地方の中古アパートを中心に不動産投資を行っています。
新しく購入できる物件はないかな?と常に探しているのですが、東北エリアで築29年の良さげなアパートがありました。
なんだか相場より安い!と思ったのですが、よくよく見てみると建ぺい率オーバーしていたんですよね。
物件スペック
- エリア…東北エリア
- 築年数…29年
- 戸数…8戸(満室)
- 値段…2400万円(本来2800万円くらいで売れそうなスペック)
- 利回り…18%
うーん、数字だけ見るとやっぱりかなり魅力的なアパートです。
エリアとしても県庁所在地の駅から徒歩17分で、付近にホテルなどもあり、割と発展しているところです。
私自身近くまで行ったことがありますが、地方にありがちな、駅より少し離れたところが栄えているパターンのエリアで、申し分ありません。
この物件情報を見つけた時は「おっ!」となりましたね。
建ぺい率オーバーでは融資が引けない
ただこのアパートの問題点は建ぺい率がオーバーしている、ということでした。
物件情報を見ているとこういう情報が小さく書いてあったりしますので、細かく見ていく必要がありますね。
建ぺい率オーバーは、この土地にはこれくらいの大きさの建物しか建てちゃダメですよ、という法律を無視して、規定されているサイズよりも大きい建物が建っているという意味です。
昔は今ほどチェックが厳しくなく、
こういう建物を建てます
と申請してOKをもらった後に、予定よりも大きな建物を建ててしまう、みたいなやり方もよくされていて、最初から建築基準法に則ってない違法建築の建物を建ててしまうようなケースもよくありました。
今はチェックも厳しくなり、そういった建物は建てられません。申請した内容と、実際に建てられた建物とが同じものか、という建築後のチェックも入りますからね。
それから、既存不適格建築物と言って、建物が建てられた時点では法律を遵守していたけれど、その後法律が変わってしまい、今の法律には合わない建物になってしまっている、という場合もあります。
中古物件の場合はこういう物件は結構ありますね。
どちらにせよ、現状の法律に合っていない不動産は建ぺい率オーバー物件ということになり、銀行からの融資が引きづらくなります。
自分が購入する時は現金で購入するという方法もありますが、売却する時が困るんですよね。
買い手が現金購入できる人に限られるので、流動性が低くなります。現金で2000万円以上出せるのは、ほとんどが法人でしょう。
法人でもできれば融資で不動産を買いたいところがほとんどだと思います。
そうなると売却したいと思ってもなかなか買い手が見つからない、という状態になりそうで、リスクは高いですね。
関連記事:【初心者向け】不動産投資をする際の融資に関する用語
築年数について
築年数が29年なので、10年所有したとしたら築39年。その築年数で建ぺい率オーバーの物件だと、やはり買い手が見つからないような気もします。
これが築年数19年なら、10年所有して築29年で、現金出しても買ってくれる方もいそうな気がするんですけどね。
もし買い手が見つからなかった時は、建物を解体してしまって土地として売却するという方法もありますが、8戸あるアパートを解体するとなると安くても500万円以上はかかるでしょう。
やはり、そういった目線で考えても物件を手放す時に苦労しそうだなと思います。
建ぺい率オーバーというのはなかなか厄介ですね。
関連記事:違法建築と分かった上で賃貸してもいいの?
売却時のことを考えて購入する
中古物件を購入する時は、何年くらい所有して、どれくらいの金額で売れればいいか、ということも考えた方が良いです。
購入する時に、「売る時にネックになることは何か」ということが考えられると、物件を選びやすくなるかなと思いますね。
利回りや立地、価格を見て「いいな!」と思った物件でも、建ぺい率や容積率オーバーの違法建築だったり、再建築不可だったり、離れたところにある謎の土地がくっついていたり、と相場より安い物件には何かしらの理由があります。
もちろんパーフェクトな物件は存在しませんので、何を妥協するかという話になりますが、なぜ安いのか、ということが自分なりに理解できて、妥協できる物件を選んだ方が良いでしょう。
そういう目線で物件を探していると、なんだかゲーム感覚に思えてきます。信長の野望のような笑
物件を購入したいと思ってから、実際に購入するまでは結構な時間がかかります。
たくさん物件を見ていると、段々どの地域が良いのか、どれくらいが相場なのか、ということもわかってきますので、とにかく物件情報を日々見るということを習慣づけると良いのだと思います。
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