地方の築古アパートを中心に、中古の戸建てや区分マンションにも投資をしています。
投資歴は10年を超えました。
今回は増築部分が未登記になっている物件について。
ネットで新着物件を探していて、「お!これは安いかも!?」と思った物件をよくよく見てみると、
増築部が未登記の訳あり物件だった…ということがちょくちょくあります。
今回はこの増築部分未登記の物件について、解説してみたいと思います。
増築部分未登記の物件とは?
増築された部分が未登記になっている物件とは、どういうものなのかというと、
- 増築部分を誰が所有しているか、ということが国に届けられていない
- 誰の所有物なのか、はっきりしていない可能性がある
- 後で誰かが、増築部分は自分のものだ、と言ってくる可能性がある
というものになります。
このようなリスクがあるまま不動産を購入するのは不安ですよね。
現在の法律では増築した時に国に届ける義務があるのですが、これを知らずにやっていない物件というのは結構あります。
中古物件の中でも特に築古の物件に関してはそういった物件も多いのです。
増築工事の一例としては、以下のようなものが挙げられます。
- 平家を2階建にした
- リビングを広げた
- サンルームを作った
- 屋根裏を改装して部屋にした
- ロフトを作った
- 離れを建築した
- しっかりとした物置を作った
しっかりとした物置を作っただけで登記が必要になるの?という疑問を持たれる方もいらっしゃるでしょう。
実は、私は購入を検討している物件の物置が登記されていない、というケースに出くわしたことがあります。
金融機関に融資のお願いをしたところ、物置部分が未登記になっているため、融資をするのであればここ登記してからにして欲しい、というお願いをされたんですね。
結局この物件に関しては、登記をすると容積率オーバーになってしまうとかで更に問題が出てくるので、未登記部分を登記して購入…とまではいきませんでした。
良い感じの中古物件だったのですが残念です。
全ての物置に当てはまるわけではないのですが、基礎を作ってしっかりした物置を建てた場合は増築とみなされ、登記が必要になります。
物置を建てた頃、それに登記が必要という認識が所有者になかったのかもしれないですよね。
ちなみに所有物件で物置を交換することになって結構な出費がありました…物置って結構厄介ですね〜
関連記事:【実録】物置の設置費用…不動産投資はまさかの出費が出る
増築登記を行わないリスク
増築後に登記が必要なケースなのに登記を行わないでいると出てくるリスクについて解説してみたいと思います。
売却しにくい
まさに私のように、未登記部分があることによって購入をするのをやめてしまう、という人がいます。
所有権が明示されていない部分があることによって、購入する時も、購入手続きがスムーズに進まない、ということがあるのできちんと登記がされているかどうか、ということを確認した上で売却を進めた方が良いでしょう。
未登記部分がある場合は登記を行ってからの売却とした方が良いです。
関連記事:買主から「自分で登記する」と言われました…そのリスクは?
ローンを組めない
これもまさに私が経験したことですね。
金融機関から「登記をきちんと行ってくれないと、融資できません」という回答がきたので、結局物件購入をやめてしまいました。
これは、金融機関が担保価値を適切に把握できなくなるため、と考えられます。
物件を担保にしてお金を借りるということは、つまり返済が滞った場合、金融機関は物件を差し押さえて貸した分のお金を補填します。
そのため、しっかりと担保に担保価値がないといけないのです。
もし返済が滞った時、差し押さえられるものがないと金融機関はお金は貸してくれないんですよね。
関連記事:アパートローンが払えない!どうなるの?
相続手続きが煩雑になる
増築部分の登記を行ってない場合はその部分の所有権が誰にあるのか、ということが不明瞭なため相続をする時にトラブルになりやすいです。
所有権が誰にあるのか明確でない場合は、後から「私が所有者です」と言ってくる人が現れる可能性もある、ということなんですね。
つまり相続のことを考えても、未登記部分がある場合は早めに登記を済ませた方が良いのです。
関連記事:違法建築の不動産、相続しても大丈夫?
増築未登記物件の対応
増築部分が未登記になっている物件を売却することを考えている時は、買主を見つけやすくするためにもなるべく未登記部分を登記してから売却するようにしたほうが良いです。
私も不動産を探している時、こういった条件付きの物件はどうしても選択肢から外れてしまったりすることが多いと感じます。
また、増築部分が未登記になっている物件を購入することを考えている時は、未登記部分があることを理由に指値をする、ということも可能です。
もちろんどれくらい指値を飲んでもらえるか、というのは売主次第ではありますが、未登記部分が理由で長く売れていない物件だったりすると交渉しやすい、というのはありますね。