売買知識

軍用地に投資するデメリットについて解説

不動産投資の一つの手段として「軍用地に投資する」というものがあります。

実はとても人気の投資方法なんですね。

 

ですが軍用地投資にも全くリスクがない、というわけではありません。

投資ですからリスクはつきものです。

 

今回はこの軍用地への投資について、メリットをおさらいつつ、そのデメリットについて解説していきたいと思います。

 

軍用地は持つことができる

 

そもそも軍用地を売買することができる、ということを知らない方もいるでしょう。私の周りの投資家さんたちの中には「軍用地に投資することができるの?」と、全く知らない方もたくさんいらっしゃいます。

 

軍用地、というのは簡単に言うと、米軍基地、もしくは自衛隊基地として使用されている土地のことを指します。

 

もともとこういった土地は個人所有の土地だったのですが、それを国が強制的に借地にした土地になります。

その上で米軍基地や自衛隊基地として提供している、という形ですね。嘉手納基地とかね。

 

土地の所有者には国から借地料が支払われます。

また、その借地料は年々増え続けています。

 

軍用地の借地料は一般的な不動産とは少し異なります。

国の防衛施設局沖縄県軍用地主連合会とで協議され、借地料が決まります。

 

借地単価に土地の面積をかけたものが年間の借地料となり、

毎年8月に借地料の支払いが行われます。

 

また12月に借地料の値上がり額が決まるので、値上がり分の借地料が翌年の1月か2月に支払われます。

 

つまり借地料の支払いは年に2回、ということです。ここが一般的なアパート、区分、戸建等への投資と異なる点ですね。

関連記事:不動産投資で年金代わりに収益を!気をつけるポイントは?

 

軍用地に投資するメリットはたくさん

 

不動産投資家の間では軍用地への投資はとても人気なんです。

軍用地へ投資することのメリットについて、説明していきます。

 

確実で安定した収入になる

 

通常の不動産と違い、軍用地の場合は借主が国、ということになります。

 

なので空室や家賃滞納などのリスクがなく、毎年確実な収入を得ることができる、というのが

他の不動産に比べて軍用地に人気がある最大の理由なのではないかと思います。

 

アパートの場合だと、戸数が少ない場合、例えば4戸程度の場合は「空室時のリスクが高いから返済期間を長めにしておこう」となりますよね。

しかし、軍用地への投資の場合は滞納リスクや空室リスクがないので、ある程度収入の見通しが利くということです。

つまり、低いリスクの中で投資をすることができるのです。

確実に手に入る賃料ですから。

余計なコストがかからない

 

一般的な不動産と違い、不動産管理会社などの第三者を通さないので、

手数料なども払う必要がなく、余計なコストがかかりません。

 

また修繕費や広告費などもかからないので、投資の際のシミュレーションもしやすいと言えるでしょう。

一般的に投資と言えば、「木造アパート」を想像する人が多いかと思います。しかし、木造アパートでは築30年程度経過すると、配管や外壁、屋根をはじめとして、大きな修繕費用がかかってきます。

特に北海道や東北、北陸などの一部豪雪地帯などの場合はさらに劣化が早いこともあり、多額の修繕費用がかかることも多いです。

その点、軍用地であれば、「土地を持っているだけで入ってくる」ので余計なコストはかかりませんよね。

 

景気にあまり左右されない

 

軍用地の借地料ですが、過去30年間では値上がりし続けています。

 

マンション経営などに比べると利回りは少し低くなり、大体年に2%〜3%ほどで少なく感じるかと思いますが、

長期的に保有するのであれば、ゆっくりでも着実に収益をあげられるものだと言えるでしょう。

イメージ的には債券のような感じですね。利回り的にも。

一般的な木造アパート、RC等の物件に言えることですが、景気に大きく左右されます。それは売買金額的にも、入居者の家賃に関しても言えることです。

軍用地であれば、国から一定の金額がもらえることになっていますから、安心ではありますよね。

売りやすい

 

軍用地はとても人気が高く常に需要がある土地なので、

他の不動産を運用するために急に現金が必要になった、というような場合でも

売りに出した時にすぐに買い手がつくでしょう。

 

そういった意味でも、余剰資金があるのであれば軍用地へ投資しておく、というのは良い方法ですよね。

換金性が高く、ポートフォリオの一部として組み入れても良いのではないでしょうか。

沖縄県では、「軍用地ローン」というものが実際に存在しており、

返済期間

施設によりそれぞれ10年・15年・20年・25年の期間以内

引用:沖縄銀行HPより

25年までの返済期間でローンを組むことができます。売りやすいというのは良い点ですよね。

固定資産税が安い

 

軍用地は一般的な土地と比べて相続財産評価額の評価が低い土地になります。

さらに借地なので、約40%評価額からマイナスされるんですね。2%程度の利回りであれば、やはりある程度の大きさの土地を買うことになります。

そこに対して多額の固定資産税がかかってくると、利回りがさらに悪化しますからね。

借地権が付いているため固定資産税が安く、相続税対策にも有効です。

関連記事:減価償却は耐用年数を超えた場合でもできる!その計算方法は?

 

軍用地に投資するデメリットとは?

 

軍用地への投資はメリットがたくさんあるので

早速軍用地へ投資をはじめてみようかな!と思う方もいらっしゃると思いますが、

実はデメリットも少なからずあります。

 

軍用地への投資のデメリットについて解説してきましょう。

 

月ごとの収入が得られない

 

一般的な不動産の家賃収入と違い、軍用地の場合は年間で借地料が支払われるため

毎月の収益を上げることはできません。

 

もちろん損をする、というわけではないですが、

毎月不動産収入を得たい、という場合は不向きです。

退職後、退職金で投資をするという方が多く、そういった人には「毎月分配型の投資信託」が人気だったりしますよね。

世間のニーズとしては「毎月分配」だと思うので、その点、軍用地は難しいですね。

 

軍用地が返還されるかもしれない

 

所有している軍用地が自衛隊のものだったり、那覇空港の土地だったりすれば返還される、ということはまずないと考えて良いですが

米軍基地の土地だった場合、土地が返還されるリスクがあります。

 

土地が返還されてしまえば軍用地ではなくなってしまうので、ただの土地に戻ってしまうんですね。

 

さらにその土地が返還されてただの土地になり、

もしアクセスが悪い場所だったり、建物を建てるのに不向きな場所だったりした場合は

土地を売りに出しても買い手がつかない、というリスクもあります。

基地としての用途がなければ、「何の使い道もない土地」という可能性もありますからね。

ただ、利回りに関しても、「変換リスクの低い土地(低い)→変換リスクの高い土地(高い)」と差がついているので考え方次第です。

沖縄基地は米国にとっても、地政学的に非常に重要な地域であり、実際には、今後も手放すとは考えにくいです。

 

ローンで購入すると損をする可能性がある

 

ローンで軍用地を購入する場合、

軍用地は利回り平均が2%〜3%と低いため、金利の方が高くついてしまう、というデメリットがあります。

 

そのため、余剰資金が豊富にあって、

自己資金で購入することができる場合でないと、軍用地への投資は損になってしまう可能性があるんですね。

人気すぎて買えない

 

軍用地は比較的安定した投資商品になるので、

人気すぎて買えない、ということが多いです。

 

知識がしっかりない場合は相場よりも高い値段で買わされることもありますが

スピード感がないとすぐに売れてしまうため、しっかりと購入を検討する時間がとれない、というのがデメリットになってきます。

 

メリットの多い軍用地への投資ですが、

しっかりと不動産投資の知識を身につけ、ある程度投資経験を積み、デメリットも理解した上で投資を始めることをおすすめします。

関連記事:収益物件の事業計画書を作る時のポイント

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