地方の築古アパートを中心に、中古戸建て、中古区分マンションなどにも投資をしています。
投資歴は10年を超えました。
今回は不動産売買時に気をつけたいアスベストについて。
私も中古物件を中心に投資を行っていますので、このリスクは常に考えておかなくてはいけないなと思っているものなのですが、特にRC物件を購入するときに注意しなければなりません。
アスベストとは?
アスベストは天然の繊維状の鉱物で、「石綿」とも呼ばれるものです。
特徴としては、安価なのに耐熱性や防音性が高いというところ。酸・アルカリなどの薬品にも強く、腐らず、電気も通しにくく、他の物質とよく密着する等の優れた性質を有しています。
そのため、1960〜1970年代の高度成長期にはほとんどの一戸建てやマンションに建材として使用されていました。(当時は建材だけでなく、電気製品や自動車等にも広く利用されていたそうです。)
建物に使用されているアスベストは吹き付けアスベスト、アスベスト含有保温剤・含有建築材料等があり、屋根や外壁、内装などに使用されていたそうです。
ところが、1975年、アスベストが重大な健康被害を引き起こすことが判明します。(クボタショック)
アスベストを吸い込んだ方が肺がんなどを発症して亡くなった事例が相次いだんですね。
2005年、アスベストを含有する製品を製造していた工場での労働災害の事例が公表され、大きな社会問題となりました。
そこからはアスベストの使用が禁止され、新築する建築物についてはアスベストを利用することはできません。
さらに、現在はアスベストが使われている建築物に対して、使用段階から回収を行う段階、解体する段階まで各種法令で規制が設けられています。
2006年8月以前に建築に着手した建築物にはアスベスト含有建材が使用されている可能性があり、不動産を購入する場合はアスベストが使われている建物ではないかどうか、というのは確認した方が良いポイントとなります。
築20年以上のものは確実に圏内ということになりますので、中古メインで投資をしている方はアスベスト使用建築物はよく見かけるかもしれません。
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アスベストの使用頻度が高い建築物
特にアスベストの使用頻度が高い建築物は鉄骨造(S造)の建物です。
鉄骨造の場合はには鉄骨部の柱や梁などへの耐火被覆が必要になり、アスベスト含有の吹き付け剤が安価だったのでよく使用されていたという経緯があるそうなんですね。
さらに鉄骨造の場合は火災が建物の隙間から上層階へ延焼しないように、層間塞ぎというものがあります。
層間塞ぎは図面や現地を確認しないとなかなか確認することが困難です。
もちろんS造だけでなく、コンクリート造や鉄筋鉄骨コンクリート造などでもアスベストが使用されている可能性もあります。
こういった不動産を購入する時は注意が必要ですね。
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2006年以前に建てられた不動産を購入する時
アスベストの使用の有無については、重要事項説明時に説明する義務がありますが、
これはアスベストの使用調査をしていてアスベストが使用されていると判明した時のみです。
アスベストの調査をしていない場合は、調査をしていない旨を記入するだけで良いことになっています。
つまり中には「アスベスト使用の有無が不明」という物件も存在するわけですね。
2006年以前に建築された鉄骨造や鉄筋コンクリート造の不動産を購入する場合は、アスベスト使用の有無が不明な場合はアスベスト除去費用分を踏まえて指値をするということもできます。
ちなみにアスベスト除去費用の目安は
300㎡以下…2.0万円~8.5万円/㎡
となります。
もしアスベストを使用していた場合はかなりの金額がかかりますので、大幅に指値をしてみるのも検討してもいいかもしれません。もしくは調査を売主に依頼する、とかですね。
2006年以前に建てられた不動産を所有している場合
築古の物件だと、「もうここからリフォームしても入居も見込めないし、建物を解体してしまって、土地として売ろうかな〜」なんていう風に考えていて、
いざ解体を進めようとしたら、なんとアスベスト使用建築物だったので解体費用が2倍以上かかることになってしまった!というような事例も多いです。
こういうことも考えた上で不動産を購入することを考えなければですね。
売却の際はアスベスト調査をしていないことによって大幅な指値をされる可能性があります。
解体するにも費用がかかるし…ということで手詰まりとなることもありますので、やはり購入する段階でアスベスト調査の有無は確認しておいた方が良いですね。
私の場合は中古物件は木造が中心なのであまり心配はないですが、RCや鉄骨を購入検討する時は改めて気をつけなくてはなと思います。
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