売買知識

不動産売買契約書に書かれている特約の例は?

不動産売買をする時には売主と買主の間で売買契約書を結びます。

この売買契約書は対象となる不動産の概要や、売買に関する取り決めなどが記載されていますが、

売主と買主の双方の合意の上で、特約という「この売買契約における特別な約束」を記載することもあります。

売買契約書に記載される特約にはどのようなものがあるのでしょうか?

ちなみに前提として、売主と買主、双方の公平性が損なわれるような特約は結ぶことはできません。

売買契約には雛形があるけど、対象不動産によって内容は変わる

不動産売買契約書には雛形はもちろんあるのですが、

不動産というのは色々な個性があるものです。

例えば再建築不可の物件

再建築不可であれば、とても安い金額で購入ができるものの、建物は経年劣化によって段々と価値を失っていき、最終的に取り壊しとなるでしょう。

そうした時にその土地に新しく建物を建てることができない、という物件です。

こういった特殊な条件というのは結構よくあるもので、接道義務を果たしていないとか、水道の配管がお隣さんの私有地を通って引き込まれている…だとか、不動産によって諸問題を抱えているものです。

それらの問題点も全て売買契約書に記載する義務が売主にはありますし、

売買契約書に記載されており、重要事項説明で説明したものに関しては買主も納得して購入するもの、とみなされます。

だからこそ、不動産売買時は売買契約書をしっかりと理解しておく必要があります。

少し硬い文章で書かれているのでわかりにくいですが、一文一文しっかりと目を通して、分からない言葉が出てきたらネットで検索するなどして、理解できるようにしておきましょう。

周りに不動産について詳しい方がいればその方に相談しても良いですし、仲介業者の方に聞いてみても大丈夫です。基本的には丁寧に教えてくださるはずです。

関連記事:不動産買付証明書とは?売買時に知っておきたい基礎知識

よくある特約の内容

それでは、よく売買契約書で見かける特約の内容を見ていきましょう。

特約にも色々なものがあるのですが、その中でも頻出のものをピックアップしてみました。

抵当権抹消特約

不動産を購入する時にローンを組んで購入している場合、不動産に抵当権がつけられます

今のオーナーの抵当権がついている場合は、売主からの代金を受け取り次第、ローンの残代金を返済して抵当権を抹消してもらうのが一般的です。

もし抵当権が抹消されなかった場合に、契約を解約として売主はすでに受け取っているお金を全て返済する、という旨を記載するのが抵当権抹消の特約です。

例文としては以下のようになります。

本契約書第○条の規定にかかわらず、本物件に設定されている抵当権が対象不動産の引き渡し時までに抹消されない場合、本契約は解約とし、売主は受領済みの金員を無利息にて買主に変換するものとする。

関連記事:不動産の抵当権とは?購入や相続で気をつけること

ローン特約

住宅ローンや事業融資などを利用して不動産を購入する場合、ローンの審査の結果を待たずして不動産売買契約を先に締結することが少なからずあります。

そういった場合、売買契約を結んだあとでローン審査が通らないことがわかった、ということがあり得ます。

ローン審査が通らなかった場合は全てを白紙解除とする、ということを記すのがローン特約です。

この場合は手付金もきちんと返金されます。

関連記事:手付金を支払った不動産、キャンセルしたら戻ってくるの?

瑕疵担保責任免責特約

特に築古不動産なんかの場合は、建物が老朽化しており、色々なところに不具合が出ていることがあります。

通常、事前に知らされていないもので購入後に発見された瑕疵(かし。建物の損壊)については売主が責任を負って修繕費用などを出しますが、

この瑕疵担保責任免責の特約がついている場合は、不動産を現状のまま引き渡し、どのような不具合があっても売主は責任を負わない、とすることができます。

築古物件の場合はよくつけられる特約です。

不動産を購入する側の場合は、これはしっかり把握しておきたい特約ですね。

関連記事:瑕疵担保責任免責の中古物件はやばい!?どんなリスクがあるのか

引き渡し日に関する特約

通常は売買契約を結んでから1ヶ月半程度で引き渡しをするのが一般的ですが、

自分自身がまだ住んでいる、などの理由ですぐに引き渡しができない場合があります。

そういった場合は引き渡し日を売買契約書に明記し、引き渡し日をすぎた場合、定められた違約金を支払う旨を記載します。

関連記事:オーナーチェンジの時、敷金はどうなるの?

重要事項説明はしっかり聞いておこう

不動産売買契約書の特に特約の部分は不動産や売主(あるいは買主)の都合によってかなり内容が変わる部分です。

またそれぞれの不動産の特性によっても契約書の内容がかなり変わる部分があります。

書面を見ながらの説明になるので、なんとなくザーッと聞き流してしまうところもあるかもしれませんが、

ここはしっかりと集中して、一言一句聞き逃さないように聞いておくようにしましょう。

また契約書の内容もしっかりと読むようにしたほうが良いです。

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