不動産売買では大きなお金が動くことになりますから
買い付けの申し込みをしてから「やっぱり考え直したい」となってキャンセルをすることもよくあることです。
しかし申し込みをしてからキャンセルをすると、違約金がかかってしまうこともあります。
今回は不動産売買における申し込み後のキャンセルについて
どの段階でキャンセルをするとどれくらいの違約金がかかるのか、ということを主に解説していきたいと思います。
不動産売買の流れ
まずは不動産売買の流れについて今一度おさらいしておきましょう。
不動産を購入する時の流れとしては
- 物件探し
- 物件資料取り寄せ
- 不動産会社に連絡、現地視察
- 購入申し込み
- 金融機関へ融資審査の申し込み
- 不動産管理会社の決定
- ローン特約付きで売買契約を締結
- 金融機関と融資の契約
- 物件引渡し
というような流れになります。
大きく言うと
- 売買契約の締結
- 物件の引渡し
この二段階で不動産売買は行われ、
一般的に売買契約を結んでから約1ヶ月後くらいに物件の引渡しが行われます。
売買契約の締結では手付金の支払いがありますが、
購入申し込みの時点では特にお金のやりとりはないので、売買契約締結よりも前にキャンセルをするのであれば特にキャンセル料金が発生することはありません。
関連記事:不動産を売却する時、お金はいつ入金される?具体的な流れを解説
売買契約で支払う手付金の意味
不動産売買においてキャンセル料というのは売買契約締結時に支払われる手付金のことを指します。
何事もなく売買が成立した場合は手付金は売買代金に当てられるのでキャンセル料、という考え方があまり浸透していませんが
手付金をキャンセル料として契約を解除することを「手付解除」と言います。
また売買契約を締結する際に、契約が締結したことを証拠付ける証拠金としての役割も担っています。
売買契約締結から実際の物件の引渡しまでは1ヶ月ほど時間が空けられるのが一般的で
内容も大きな金額を取り扱うものですから、売主側も買主側も途中でキャンセルができるような契約内容に通常はなっています。
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手付金の相場
手付金の相場は売買代金の10%〜20%です。
売買契約締結時に購入予定者から売主へと手付金が支払われ、
無事に物件引渡しになる場合は、売買代金から手付金をマイナスした金額を買主が支払うことになります。
もし途中で購入予定者が不動産の購入を自己都合でキャンセルしたいと思った場合は
手付金は返金されませんが、それがキャンセル料となり、売買契約が解除される、ということですね。
逆に売主の個人的な理由で不動産売買をキャンセルする場合は
手付金を倍の値段にして購入予定者に支払わなくてはいけません。
例えば1000万円の不動産の手付金が100万円に設定されていた場合、
売買契約締結時に買主が100万円を支払います。
問題なく物件の引渡しが行われる場合は残りの900万円を支払うわけですが
途中でキャンセルをする場合は、契約解除をする代わりに100万円の手付金は返ってきません。
しかし売主側の都合で契約をキャンセルする場合は
手付金を倍にして返却しなくてはいけないので200万円を購入予定者に支払うことになります。
ただすでに手付金100万円を受け取った状態から200万円を支払う形になるので
実質的には売主が購入予定者に100万円を支払った形となるわけです。
手付解除の期限
キャンセルは物件が引き渡されるまでならいつでもできるというわけではなく、
当事者のどちらか一方が契約の履行に着手していたらキャンセルができなくなります。
契約の履行とは、
売主でいうと所有権移転登記手続きや分筆登記手続き、
買主でいうと中間金の支払 ・残代金の支払などが挙げられます。
しかし履行内容はこれだけに限りませんので
それぞれの契約のおいてどの段階で履行とみなされるのかはきちんと確認した方が良いでしょう。
売買契約で確認しておくべき手付解除の項目
今まで解説してきたことを含めて
売買契約を締結する時にきちんと見ておきたい項目が
- 手付解除を行う時に、買主の都合の場合は手付放棄、売主の都合の場合は手付倍返しになっているかどうか
- 手付解除の期限
の二つの項目です。
後者に関しては、「契約の履行に着手」という文言だけだと
どの行為を契約の履行とするか、というところが曖昧になるため
手付解除の期限を売買契約書に明記するのが一般的です。
不動産売買において売買契約を締結する段階まで行った場合は
「この物件を購入するぞ!」という意思は強いかと思いますが
念のため手付解除の項目にはしっかり目を通しておくようにしましょう。
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ローン特約と手付解除は別物
売買契約はローン特約付きで行います。
ローン特約というのは「もし銀行などの金融機関でローンを組めなかった時に契約を無条件で解除することができる」というものです。
基本的に融資などを利用して不動産を購入する場合は、融資がおりる前提で売買契約を締結します。
しかし蓋を開けてみたら融資がおりなかった、という時は当たり前ですが不動産購入を行うことはできません。
そういった時は手付金は返金され、条件なしに白紙に戻すことができる、というのがローン特約です。
このローン特約と手付解除は似ていますが意味は大きく異なりますので注意が必要です。
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