不動産投資の基礎知識

賃貸の平均居住年数の傾向と、長期入居促進の方法

賃貸物件を扱うオーナーとしては、入居者がどれくらいの期間物件に住んでくれるか、ということはとても重要なことですよね。

 

せっかく入居付けがうまくいっても、

長く住んでくれない入居者ばかりだとなかなか家賃収入も安定しないものです。

 

もちろん賃貸需要が高い地域の物件であれば、空室になってもすぐに次の入居者が見つかるでしょうから

そこまでナーバスになりすぎなくてもいいと思いますが、

それでも平均居住年数を考えて、事業計画を立てて行くことは賃貸経営をする上でとても大切なことです。

 

今回は平均居住年数の傾向と、入居者に長く住んでもらうためにできる工夫について書いていきたいと思います。

 

ターゲットによって変わる平均居住年数

 

物件がどれくらいの規模で、お部屋がどれくらいの広さなのか、どういう入居者をターゲットとしているのかによっても平均居住年数の考え方は変わってきます。

 

ターゲットとなる入居者の層別に平均居住年数を紹介していきます。

 

学生

 

学生の場合はだいたい全体の8割以上が平均居住年数2年〜4年です。

ほとんどの場合が大学を卒業するまで賃貸物件に単身で入居する、という形ですね。

 

つまり大学の近くの1Kなどは学生向けの物件になるでしょうから、平均居住年数は2年〜4年と考えた方が良いです。

 

キャンパスが複数あるような大学の場合は卒業する前に引っ越しをしてしまう学生もいますし、

逆に医学・薬学系の大学の場合は6年制の大学も多いですから、平均居住年数が少し伸びる傾向があります。

 

平均居住年数は短いですが、大学が近くにあれば賃貸需要も安定してある、と考えられるでしょう。

管理をお願いしている不動産会社に頼んで、大学の学生課などに物件を紹介してもらうように頼んでもらう、などしてみるのもいいと思います。

 

ただ大学も必ずずっとそこにあり続ける、というわけでなく

大学そのものがなくなってしまうリスクもなくはないので、注意が必要です。

関連記事:アパート経営で満室にするための方法を紹介

 

単身者

 

単身者の場合は約6割が平均居住年数2年〜4年、

また約2割が4年〜6年です。

 

決して平均居住年数が長いとは言い難いですが、単身者向けの賃貸物件は高利回りの物件が多く、

うまく経営して行くことができれば一番儲けを出しやすい物件とも言えるでしょう。

 

単身者向けということで、家賃滞納や夜逃げなどのリスクもありますが

自己資金が少ないケースでも始めやすいのが単身者向け賃貸物件です。

関連記事:アパート経営を1棟4戸から始めるメリット

 

ファミリー

 

ファミリー層の場合は約6割以上が平均居住年数が4〜6年。

さらに1.5割以上が平均居住年数6年以上という数字が出ています。

 

やはり家族づれとなると子供の学校などの関係もあって、短い年数で引越しをしてしまう、というパターンは少なくなってきますね。

 

ただやはり単身者向けの賃貸物件の方が利回りが良い物件が多く

2LDK以上の間取りで利回りが良い物件というのはなかなかありません。

 

逆に中古の戸建とかはいいもしれませんね。

戸建の場合は賃貸の平均居住年数は6年と言われています。

地方の中古物件なら利回りの良い物件も多いです。

関連記事:築古アパートの6つの出口戦略

 

高齢者

 

日本ではどんどん高齢者が多くなっていっていますが、

やはり引越しをするのもある程度の年代になってくると面倒ですし、平均居住年数はぐっと上がって、

65歳以上の高齢者は6.5割近くが6年以上になってきます。

 

ただ最近は孤独死なども社会問題化しており、

死後、時間が経ちすぎていると事故物件になってしまったり特殊クリーニングが必要になったりしますから

リスクは大きいです。

 

ただ家賃保証をしてくれる保険や、特殊クリーニングが必要になった時の見舞金が出るような保険もありますから

そういった保険も検討してみると良いかもしれません。

関連記事:事故物件のクリーニングはどんなことをやる?費用はいくらくらい?

 

平均居住年数を長くするためにできる事

 

入居者への対応を迅速に

 

やはり入居者の方に信頼してもらう、良い印象を持ってもらう、というのは大切なことだと思います。

 

もちろん不動産投資はあくまで投資で慈善事業ではないですから

何でもかんでも入居者の言うことを聞くわけにはいきませんが

それでも入居者からのクレームなどにはなるべく迅速に対応する、などの誠意を見せることは大切でしょう。

関連記事:大家が家賃を値上げするタイミング、妥当な条件とは。

 

保証会社を通らない人は入居させない

 

保証人がいるからといって、保証会社を通らない人を入居させるのはやはりリスクがあります。

 

生活がある程度は安定していないと、部屋を汚されたり

家賃滞納などのトラブルのリスクもありますから、保証会社を通すのを必須にした方が居住年数は長くなりやすいでしょう。

 

長く住んでもらうために、そもそも入居する人をある程度精査する、と言うことも大切です。

 

短期解約違約金

 

オーナーによっては短期解約違約金を設けているところもあります。

 

1年未満の退去は、違約金1ヶ月、というような賃貸借契約を結んでおくことによって

本当に短い期間で退去してしまう、ということは防ぐことができるでしょう。

 

オーナーは入居付けをすることも大事ですが、

一度入った入居者に長く住んでもらうために、退去させないよう努力する、ということも大事です。

関連記事:不動産投資の利回りの最低ラインはどうやって判断する?

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