい物置だとしても、上記の要件を満たしていれば登記をする必要があるということです。

上記の要件を物置のケースで考えてみると、

  • 外気分断性…建物と外気がきちんと壁で遮断されている建物は登記対象。基本的に4方向、最低3方向の壁が必要ですが、物置の場合は3方向壁、1方向扉という感じで、これは満たされてしまっていますね笑
  • 定着制…既存の物置を買ってきてブロックの上に載せている、みたいな物置は登記の必要はありません。L字金具でとめてある、程度の物置でも登記は必要ないそうです。逆に基礎を作って設置している物置に関しては登記が必要でしょう。
  • 用途制…建物に何かしらの意図があるかどうか、というところです。用途のない飾りというかオブジェのようなものであれば登記は必要ないようです。ただ物置の場合は物を置くという用途がしっかりありますね笑

そして今回私が購入を検討していた建物では、物置の登記が今現在されていないものの、その物置は登記が必要なものである、ということなんですよね。

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今年は本当に物置トラブルが多いな〜笑

関連記事:【実録】物置の設置費用…不動産投資はまさかの出費が出る

中古物件なので物置を外せない

購入を検討していたこの物件は中古のアパートになりますので、すでに入居者がついています。

つまり、今現在入居をしてくださっている方はその物置を設備として使っているということ。

登記をしないで物置を撤去してしまう、という選択肢がないわけではないですが、

そうしてしまうと多分今の入居率にも影響してくるでしょう。

今まで賃貸で借りていた自分のお部屋についている物置が突然「撤去になりましたので荷物出してください」なんてことになったら、私も引っ越しを考えると思います笑

物置に入れているものを出したとして、どこに置いていいかわからないですもんね。

つくづく物置というやつは厄介だな〜と思います。

これが経年劣化で取り替え、なんてことになったらまた数十万円かかってくるのですから、どうしたもんやら。

地方での投資の場合は、「その土地では当たり前にある設備」というのが結構存在するので、自分が住んでいるところとは離れたところで投資をする場合は、

そういったその土地の文化についても学んでおく必要がありますね。

関連記事:不動産投資を10年以上やってきて、いつも感じる悩み

登記が必要になった経緯

そもそも今回は金融機関さんにお願いして融資を受けることになったのですが、

その時に金融機関の方から物置も登記して欲しいということを言われました。

金融機関的には融資をするにあたって不動産に抵当権を設定しますよね。

これはもし貸したお金が返って来なかったときに行使することができる権利で、これを行使することで、不動産を差し押さえて資産を回収することができるようにしているわけです。

そしてさ物置が登記されていれば、それも差し押さえることができます。

逆を言えば、物置が登記されていないと、物置だけ差し押さえができないのです。

そういった意味で、登記が必要、ということなんですね。

なるほどそういうケースもあるのか、とまた一つ勉強になりました。

中古物件を購入する時は、物置の有無、その物置の登記の有無なども確認しなくてはいけないな、と思った次第です。

関連記事:増築部分を登記していない中古物件、どんなリスクがある?

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