競売(けいばい)物件という一般的な不動産売買とは違う方法で不動産を購入することによって、通常の価格よりも安く不動産を手に入れる方法があります。
住居だけでなく山間部の土地や、ホテルや旅館といった不動産が競売に出されていることもあります。
ある程度不動産投資の知識がある方は競売でホテルを購入して不動産投資をするという方法に興味を持つ方も入るでしょう。
今回は競売物件でホテルを落札するという不動産投資方法についてお話ししてみたいと思います。
競売物件とは
競売物件とは金融機関にローンなどでお金を借りていた人が、何らかの事情で返済が滞ってしまい、差し押さえられてしまった担保不動産がオークション形式で売りに出されているものです。
競売の仕切りは裁判所が行いますが、売主不在の不動産として扱われますので不動産仲介業者などが関与することはありません。(不動産業者が競売物件を扱っているということもありますが)
そのため基本的には物件を落札したら、買主側でその後のことを全てやらなくてはいけなくなります。
お金を返せなくなった人が物件を差し押さえられているわけですから、前の所有者が居座りをしていて出て行ってくれないということもよくあります。
その場合は強制退去の手続きをとることになりますが、これらの手続きややり取りも全て落札をした人がやらなくてはいけないのです。
競売物件は通常の物件価格の約6割から7割程度の金額で入手することができるのが魅力的ですが、リスクも高く、思っているよりも手間や費用がかかってしまうことが少なくありません。
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競売物件の種類
競売物件はその性質上、多くが戸建て物件となります。
住宅ローンを支払うことができなくなった人の物件が差し押さえられて競売物件として売り出されているということです。
しかし金融機関にお金を借りている人は住宅ローン以外の用途でもたくさんいます。
不動産投資ローンを借りている方もいますし事業用のローンを借りている方もいます。
様々な理由でお金を借りている人がいるので、競売に出ている不動産もバラエティ豊かになります。
数が多いわけではありませんがホテルや旅館といった不動産も売りに出ているというわけです。
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ホテル投資はどんな感じ?
では次にホテル投資は投資として良いのかどうかということについて考えてみましょう。
まずホテルを購入する場合は営業を停止してしまっているホテルではなく、いまだに営業を続けているホテルをそのまま購入するというのが理想です。
営業を続けているホテルの方がそのまま営業引き継ぐことができるので、営業停止してしまっているホテルに比べると修繕費を抑えることができるというのももちろんありますが、
一番大切な所は各種の許認可の継続手続きを新旧所有者が協力して行うことでスムーズに営業を続けることができるからです。
しかし競売物件となると元々の所有者が債権者であることが大半で、営業をしているホテルをそのまま購入して営業し続けるということはなかなか難しい面があります。
ホテルがある管轄の役所によって対応の差もあるかもしれませんが、競売によって旧所有者が営業継続することが可能になっていることを疎明することができれば新所有者単独で許認可の申請をすることもできます。
まずはホテルを営業するのに必要な許可などの確認から始めていきましょう。
それらの許可申請が100%下りるわけではありませんので、どれくらい許可申請が難しいのか、ということはあらかじめ予想をつけたいところです。
ホテルや旅館というのは一般的な不動産とは違い利回りが非常に高いことがメリットです。
表面利回りで言うと20%以上が当たり前というような世界で、下手に土地活用でトランクルームや駐車場をやるよりも利益が出やすいです。
需要が見込めるかどうか、というところだけではないでしょうか。
競売物件はインターネットでも簡単に調べることができますので、大体この辺りのエリアでホテルが欲しいというところに見当をつけておき、毎日情報をチェックするのがおすすめです。
需要を見込めるホテルの場合は競売に出た途端に入札が殺到するでしょう。
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競売物件を選ぶ時の注意点
落札取り消しはできない
競売物件を落札した場合、落札の取り消しを行うことはできません。
指定された日付までに入金を行うことができない場合ペナルティを負うことになりますので、きちんと入金をすることができる金額で入札するようにしましょう。
土地の値段を考える
ホテルや旅館が競売にかけられている場合は地方のなかなか需要が見込みづらい施設であることが多いです。
ホテルや旅館として投資し続けるのではなく、売却をした時にきちんと買い手がつくか?土地をまっさらにした状態で、評価額はいくらなのか?ということを調べておくようにしましょう。
ある程度資金力が必要
競売の場合はローン特約などをつけることができませんので基本的には現金での支払いになります。
ローンが降りなくても支払いをしなくてはいけません。
さらに最初は修繕などで大きな費用がかかってくることが予想されます。
旅館の場合は温泉代も高くつくことが多いです。
田舎の温泉街だと温泉を共同で利用することになりますが、全く受け付けていないというような排他的な地方もありますし、共同源泉で温泉を引くことになっても初期費用がものすごく高くなってしまいます。
年間の温泉代も毎分何リットルでいくら、という形で金額が決められており、ランニングコストがかかってくるのです。
これらは競売資料に書かれていることも多いのできちんと調べておくようにしましょう。
現地は必ず見にいくこと
インターネットで簡単に調べることはできますが、内見をすることはできないので必ず現地を見に行くようにします。
現地に行ってみたら駐車場に超高級車が停まっていて、どうもヤクザ絡み…みたいなこともあります。
きちんとを運んで己の目で確かめるということも大切です。