不動産業界では色々な価格にまつわる用語が出てきますよね。
不動産を購入する時に、こういった価格に関しては色々調べるものだと思います。
今回はごちゃ混ぜになってしまいがちな公示価格と路線価の違いについて解説してみたいと思います。
公示価格と路線価は、発表する役所と時期が異なる
公示価格と路線価はどちらも公的に発表される土地の価格なのですが、
その違いは発表する役所と発表される時期です。
それぞれにどのような特徴があるのか、ということも詳しくみていきましょう。
3月下旬に国土交通省が公示する公示価格
公示価格は毎年1月1日時点の標準地(全国2万6,000地点)の価格を毎年3月下旬に国土交通省が発表します。
公示されているのは1平方メートルあたりの土地の価格で、
- 土地取引の指標
- 不動産鑑定の規準
- 公共事業用地の取得価格算定の規準
- 土地の相続評価の基準
- 固定資産税評価の基準
などとして使われています。
各地の公示地価は国土交通省の「土地総合情報システム」にアクセスして、「地価公示・都道府県地価調査」のページから調べることができるようになっています。
地図から検索をすることもできます。
誰でも簡単に見られるものなので、ぜひ購入を検討している不動産があれば、その地域の公示価格を検索してみてください。
7月1日に国税庁が公開する路線価
路線価は、路線(道路)に面する標準的な宅地の1平方メートルあたりの価格のことです。
こちらは国税庁が毎年7月1日に公表します。
路線価は土地の相続・贈与をする際に評価額計算の基準となるもので、
相続税評価額と呼ばれることもあります。
国税庁が公表する路線価とは別に市町村が公表する固定資産税路線価というものもあるのですが、
一般的には路線価は前者の国税庁が公表するものを指すことが多いです。
公示地価の調査地点は2万6,000地点ですが、路線価の調査地点は数十万もあります。
多くの土地に路線価が付けられており、同じ土地であれば路線価の額は公示地価の8割程度となっているのが一般的です。
路線価は国税庁ホームページの「路線価図・評価倍率表」で調べることができるようになっています。
こちらは千円単位で表示されている価格なので、例えば「150」と書かれていたら15万円ということですね。
さらに、路線価の数字の後ろに「D」や「G」といったアルファベットが書かれていますが、
これは借地権割合を示しています。
Aが一番高く90%、Gが一番低く30%となっており、借地の評価額の計算に使われるものです。
路線価が公示地価の約8割である理由
先ほど路線価は公示地価の約8割であるというお話をしましたが、
なぜそういった設定になっているのか疑問ですよね。
実は実際に取引される際、売主と買主の事情や物件の特色・条件などによって、取引価格が公示価格を大きく下回ることがよくあるのです。
不動産を購入する時は色々な条件をつけて、指値をすることも多いですからね。もちろん私も指値はよくしています。
もし公示価格と路線価を同じ値にしてしまうと、
相続税の評価額である路線価が取引価格よりも大きくなって、課税額が過剰になる可能性があります。
つまり取引価格の方に合わせて税金は考えてくれている、ということです。
これを逆に考えると、大体の物件は2割引きで指値できる、とも言えるのではないでしょうか。
もちろん指値をしない方が良い物件(すでに相場に対して割安で売られていて、買い手がたくさんつきそうな物件だったり)であれば、売り出し価格のままで申し込みをした方が良いこともありますが、
不動産売買では割と当たり前に指値交渉がされているということは知っておいて良いことだと思います。
関連記事:指値できる不動産ってどんな不動産?
不動産を購入する時は「良い土地」を買うことが大切
不動産を購入する時はとにかく「良い土地」の不動産を購入することが大切だと思っています。
というのも、やはり建物は経年劣化で最終的には価値がなくなってしまうものですが、
土地には経年劣化がありません。
きちんとそのエリアのことを理解して、立地の良い物件を購入すれば、建物が古くなっても入居付けでものすごく苦労する、ということがなくなります。
私は物件を購入する時は、10年所有しても価値が落ちないものを、と考えています。
そのエリアの人口の上下を見て、将来的にも人が集まる場所かどうか、といったところも研究しますね。
そしてそのエリアを実際に歩いてみる、できればそこに通ってみる、というのが一番気づきが多いのではないかと思っています。
ぜひ投資を始める際は、その土地に足を運んで、気づいたことを列挙し、その上で購入不動産を検討するようにしてみてください。