不動産投資を行う時に大切なのが収支計算を自分でしっかりと行う、ということです。
不動産業者の営業マンから渡された収支シミュレーションの内容をそのまま鵜呑みにしてしまう方がたまにいらっしゃるんですが、
家賃設定が実際の相場よりも高くなっていたり、そもそも利回り計算で出ている数字が合っていなかったり…と、巧妙に数字が変えられていることもよくあります。
資料として数字が並んだものが出てきたからそれで安心、ではないんですね。
きちんと自分で収支計算はし直してみましょう。
今回は、収支計算をする時にどのような項目を盛り込めばいいのか、ということについて解説していきたいと思います。
収入
基本的に収入は家賃収入が主になります。
周辺の家賃相場をしっかり調べた上で家賃設定を考えていきましょう。
シミュレーションではなるべく現実的な数字を把握するために空室率なども加味します。
また築年数とともに家賃も下がっていくことが予想されますので家賃下落率も加味しましょう。
支出
物件価格
物件の購入金額は正確に把握しておきましょう。
なかなか稀な例だとは思いますが、実際に話し合っていた金額と売買契約書の金額が違ったという例がありました。
なんだかんだと言いくるめられてしまって売買契約の段階になったら金額が上乗せされていたというのです。
しっかり不動産投資をしようという方の場合はこういったことはないと思いますが、自分が契約を交わすものに関しては金額をしっかりと把握しておくようにしましょう。
税金
物件を購入したり所有し続けることによってかかってくる税金があります。
印紙税
物件を購入する時に不動産売買契約書や、ローンを組む際に金銭消費貸借契約書といった文書を作成します。
こういった文書は収入印紙を貼り付けして印紙税を納税する義務があります。
売買契約書などになってくると金額も高いので、印紙税も馬鹿になりません。
不動産取得税
不動産を購入する時に一度だけかかってくる税金です。
固定資産税評価額の4%が課税されますのでこちらも物件の価格が大きくなればなるほど大きな金額になっていきます。
物件購入から半年以上後に納税通知書が届きますので、忘れた頃にやってくる税金なんですね。
しっかりと不動産取得税用の金額を分けておかないと、思わぬ出費となってキャッシュが苦しくなる場合があります。
固定資産税と都市計画税
固定資産税と都市計画税は物件を所有している限り毎年かかってくる費用です。
物件を購入する際は日割り計算をして売主と買主で分担します。
こちらも収支計算にはしっかりと組み込んでおきたい内容です。
仲介手数料
物件を購入する際に仲介業者に支払う仲介手数料も支出になります。
仲介業者によって内容が異なる場合はありますが、物件価格×3%プラス6万円を上限とするのが一般的です。
管理費
管理会社で管理をお願いする場合は家賃収入の何パーセントという形で管理費がかかってくると思います。
基本的には管理費は家賃収入の5%となっているところが多いかと思いますのでこの数字で計算してみてください。
修繕費
修繕費は具体的に将来いくらかかってくるかというのは分からないものですが、物件を所有していく上では考えなくてはいけない支出です。
物件の規模にもよりますが4戸から6戸の木造アパートであれば、10年間で100万円程度の大規模修繕費を最低でも用意しておいた方が良いと思います。
またそれとは別に、退去があった時には必ず原状回復費用などもかかりますので年間家賃収入の5%程度は修繕費として計算しておくと良いのではないかと思います。
関連記事:アパートの修繕費目安、項目ごとに知っておきたい予算
シミュレーターを使ってみよう
不動産投資における収支決算について収支項目を簡単に説明してみましたが、実際にこれらを全て自分で計算するとなると大変なので、インターネット上で利用することができるシミュレーターなどを利用してみると良いと思います。
不動産連合隊や楽待でシミュレーターが公開されていますので、項目ごとに数字を埋めていくとキャッシュフロー計算をしてくれるようになっています。
特に営業を受けて不動産を購入しようか検討している方は、貰っているシミュレーション表だけでなくこういったシミュレーターを使って自分で計算をしてみるということを必ずおこなってください。
そしてどれくらい金額がかけ離れているのかということを確かめてみます。
あまりにも金額がかけ離れていたり考えられていない支出項目などがあるときは注意が必要です。
こういったシミュレーターではローンの計算などもできるようになっているものが多いです。
営業マンが提案してくるシミュレーションの中には無理な繰り上げ返済などが含まれているものなどもありますので、ローンの返済の仕方などにも注意してみましょう。