不動産投資の基礎知識

アパート経営をするのに頭金はいくらくらい必要なの?

将来的にアパート経営を始めようと思っている人は、アパート経営を始めるにあたってどれくらいの頭金が必要になるのか、というところが気になると思います。

今回はアパート経営を始めたいと思っている方向けに頭金について解説してみたいと思います。

 

頭金と初期費用は違う

 

混同しがちなのですが、厳密に言うと頭金と初期費用というのは全く違うものになります。

アパート経営を始めようと思っている方は「いくら貯金をすればアパート経営を始めても大丈夫なのか?」というところが気になっていると思いますのでそういう意味で頭金を捉えているかと思います。

アパート経営業界で言う頭金というのはローン融資を受ける際にいくら先に入れるかということを指します。

アパートを購入する際にかかる費用は別に考えなくてはいけないので、初期費用の中に頭金も入っているというほうが正しいかもしれません。

アパート経営に必要な自己資金、つまり初期費用については以下のようなものが挙げられます。

  • 不動産仲介手数料(中古アパートの場合)
  • 住宅ローン事務手数料
  • 住宅ローン保証料
  • 火災保険料
  • 印紙代
  • 登録免許税
  • 司法書士報酬
  • 不動産取得税

中古アパートの購入の場合は購入金額の1割程度を自己資金額として想定しておくと良いと思います。

関連記事:収益物件の探し方は?物件探しから中古物件購入まで

 

理想的な頭金の割合

 

金融庁は「投資用不動産向け融資に関するアンケート調査結果」を2019年3月に公表していますが、これによると多くの金融機関が融資の際に顧客に頭金を求めていることがわかります。

融資審査に関しては個人の属性や物件の評価に大きく左右されますので、必ず頭金が必要なわけではなく、フルローンで融資を受けられるケースもあります。

ただ希望の融資金額に届かない場合や融資引き締めの時期などは、頭金がある程度必要になるわけです。

実際には、物件購入金額の1割〜2割程度の頭金を入れることが多く、それくらいが理想的のように思います。

関連記事:不動産投資における融資で有利になる条件とは?

 

自己資金ゼロ、頭金ゼロは危険

 

先程ちらりと紹介したフルローン。この場合は自己資金ゼロ、頭金ゼロ、といった文句を目玉にして営業マンがセールスしていることが多いです。

しかしこういった「最初に用意するお金は必要ない」という触れ回り方のものはおすすめしません。

アパート経営初心者の方は「とにかく早くアパート経営を始めたい!」と思って、自己資金ゼロで始められてしまう方法に魅力を感じるかもしれません。

 

しかし、先に紹介したように、頭金以外にかかってくる初期費用もありますし、何より想定外の大規模修繕などが発生する可能性もあります。

修繕以外にも、物件の上に積もっていた雪が落ちて通行人に怪我をさせてしまい、賠償金が必要になった、なんてこともあるかもしれません。

手元にある程度使えるお金がないままにアパート経営を始めるのは非常に危険です。

 

キャッシュフローだけを考えるのではなく、予想外の出来事が起こった時に対応できるお金も用意しておきましょう。

関連記事:不動産投資を自己資金ゼロで始められる!が危険な理由

 

頭金投入のメリット

ローン審査に通りやすくなる

 

先ほど紹介した通り、金融機関は多くが顧客に頭金の用意を求めており、頭金が必須になっている金融機関が15〜17%もあります。

頭金があれば金融機関からの信用も得やすいことがわかります。

返済額や利息が減る

 

頭金をある程度用意することで、融資額を抑えることができるので月々の返済額が減ります。

月々の返済が無理のない範囲におさまってくれれば、修繕などもしやすく、経営を続けていきやすいでしょう。

金利変動リスク対策になる

 

金利は元金部分にかかってきますので、元金が少なければ少ないほど、金利変動に対してリスクヘッジになります。

今の日本はかなり低金利なので、融資を受けるにはとても良い条件なのですが、金利が変動して高くなってしまう可能性が大いにあるということでもあるんですね。

関連記事:地方銀行で不動産融資を受けるメリットは?

 

頭金投入のデメリット

お金がたまるまでアパート経営ができない

 

「いくらまで貯めたらアパート経営を始めてみよう」というような目標を立てている人は多いと思うのですが、そのお金が貯まるまでアパート経営が始められないのは少しもったいないですよね。

やはり不動産投資は長くやれば長くやるほど利益がでやすいです。

レバレッジ効果が弱まる

 

融資を受けるのは、少ない資金で大きな収益を得るためです。

融資を受けても頭金の割合が多ければレバレッジ効果が弱まるのは当たり前ですよね。

頭金の額が大きければ自己資金回収スピードも下がります。

 

不足の事態も想定した上で、良いバランスで頭金を入れられるといいかと思います。

頭金をどれくらい入れるか、幾つかの選択肢でシミュレーションしてみるといいでしょう。

関連記事:不動産投資の融資で見られる属性について解説

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