不動産投資の基礎知識

第一種低層住居専用地域とは?不動産投資家目線でその特徴を解説

不動産投資のことについて学んでいると、用途地域という言葉に出会うと思います。

全13種類ある用地地域のうち、自分の所有している物件、あるいは購入を検討している物件がどの用途地域に属しているものなのか、把握していますでしょうか?

なかなか用途地域を調べて、それを参考に物件の購入を検討する、という人はいないかと思いますが、

用途地域についての知識を持っているだけで、なんとなくその地域のイメージを持つことができるので、知っておいても良いことかなと思っています。

今回はこの用途地域の中でも、第一種低層住居専用地域について、

不動産投資家目線でその特徴を解説してみたいと思います。

用途地域と第一種低層住居専用地域の位置付け

用途地域は全部で13種類。

その中で、第一種低層住居専用地域は、一番規制が多く、低層住宅のための地域、という位置付けになっています。

  • 第一種低層住居専用地域
  • 第二種低層住居専用地域
  • 第一種中高層住居専用地域
  • 第二種中高層住居専用地域
  • 第一種住居地域
  • 第二種住居地域
  • 準住居地域
  • 田園住居地域
  • 近隣商業地域
  • 商業地域
  • 準工業地域
  • 工業地域
  • 工業専用地域

第一種低層住居専用地域は「一低層(いっていそう)」と略して呼ばれることもある地域です。

建てられる建物としては、

  • 戸建て・マンション
  • 店舗兼住宅・事務所兼住宅(一定規模以下)
  • 幼稚園・小学校・中学校・高等学校
  • 図書館
  • 神社・寺院・教会
  • 老人ホーム・身体障害者福祉ホーム
  • 保育所・公衆浴場・診療所
  • 老人福祉センター・児童厚生施設
  • 巡査派出所(交番)・公衆電話ボックス

建ぺい率や容積率についても制限がかなり厳しくあります。

この用途地域に関しては1968年(昭和43年)にできたもので、

当たり前ですがこれよりも前に建てられた建物などもたくさんありますので、それらは今の法には不適格、という形でも、そのまま建物は残っています。

再建築不可物件と同じように、現状の法律には適合していないので、もし取り壊して再建する場合は、今の用途地域のルールに沿った建て直しが必要になります。

関連記事:不動産投資をする時に知っておきたい用途地域について

建物に対して土地がしっかりあり、賃貸の場合収益性は悪い

容積率や建ぺい率に大きな制限がある第一種低層住居専用地域では、

収益性の高い規模の大きなマンションやアパートの建設ができません。

ぜひ実際に第一種低層住居専用地域を歩いてみて頂ければと思うのですが、

高さが低い、ほとんど1階建て、あるいは2階建ての建物が並んでいる地域になります。

つまり不動産投資家目線で見ると、「雰囲気はよくても、収益性の高い建物はない地域」という感じです。

場所としては緑も多く、空も広く見えるところが多いので、

歩いている分にはとても気持ちの良いエリアですね。

こういったエリアは治安も良いので、この第一種低層住居専用地域の近くの物件、とかなら雰囲気の良いところが多いかも?と推察できると思います。

関連記事:アパートを建てるための土地の広さはどれくらい必要?

高級住宅街であり、生活には不便

第一種低層住宅専用地域は高級住宅街です。

ただ、住居専用の地域で、どうしても生活の利便性を考えるとイマイチだと言わざるを得ないでしょう。

先述した通り、建てられる建物にも制限があり、

住居以外で建てられるのは、

  • 神社
  • 保育園
  • 図書館

などで、飲食店などの店舗は建てられない地域です。

大学は建てられないので、学生向けの物件ももちろんこの地域にはありません。

飲食店などのお店が建てられないのは、閑静な雰囲気を壊さないためで、

24時間営業のコンビニなどももちろんダメです。

24時間営業だとどうしても夜中に若者がたむろしてしまうなどの可能性が出てくるからなんですね。

こういったエリアは駅からも少し遠い場所にあります。

生活には不便であろう地域でも、高級住宅街として人が集まるのは、

単純に高級住宅に住む方はそういった利便性をあまり気にしない、ということなのだと思います。

移動の際は自分の車を使ったり、タクシーを呼んだりすればいい、というわけですね。

ターゲットはファミリー・富裕層

ということで、この第一種低層住居専用地域というのはなかなかに不動産投資には不向きな土地です。

もしもこのエリアで不動産投資をするのであれば、ファミリーや富裕層がターゲット層になると考えて良いでしょう。

物件も戸建て賃貸がメインになるかと思います。

ただ、戸建ての場合は一度契約をしてもらえれば、平均居住年数が長い、という特徴があり、小規模なので管理の手間もあまりかからずに投資ができるかもしれません。

戸建て住宅を自分の居住用と賃貸用に分けて戸建て賃貸経営を行う、賃貸併用住宅経営と言うやり方もあります。

関連記事:賃貸併用住宅とは?その特徴と実際に住んで感じたこと

用途地域はその用途によって街の顔が大きく変わります。

ネットで簡単にそのエリアの用途地域を調べることができるので、ぜひお散歩の際、用途地域も気にしながら歩いてみてください。

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